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正月準備「すす払い」の意味は? いつ、何をする?

  • 2023.12.10

【2024年1月24日更新】12月13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の「すす払い」の日。つまり、お正月の準備として、大掃除を始める日です。「すす払い」は神社仏閣の年中行事として今も行われていますが、一般家庭でもこの日に大掃除を始めるとよいそう。本来、お歳暮を贈り始めるのもこの日でした。すす払いの由来や、この時期にやるべきことをご紹介します。

12月13日は「すす払い」。その由来や現代でのすす払いのやり方について、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。

「すす払い」とは?

12月13日は「すす払い」。また、この日にすす払いをして正月準備を始めたので、12月13日は「正月事始め」とも呼ばれています。

すす払いとは、新年の神様である「年神様」をお正月に迎えるために、1年分の汚れを落とす大掃除のこと。囲炉裏を使っていた頃は、家中にすす(煙や炎から出た黒い炭素の粉)が付いており、すすを払ってきれいにしたことから「すす払い」と呼ばれるようになりました。

すす払いが12月13日になったのは江戸時代のこと。江戸城ですす払いを12月13日に行っていたため、庶民もそれに倣うようになりました。12月13日は鬼宿日(きしゅくにち)という大変縁起のいい日であり、年神様を迎える準備にふさわしいと考えられたそう。現在でも、神社仏閣では12月13日にすす払いが行われるところが多くあります。

すす払いをして幸せを呼び込もう

すす払いで家中の汚れを払って清めると、年神様がたくさんの幸せを授けてくれると言われています。「大掃除は年末休暇まで手を付けられない…」という人は、縁起のいい12月13日に大掃除の計画を立てるのもいいかもしれませんね。

掃除の順番は、神棚や仏壇があればまずそこを。そして、家族の健康を支える台所、浴室、トイレを優先的に。続いて、居間などの部屋をきれいにします。どの部屋も、上から下へ、広いところから狭いところへ。天井、壁、床の順に掃除していくといいでしょう。

すす払いが済んだらお歳暮を贈ろう

現在、お歳暮を贈る時期は、12月上旬から12月25日頃までを目安にするのが一般的です。

地方によっては、12月13日以降贈り始めます。これは、お歳暮は、年越しにご先祖様に供えるものを本家や実家に贈るようになったのが始まりだと言われており、すす払いが済んでから贈っていたからです。やがて、日頃お世話になっている人に、感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣となり、現在に至ります。

お歳暮を年内に贈りそびれてしまったときは、松の内の1月7日までなら「お年賀」、それ以降は「寒中見舞い」や「寒中御伺い」として贈りましょう。

新しいカレンダーや手帳の準備はOK?

この時期、まだ新年のカレンダーや手帳を購入していない人は、このタイミングで購入しておきましょう。年末にかけて店頭の特設コーナーでも品切れが多くなっていくので、お早めに。他にも、長年使っている腕時計や万年筆など、愛用品のお手入れをするのもいいですね。

また、正月飾りやおせち料理など、正月準備のチェックリストを作ってもいいでしょう。「すす払い」や「正月事始め」の風習を、上手に活かしてみてください。

監修:三浦康子

和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。

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