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「100kg以上のタイプもある」→『電動車椅子』利用者が語る“切実な訴え“に「もっと社会に広まってほしい」の声

  • 2024.1.12

人それぞれ、心や体の特性は異なります。皆がお互いの個性を理解・共感し、手を取り合って協力し合える社会を目指すことは、現代社会においてとても大切な考え方です。しかし、車椅子ユーザーの方からは「『心のバリアフリー』だけではどうにもならないこともあるよ!」との問題提起も。

あずみん。(@ysmn0421)さんが、ご自身の利用している電動車椅子についてX(旧Twitter)上に投稿したところ、「いろいろな車椅子がありますよね」「まだまだ知らないことだらけだ」などのコメントが寄せられ、注目を集めています。

あずみん。さんの電動車椅子とはいったいどのようなものだったのでしょうか?

その投稿がこちら。

確かに、これは人の力で持ち上げることはできません。スロープやエレベーターがなければ段差を超えることはできないでしょう。

あずみん。さんは、続くポストで「だからこそ人の手を借りずに済むように、段差解消するべきですし、それが難しいならスロープを設置して欲しい」と訴えています。

一人ひとりの心がけが大切! 個々の想像力と取り組みが社会を変える

こちらの投稿をなさったあずみん。さんに、このエピソードについて詳しくお話をお伺いしました!

---段差をなくすことやスロープの他に、もっとこうなると生活しやすいということがありましたら、お伺いできると幸いです。

『一人ひとりの心がけ』が大事なんじゃないかと思います。中でも感じるのはエレベーターの譲り合いについて。私は健常者の方にもエレベーターを使用する権利はあると思っています。誰にも使う権利はあります。しかし『エレベーターしか使えない』人の存在を一人ひとりが意識してほしいなと常に感じてます」

---確かに、「自分よりこれを必要としている方が側にいないかな?」と考えられるかどうかは、一人ひとりの想像力と心がけにかかっていますよね。

百貨店には優先エレベーターの案内係の方がおられ、そこで待っている健常者(ここではエレベーター以外でも移動手段がある方という定義)に『こちらはエレベーターしか移動手段がない方のためのエレベーターです。他のエレベーターをご利用ください』と声掛けをしていただいています。そうすればだいたいの人は他のエレベーターへ行きます。案内係のいないエレベーターでは、我先にと健常者はエレベーターに乗ろうとします。私は何度もその現場に遭遇し、満員のエレベーターを見送る経験を何度もしました」

---いつでも案内係の方がいるわけではないので、やはり一人ひとりがしっかり意識すべきことですね。

「将来的には案内係がいなくても『一人ひとりの心がけ』で『エレベーターを譲る』人が増えてほしいなと思います。エレベーターに限らず、そういう困っている人のことを想像して、自分事として考えられる人が増えたら、社会はもっと生きやすくなると思います。なお『心のバリアフリー』という言葉がありますが、私はあまり好きじゃありません」

---重いタイプの車椅子の方に、周りにいる人が何かお手伝いできることはありますか?

手伝えることは特にないです。重い鉄のかたまりなのでどうしようもできないからです。踏まれると痛いし危険なので近寄らないでください。ただ当事者にとっては足なので車椅子の仕組みや運転技術は本人が一番わかっています。勝手に動かそうとしたり『押しましょうか?』などの声掛けも不要です。足を轢くこともめったにありません。踏んでしまうのは、そこに足があることに気づけなかった場合が多いです」

---手助けしようと近づくことが逆に迷惑になることが多々あるのですね。

急に動く子どもやお年寄りが近くにいると私も怖いです。エレベーターでは鏡を見ながらバックで外に出たいので鏡を塞がないでもらえると助かります。『先にどうぞ』とボタンを押されているのも困る場合があります。こちらが『先に降りてください』『大丈夫です』と言ったときは、先に外に出ていただけると幸いです」

---貴重なお話をありがとうございました!

「まだまだ知らないことだらけ」問題提起に自らを振り返るコメント多数

あずみん。さんの投稿を見たユーザーからは、次のようなコメントが寄せられていました。

ちょっとお手伝いって気持ちでなんとかなる重さではないな。移動の大変さはいろいろな場面で知ったし、まだまだ知らないことも多いだろうな
ぼくの新電動車いすも100kg超。手動車いすではなんてことない所も超えるのが難しくなった。でもそんな電動車いすを敢えて選んで使用してる理由は、日常生活や自分の現在の体調を鑑みての結果ということを理解していただきたいという思い
もっと社会に広まってほしいですね
段差が無くなりますように

今回は電動車椅子をご利用になっている方のお話でしたが、中には、見えない部分に障がいを抱えており、エレベーター等が必要な方もいらっしゃいます。

全ての人が暮らしやすい社会にするべく、物理的な機能面を充実させるのが重要であることはもちろん、我々一人ひとりが常日頃から意識し、心がけていくことが必要ですね。



取材協力:あずみん。(@ysmn0421)さん