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「泣けてしまったよ」「また違った印象」『ブギウギ』新曲披露!主演・趣里のパフォーマンスに賞賛の声

  • 2024.2.16

パンパンガールの元締め・ミネ(田中麗奈)と和解し、再会したタイ子(藤間爽子)と仲直りできたスズ子(趣里)。2月12日〜16日まで放送された第20週『ワテかて必死や』の終盤では、『東京ブギウギ』に続く新たな新曲『ジャングル・ブギー』も披露された。

スター歌手になっても変わらないスズ子らしさ

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(C)NHK

ミネがスズ子の楽屋に乗り込み、雑誌に掲載された記事を指して「私らをバカにするんじゃないよ!」と啖呵を切った日から間もなく、スズ子は彼女たちがいる縄張りに自ら乗り込んでいった。

最初は、ミネをはじめとするパンパンガールたちの警戒心が強く、まともな話し合いになりそうもなかった。しかし、スズ子が経験してきた人生の一端を知るにつれ、彼女たちの態度は軟化していく。

その後、スズ子は幼馴染だったタイ子(藤間爽子)と再会するのだが、彼女の態度も硬かった。ミネたち、そしてタイ子に共通するのは、「自分たちとは違う世界で華々しく活躍するスズ子に情けをかけられたくない」という、自己防衛の表れだったのではないだろうか。

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(C)NHK

確かにスズ子は、羽鳥(草彅剛)というカリスマ作曲家と出会ったことで、『ラッパと娘』『東京ブギウギ』など国民を熱狂させる名曲を連発してきた。彼女の人柄を知らなければ、スター歌手として一括りに捉えてしまうだろう。

生きるだけで精一杯な側にいる者たちにとって「自分たちとは住む世界が違う」と遠ざけなければ、心を保てないかもしれない。

しかし、スズ子のやり方は変わらない。自分の心に正直で、やると決めたらやり通すおせっかいな気質は、彼女がどれだけスター歌手として舞台に立とうとも変わらないのだ。

スズ子がこれまで通ってきた苦境を知ったからこそ、ミネたちは彼女の人生に思いを馳せ、自分たちの境遇にも重ねることで歌と踊りに熱狂した。タイ子も、あの幼いころとなんら変わらない「おせっかいなスズ子」が健在なことを知り、ようやく素直になってくれたのだ。

『東京ブギウギ』に続く新曲『ジャングル・ブギー』

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(C)NHK

羽鳥がスズ子のために書き下ろした新曲は『ジャングル・ブギー』。「妾」「女豹」など挑戦的な歌詞が入った曲で、舞台上のスズ子の衣装もこれまで以上に派手で過激だ。これまでとは異なる角度のパフォーマンスにSNSでも、「また違った印象」「泣けてしまった」「趣里さんガチでちゃんと踊れる人」など賞賛の声が集まっている。

山下(近藤芳正)が言っていたように、時世を考えると、子どもを持つ母親が着るような服ではない。それでも、幼い愛子を育てるスズ子が堂々と舞台に立って歌い、華麗な衣装で踊るからこそ、前衛的な姿勢に呼応するファンが増えていく

スター歌手として表に立つ彼女だからこそ、目の前の一日を生きるのに精一杯な人たちの心を直接励ます。ともに強く生きていこう、と手を取り合い、背中を押す。スズ子だからこそできる歌と踊りで、戦後の空気と、生き抜くと決めた人たちを盛り上げていたのだ。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_