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着物を脱がせると『謎の新聞紙』が… 市松人形の"衝撃の真実“に「これは凄い」

  • 2024.1.21

親戚から譲り受けたり、骨董市で出会ったり。巡り巡って自分の手元にやって来た昔の小物やお人形に、ふとした瞬間「こんなに長い歴史があったとは!」と驚いたことはありませんか?

人形愛好家の森下ことり(@morishitakotori)さんが、年代物のお人形と、そのお人形に巻かれていた古い新聞紙についてX(旧Twitter)上に投稿したところ、「これはすごい!」「時代を感じる」と注目を集めています。

森下さんのお人形には、どんな新聞紙が巻かれていたのでしょうか?

その投稿がこちら!

戦前の言葉遣いで書かれた新聞!

森下さんが取り上げた「明治15年」は、別のユーザーが「大阪毎日新聞が第三種郵便認可された日だと読める」と解読してくれていました。他にも「国民学校と書いてある」「東條首相の奏上という文字がある」など、次々と新聞の年代を推測するユーザーが出現。最終的に「昭和17年の新聞ではないか」というところまで絞られていました。

三人寄れば文殊の知恵といいますが、SNSはまさに人間の知識と知恵の宝庫ですね!

昭和17年と言えば太平洋戦争真っ只中。こちらのお人形の「きいちさん」は戦火を生き延びたのだということがわかります。

こちらは新しい江戸ちりめんの着物をまとったきいちさん。

80年以上経っているとは思えない美しさです。大切に受け継がれてきたことがわかりますね。

きいちさんの見てきた歴史に思いを馳せたくなる素敵な投稿でした。

骨董市で出会った市松人形!名前の由来は挿絵作家の「蔦谷喜一」から

こちらの投稿をなさった森下ことりさんに、このエピソードについて詳しくお話をお伺いしました!

---きいちさん、81歳とは思えないほど綺麗ですね!こちらはどういったお人形なのか、詳細をお伺いできますと幸いです。

きいちとは20年程前に骨董市で出会いました。大切にされていたらしくとても綺麗な状態でした。『徳山』という銘柄の人形だそうです。絹の着物が経年劣化で風化してきたので、お正月だしお着替えさせようと脱がせたところ新聞紙を発見しました。『きいち』という名前は、昭和初期の挿絵作家で『きいちのぬりえ』で有名な『蔦谷 喜一(つたや きいち)』さんから頂き、私が名付けました」

---確かに、きいちさんには「きいちのぬりえ」に出てくる子どもたちのような愛らしさがありますね! ところで、きいちさんにはなぜ新聞紙が巻かれていたのでしょうか?

「知り合いの市松人形師さんから聞いた話では、昔の市松人形には新聞紙が巻いてあるものが時々あるそうです。現代のものは胴紙といって、作者名と落款を押した和紙が巻いてあります。古い市松人形でもそのタイプのものも多いので、時代によるものなのか、人形のランクなのかは私にはわかりません」

---新聞紙は胴紙代わりに巻かれていたのですね。市松人形についても興味がわいてきました。貴重なお話をありがとうございました!

「大変な中大切にされていたんだね」きいちさんのかつての持ち主に思いを馳せるコメント多数

森下ことりさんの投稿を見たユーザーからは、次のようなコメントが寄せられていました。

ロマンやー
これは凄いですね!
旧字体ばかりで興奮する。廿って表記 普通に使ってたんだね
昔の新聞って、漢字にルビ振ってあるんだな。手間がかかってる。
大変な中大事にされてたのかな?すごいね
うわぁ〜良く綺麗でこの時代までいてくれましたね! 大事にされて来たのですね

きいちさんを大切に受け継いできた歴代の持ち主に思いを馳せるコメントがたくさん集まっていました。新聞紙の紙面に注目している方もいました。

「自分も受け継いだものを大切にして、次の世代に渡そう」と思える素晴らしい投稿でした!



取材協力:森下ことり(@morishitakotori)さん