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アルヴァ・アアルトの自邸で北欧デザインの美学に触れる【kazumiさんと巡るフィンランド旅】

  • 2023.12.10

北欧インテリアに欠かせない名作家具を多く生み出したフィンランドデザインの巨匠、アルヴァ・アアルト。今回、モデル・kazumiさんと一緒にアアルトの自邸へ訪れました。心地よさを感じるおうち作りのヒントや魅力をお届けします。

北欧と日本の親和性を感じる アルヴァ・アアルトハウス

ワンピース¥34,100、ニット¥37,400/ともにネストローブ(ネストローブ 表参道店)、その他/本人私物

20世紀の近代建築を創造した、フィンランドデザインの巨匠、アルヴァ・アアルト。現地ではアアルト以前・以後という言葉が自然に交わされ、当時革新的だった実用性を兼ねたデザイン「モダニズム」の功績をたたえています。
1936年から約40年にわたり人生を重ねた邸宅は、日本の建築からヒントを得たともいわれており、窓辺に配されたすだれがそれを物語っています。日照時間の少ないフィンランドで、光を上手に取り入れた設計や、自宅空間と併設されたアトリエで使用する素材を変えたりと、各部屋でさまざまな発見が。

Alvar Aalto house <アルヴァ・アアルトハウス> 住所:Riihitie 20, 00330 Helsinki
営業時間はツアーによって異なるためHPを参照 www.alvaraalto.fi/kohde/alvar-aallon-kotitalo

フィンランド人にとって憧れというより家族のような存在

流暢な日本語を話すコーディネーターのハンナさん。アアルト邸のツアーで詳しく解説をしてくれます。ツアーは事前予約がおすすめ。

首都ヘルシンキを訪れたのは2回目という、kazumiさん。北欧のデザインに魅了され、家具や雑貨、食器を多く所持しており、この旅ではあらゆる時代の新しいデザインに触れたいと言います。

「特にアアルトの自邸はずっと訪れたかった場所。彼の作品が好きで、さらに深く知りたいと感じるようになりました」。

現在、見学者に開放されているアアルト邸では、彼の手掛けたデザインと共に、旅先で買ったアンティーク家具や、ふたりの妻が手掛けた棚、友人のル・コルビュジエの絵画などが当時のまま残されており、空間から彼の人物像へ想像がふくらみます。コーディネーターのハンナさんいわく

「フィンランド人にとってアアルトは憧れというより家族みたいな人。図書館や大学など、生活の場所に彼の設計があって。もう少しうちの大学のトイレが大きかったらよかったのに(笑)、なんて愛を込めていう人もいるんですよ」。

デザインが暮らしの中に当たり前にあるからこそ、距離が近いと感じられるという。

「ところどころに和の要素があるので、不思議と私たちとも近く感じますね。インテリアで参考にしたいと思うアイデアもありました」と、空間から新たな発見をもらうkazumiさん。この旅でさらに新しい価値観に出合います。

アアルトの人物像を感じられる自邸内部の様子

2枚の大きな窓から光が注ぐリビングスペース。グランドピアノやゼブラ柄のファブリックに合わせた、窓辺のすだれが印象的。

1Fリビングの続きになったアトリエスペース。自宅の製図も展示されている。

窓辺で存在感を放つ、1937年のパリ万博で発表された900ティートローリー。 白樺を材料に使ったワゴンで、イギリスの紅茶文化から着想を得たものという。

2Fの暖炉前にあるスペースには、ウォールシェルフやアームチェアなどが配置。上記のティートローリーと同じく、アアルトが創設したアルテック社で現在も販売を続けています。

model:kazumi photograph:Miho Kakuta edit & text : Liniere.jp

リンネル2023年12月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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