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夫が突然倒れ、帰らぬ人に...…創業77年「室蘭やきとり」の老舗を支える女性二人の物語

  • 2023.12.10

HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。

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新しいお店が次から次へとオープンする一方、長く続いているお店があります。 北海道で50年以上続くお店にスポットをあて、愛されている理由を探るコーナー「ザ・ロングセラー愛されるにはワケがある」。

今回は、室蘭やきとりの老舗に注目しました。

創業77年の老舗やきとり店に代々伝わる「秘伝のタレ」が、いま受け継がれようとしています。

変わらぬ味を守り続ける2人の女性の物語

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室蘭やきとり。
「やきとり」とは言うものの、実際には「鶏肉」ではなく「豚肉」。
そして、「長ネギ」の代わりに豚肉と相性の良い「玉ねぎ」を使い、甘みのある“たれ”と洋がらしでいただくのが室蘭やきとりの特徴です。

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室蘭やきとりが誕生したのは昭和の初め。

当時日本は戦争による食料増産と、軍用靴の製造に必要な豚皮を確保するため、養豚が奨励されていました。
鶏肉よりも安価だった豚肉のやきとりは、室蘭の製鉄所で働く労働者たちの胃袋を満たす、欠かせないソウルフードとなっていったのです。

かつて、室蘭一の賑わいをみせた中央町に、室蘭やきとりの老舗があります。
昭和21年創業の「吉田屋」です。

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やきとり吉田屋

住所:室蘭市中央町2
電話:0143‐23-2948
営業:午後5時~午後11時
定休日:日曜

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創業77年の味を守るのは、三代目を務める、吉田静枝さん。
77歳になった今も、店に立ち続けています。
愛され続けるロングセラーは、秘伝のタレを代々守り続ける吉田屋の室蘭やきとりです。

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静枝さんの1日は、午前中の仕込みから始まります。 豚バラ肉を切りそろえ、「串打ち」していきます。
そして、創業当時から受け継がれてきたのが、“タレ”。

レシピは門外不出。 でも、そのおいしさの秘密をちょっとだけ教えてもらいました。

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タレ作りのベースとなるのは“だし”。
九州から取り寄せている地鶏の鶏ガラです。
産卵の役目を終えた親鳥からは、濃くてうま味の強いだしが取れるのだそう。
鶏ガラから旨みが溶け出すまで2日ほどかけて、じっくり“だし”を取っていきます。

「ダシの取り方で、味も変わる」と静枝さんは言います。

この鶏ガラのダシに、合わせ調味料として、しょう油と砂糖、みりんが入りますが…ここに秘密の2つのもの、ひとつは野菜、そしてもうひとつは穀物を入れます。

この2つが入ることで、吉田屋秘伝の“たれ”が完成します。

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「夫が突然倒れ、帰らぬ人に」吉田屋を支える二人の女性

吉田屋は、日曜日の定休日を除いて、毎日午後5時から店を開けています。 年齢を感じさせない振る舞いで店に立つことを生きがいとする静枝さん。

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でも、これまでの人生には、辛く悲しいこともありました。
今から17年前の2006年のこと…
それまで夫婦二人三脚で店を切り盛りしてきた夫が突然倒れ、帰らぬ人に。
ここまで頑張ってきた静枝さんも77歳になり、体力的な衰えも感じるようになってきました。

そんな中、今年の夏、吉田屋の跡継ぎにしたいと思える女性が現れたのです。

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今年の夏から働き始めてまだ3カ月の山内萌さん。
静枝さんが吉田屋の跡継ぎにしたいと思った、初めての女性です。

萌さんは元々、家族でお店に訪れていた常連客。
短大時代に大手居酒屋チェーンでのアルバイト経験があり、去年から度々お店を手伝っていました。
今年の7月、辛く悲しい出来事が…萌さんの3人目のお子さんが病気のため天国に。

最愛の息子さんを突然失い、大きな喪失感で塞ぎ込んでしまった萌さんを心配したご主人が、吉田屋で働かせてくれないかと静枝さんにお願いしたのです。

接客の良さやお店での立ち振る舞いが完璧で、その様子が静枝さんの目に止まり、「お店を継げるのなら継いでもらいたい」と萌さんに話をしたそうです。

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萌さん「血のつながりはないけど、家族みたいに接してくれる。私にとって、女将さんは大きな存在。まさか自分が、継いで欲しいって言われるとは思ってなかった。恩返ししていきたいと思っています。」

「吉田屋」が愛されるワケは…

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やきとりのタレは、人生をかけて作り上げたタレだから、おいしいと思われるのが一番。常にそれを心がけてやってるから。」と静枝さんは言います。

※掲載の内容は番組放送時(2023年11月17日)の情報に基づきます。

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