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interview 岡山天音

  • 2023.12.10

「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から岡山天音さんのインタビューをお届けします♪

Profile

Profile 1994年生まれ。2009、NHK「中学生日記 転校生シリーズ(1)少年は天の音を聴く」でデビュー。2017年公開『ポエトリーエンジェル』では、第32回高崎映画祭の最優秀新進男優賞を獲得。主な出演作は、映画『王様になれ』、『さかなのこ』、『あの娘は知らない』、「キングダム」シリーズ、「BLUE GIANT」、ドラマ「ひよっこ」、「I”s」、「ヴィレヴァン!」、「最愛」、「日曜の夜ぐらいは...」、「こっち向いてよ向井くん」など、多くの映画やドラマで活躍中。

生きづらさを抱える人たちにとってちょっとでも燃料になれたら嬉しい

ツチヤタカユキ氏の青春私小説「笑いのカイブツ」が映画化される。圧倒的な熱量と物量でボケを生み出し続け、全てを捨てて笑いに命を懸けた“ツチヤ”の半生を生々しくも痛快に描いた本作で、世の中の不条理や常識に苦しみながらも、ピュアに尖り続けたた。“伝説のハガキ職人”を演じたのは岡山天音さん。役作りについて伺うと「ツチヤに近づけるために何かを足すというより、自分の中のツチヤにフォーカスを当てるという作業だった」と話し始めてくれた。

「ツチヤには自分の性質や子供時代のことを重ねると共感する部分がありました。でもその部分は闇というか、ちょっとしんどい部分なので、あえて見ないようにしてきた部分でもあるんです。そこにフォーカスを当てるという作業は精神的にかなりヘビーで、撮影中も人間の縁が迫ってくるというか、あーやばいぞ...という感覚になることがあって、現場ではめちゃくちゃだったと思います」

それでも倒れずに乗り越えられたのは滝本監督はじめ、仲野太賀さんや菅田将暉さん、松本穂香さんという共演者たちの支えがあったからだと話す。

「今回は、ツチヤという強烈なキャラクターを演じるというだけでなく、主演として監督にはたくさん相談に乗っていただきました。昔から繋がりのある共演者の方が支えてくれたことにも感謝しかないです。初対面の方だったら、僕の全体重を預けられなかったと思います。人の血液の温かさを感じるというか、ものすごい愛の濃度を感じた現場でした」

ツチヤとまでではなくとも、不条理さや常識に苦しめられるという経験は誰にでもあるもの。そんなとき、岡山さんはどう折り合いをつけているのだろう?

「僕の場合は、それも含めて面白がることですね。理不尽なことって、どうしてもあると思うんです。だからそこに拒否反応を起こしたり、避けようと努力するより、それも楽しむ。映画の キャッチコピーではないですけれど“おもしろいだけが、正しい”と思って生きています。仕事やプライベートの時間はもちろん面白いですけど、何もすることがなくて家にいる時間すら面白い。どの瞬間もそもそもレアなので“なんでこんな暇なんだっけ?”って興味深いし、何が起こっても“どうしてこうなったんだ?”って、気になることは尽きません。なので結果全部面白いんです」

ツチヤが笑いに命をかけたように、岡山さんが夢中になっているものは?

「やっぱり芝居ですね。夢中という言い方が正しいのかわからないけれど、10代の頃は操縦の仕方がわからなかったロボットに乗っているような状況でした。乗りこなさなきゃいけないのに、やり方がわからなくてどうにもできない。只々どうやったら動くのかと必死になっている感じはまさにツチヤのようだったと思います。今?今はやっとある程度操縦方法も身についてきたという感じです。傷だらけになりながら、“あぁ、自分はこうすればいいんだ”というのが少しずつ掴めてきて自分の扱いがわかってきた感じです」

2024年の抱負を伺うと、「未知の扉がたくさん開いたらいいな」と岡山さん。

「すごい抽象的ですけど、来年の今頃振り返ったときに、色んな人に出会って、色んなことを経験できた年になっていればいいなと思います」

『笑いのカイブツ』

原作/ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』(文春文庫)

監督/滝本憲吾

出演/岡山天音、片岡礼子、松本穂香/菅田将暉、仲野太賀

公開/2024年1月5日(金)テアトル新宿他 全国ロードショー

PHOTO / Isamu Ebisawa

HAIR & MAKE / Naoko Morishita

STYLIST / Haruki Okamura

TEXT / Satoko Nemoto

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