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歴史を感じる安国エリアで発見。年末のソウル旅は驚きのフュージョン料理でコンベ〜(乾杯)!

  • 2023.12.10

韓国好きエディター杉山ゆりの【K-TALK♡】Vol.17

年末年始のプラン、みなさまはもう立てられましたか? わたしは毎年決まって「ごろごろ正月 in ジャパン」ですが、おとなり韓国へ行かれる方も多いのではないでしょうか? そして何を食べるかが楽しみのひとつですよね。東大門のタッカンマリ、広蔵市場のユッケ、ドラム缶で食すサムギョプサルなどなど、大衆的なザ・韓国グルメももちろん魅力的ではありますが、なんとなく気分華やぐホリデーシーズンということであれば、ワクワク感がさらに高まるフュージョン料理というのも素敵な選択肢だと思います♡
 
冬休みを目前に控えた今回は、お店の空間、料理のプレゼンテーション、そして確かな味……、驚きと感動が連続すること間違いなしのHOTなフュージョンレストランをご紹介します。

趣向を凝らしたモダンキムチ料理を ワインと一緒に楽しめる『온(オン)6.5』

安国駅1番出口から歩くこと3分。路地に入ると、瓦屋根にガラス張りの建物でひときわ目を引く素敵な外観が!

今年11月に訪れた『온(オン)6.5』は、韓国の伝統家屋が建ち並び、歴史が色濃く残る安国エリアに昨年秋にオープンしたワインダイニング。その主材となっているのは街と同じく、古くから受け継がれてきた韓食の伝統であり、ソウルフードでもあるキムチ。それをさまざまなアプローチでモダンに創作し、まったく新たなジャンルとして、今、訪れる人たちを驚かせています。
 
それもすべてはオープン時から一貫してきた「キムチのグローバル化」を目指す熱い想いが成した偉業。画期的なキムチ料理を探求し続け、かつ、これまで多くの人たちが難しいと思ってきたワインとのペアリングを叶えたのだから、流行らないワケがありません! ワインリストは仕入れ産地など、2カ月ごとに更新されるとのことで、そこにも尽きないリサーチと細やかな調整が。実際お店に行って選りすぐられたワインとともに、こだわりのキムチ料理を楽しめば、レストランの情熱を体感できるはず。
 
そして、わたしにとってこのお店が特別である理由……それはウリリーダー、G−DRAGONことジヨンが、自身のブランドPEACEMINUSONEとNIKEのコラボレーション『New Kwondo』のローンチパーティにココを選び、大切なゲストたちを招いた場所だということ。もちろん、これは韓国内でも大きな話題を集めましたが、VIP(BIGBANGのファンダム名)としては同じ足跡をたどらなければなりません(←大きな使命)!
 
ということで、日本から予約を入れ、いざ、念願の聖地巡礼へ。
 

アプリ「CATCH TABLE GLOBAL」で予約していた名前を入り口で伝えて入店。テーブルに案内されて、まず出てきたのがこちらのウェルカムドリンクとフィンガーフード。これは、朝鮮時代の国王が宴の開始に、感謝の意を込めて来賓に献酒を振る舞っていたしきたりを汲んだもの。とはいえ中身はノンアルで、紫蘇の入ったサッパリとした味わいのドリンクでした。フィンガーフードは、さつまいもチップスでキムチとムースを挟んだもの。コレ、オカワリ、チュセヨ。

ワインとのペアリングを売りにしたお店なので、ドリンクオーダーは1テーブル=ボトルワイン1本以上のルールに。これは予約時に、あらかじめ承諾を求められます😇 ワインリストはシャンパンから、白、赤、ナチュールまで幅広いラインナップ。想像しながらゆっくり悩むのも、実にいい時間。この日はおすすめをスタッフの方に聞き、韓国産のものでキウイフレーバーのものをチョイス。ワーホリ中という日本人の女性スタッフさんがいて、心強かった。

さて、突然ですがこちらは何でしょう? これは、料理なの? お菓子なの? さすが韓国! やはりビジュアルを裏切りません。こちらは、お店のシグネチャーメニュー「キムチの天ぷら(フライ)」になります。で、下のものが見えないほどかかっている、この白い物体は……?

白い物体の正体……テーブルの上でお店の方がしぼってくれたのは、サワークリームでした。これはついつい動画に収めたくなっちゃうやつ。

そして、お次に運ばれてきたのがオーダー料理その2:アワビの醤油漬けキンパ。こちらもなんというおしゃれなな佇まい! もちろん中にはキムチを合わせたごはんがIN。この小さなひとつひとつが、まさに宇宙。

こちらも人気メニューのひとつ、白菜包み。ナイフで割ると中にはハンバーグのようなものが。ひき肉の中に唐辛子の漬物、キキョウの漬物も入り、そして牛肉ソースの濃厚な味も加わって、口の中でまたひとつの世界が完成される! 器の可愛さも必見。『온 6.5』で使われているPOPな陶磁器は『2ceramists』という2人のユニット作家さんの作品。

感度の高いギャラリーやコンセプチュアルなショップが続々と店を構え、いま再び注目されている安国エリア。この『온(オン)6.5』のすぐ近くにも人気のプレッツェル店『BACKERIN』や、素敵なセラミックの器屋さんなどもあるので、レストランを訪れる前にぜひ併せて散策も♪

景色と味わうヨーロピアンフュージョン 『MISHMASH(ミシュマシュ)』

昌徳宮の真横に面した絶好ロケーションにある『MISHMASH』。2階建の韓屋が素敵で、エントランスからわくわく!

続いて紹介するのも『on 6.5』と同じく安国エリアに位置する『MISHMASH』。こちらは昌徳宮(チャンドックン)に隣接する韓屋をモダンに改装したレストランで、まず最大の推しポイントとしてはダイニングフロアとなっている2階から昌徳宮を見下ろす形で絶景が味わえるということ。胸きゅん韓国史劇で観るような風景を間近に愛でながら食事できるなんて、たまらない空間であります♡
 
11月に訪れたときはちょうど紅葉シーズンでもあったので、俄然、ねらうはランチタイム!
 
……が、そりゃあ甘くはありません。当然のごとく11月のランチに空きなどございませんでした。いいんです、いいんです。窓からの景色は諦めたとて、酔える素敵な空間と、とにもかくにもミシュランも獲得していて、高い評価を得ている料理そのものが何より楽しみなのですから。デンマークと韓国のフュージョンとのことですが、気になるコースの内容は……。

木の温もりたっぷりの韓屋をリノベーションした、落ち着く店内。1階がキッチン、ダイニングは天高の2階フロアに。

本日のメニュー表。前菜4品、メインは豚、魚、牛のショートリブから選び、メインの付け合わせにはガーリックライス。最後にデザートとお茶かコーヒーが含まれた全7品のコース。1人90000ウォン。※ドリンクは別料金
別英語の表記もあるので安心!

まずオーダーしたのは、みんな揃いも揃ってグリーンみかんのエイド。韓国ってどこも、フルーツのエイドが本当に美味しいからついつい頼んでしまいます。

最初のアミューズ。石の器に盛られた、なんとも美しいお姿。素材そのものを楽しむ2種からスタート。内容はごめんなさい……、説明の韓国語を聞き取ることができませんでしたTT

2品目はのこちらは、自家製豆腐にしめじのピクルスとサクサクのクルトンが乗ったもの。あと5皿欲しかったやつ。優しい味が胃袋に沁みました。

続く温菜。サクサクもっちもちなじゃがいも団子、焼いたチェリートマト、肉厚なキノコ、そしてふわふわのローストダックが重ねられた器に、温かなコンソメスープが目の前で注がれます。この一つ一つどの食材も素晴らしく美味しくて、出汁がしっかり効いたコンソメスープも、口の中をめいっぱい幸せにしてくれました🥹 この白くて丸いものが完全にトック(お餅)だと思っていたら、じゃがいものお団子でした。

韓国らしい味わいのスパイシーなぷりぷりエビ。青ネギパウダーと炒めたサクサク玄米が、またいい食感!

この日、メインに選んだのは白身魚スズキをカリッと焼き付けたもの。フルーティなペッパーソースとのコンビネーションが絶妙でした。そして写真を撮り忘れてしまったのが痛恨のミス! 一緒に出されたごはんは石釜で炊かれたふかっふかのガーリックライスでした。ガーリックライスとはいえ、いわゆるパンチの効いた✊というものではなく優しい味で、これまたメイン料理と一緒に食べた時の相性が最高だったのです。なんだか、日本人の舌にとても合った、というか。

〆のデザート。自家製バニラアイスクリームにかかっていたのは、なんと20年熟成の醤油ソースと、ほんのりゴマ油!? 上に乗ったパフの食感も相まって、味わったことのない香ばしさが鼻の奥をかすめ、最後の最後まで本当に度肝を抜かれました。

柔らかな光と影が曖昧ににじんで、食事を終えた後の余韻まで美しかった『MISHMASH』。一歩外に出ても目の前が昌徳宮を囲む塀なものだから、なんだかファンタジーの世界に入り込んだままの錯覚に。しばらく、そんな非日常の中を歩く感覚で帰れるなんて、これまたお店からの最高のギフト♡

想像を軽やかに超えてくる未知の味と、目に入るすべてのものの美しさ。お店に足を踏み入れた瞬間から最後の最後まで、わくわくとドキドキと感動で、夢のような時間が続いた『MISHMASH』での2時間半。「食」と「空間」で初めて味わう幻想的な世界、それを見せてもらった感覚です。
 
今回訪れた2つのフュージョンは、どちらもまったく新しい世界に出会わせてくれました。これからもコリアフュージョンの開拓になんだかハマってしまいそうな予感です。

editor/writer YURI SUGIYAMA

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