1. トップ
  2. エンタメ
  3. 【小関裕太さん】特集『小関裕太に落ちたい』が間もなく放送スタート!【スペシャルインタビュー】

【小関裕太さん】特集『小関裕太に落ちたい』が間もなく放送スタート!【スペシャルインタビュー】

  • 2023.12.9

映画やドラマ、舞台にバラエティ番組と幅広く活躍している小関裕太さん。日本映画専門チャンネルで、特集『小関裕太に落ちたい』が12月より2カ月連続で放送されるのを前に、2回にわたってスペシャルインタビューをお届けします。前編ではオリジナルショートドラマをはじめとする、今回の特集での放送作品について伺いました。

――12月18日から’24年1月まで、計6作の出演作が放送される『小関裕太に落ちたい』というタイトルの特集企画。特集が決まったときの思いはいかがでしたか?
タイトル名を自分で言うのはちょっとお恥ずかしいんですけど(笑)。僕はもともと1年に1回、企画から関わったものづくりをしていて、その最初の作品が今回放送される映画『Drawing Days』でした。19歳のときに撮影して20歳で発表した作品です。それ以来やってきた試みのなかで、今年はどんなものづくりをしようかと話していたとき、日本映画専門チャンネルさんから一緒にやってくださるというお話をいただいたのが企画の発端です。オリジナル作品を作りつつ今までの作品もテレビ初放送してもらえることになり、今までDVDなどを買ってコアに応援してくださっている人だけではなく、より多くの人達に観てもらえるのは感慨深いし、すごく嬉しく思います。

――映画やドラマ、舞台だけでなく、ビデオエッセイなどバラエティに富んだ作品が揃いました。なかでも小関さんと同世代であるCLASSY.読者に特に観てもらいたい作品は?
役者としての作品からドキュメンタリーまで、いろいろあるので好みによるとは思いますが…。観てもらいたいという意味では、やはり初めて作った『Drawing Days』かな。何者でもない自分にたくさんの人が協力してくださって、すごく充実していました。僕は画家の役なんですが、等身大の姿を映画にしたいという思いがあり、当時のマネージャーさんがプロデューサーになり手作りした映画です。当時19歳だった僕は個性について考えていて、自分の持っているもの、持っていないものに対して向き合う時間が多く、10代後半から20代前半のリアルな青年の悩みを映画に凝縮できたらいいなあと思ったのが始まりでした。1時間半くらいの長編映画を6日間で撮ったんですよ。各界のプロが集まってくれたのですが、スタッフの皆さんには申し訳ないくらいのスケジュールでした。そんな中でも、事務所の新入社員の方々が研修として来てくれてカレーをみんなで作って――。みんなで温かいご飯を食べながら、有意義に撮影できるような環境をいろいろな人の手で整えてくれた。本当に温もりに溢れた現場だったなと思います。めちゃくちゃ大変だったはずなんですけど、充実感のほうが大きかったですね。

――思い入れが強く、印象深い作品だったんですね。
完成した作品が初めて映画館で上映されたときも、ものすごく感動したんです。映画館で上映してもらうには権利や実績などいろいろ条件があることをこのときに知って。せっかく面白いと思える作品ができたのに上映してもらえないんだっていうときに、手を挙げてくれたのが新宿にあった映画館。そのときの「上映できた!」っていう感動が忘れられないですね。観てくださる方には、僕が19歳、20歳のときにこんな作品を作っていたんだっていうことも知ってもらいたいですね。

――新作となるオリジナルのショートドラマ『メロスの誕生』についても教えてください。
どんな内容、企画にしようかというお話のなかで、出会わせてもらったのが中川龍太郎監督です。すごくユーモアがある方で、それまではわりと静かなテイストの作品が多かったんですけど、中川さんにとっても挑戦的な作品を作りたいということでした。『走れメロス』を題材にしたのも中川監督のアイデアです。中川さん曰く、メロスの正義感や走っている姿などが僕と重なったそうで、それを現代風に描いてみたいと言っていただきました。今回、改めて『走れメロス』を読み返したんですが、原作と台本を比べたとき、大筋と多少の台詞はオマージュとして同じなんですけど、ヤクザものっぽい雰囲気もあって、確かに現代的だなと思いました。

――『ハイテンション文学コメディ』という今作。撮影で印象に残っていることはありますか?
本当にたくさんの多国籍なエキストラの方に集まってもらったのですが、みんな日本語がわからないのに、とにかく盛り上がってくれる(笑)。なんかハッピーだなあって思って。どういうシーンか絶対わかっていないのに、僕が「フォー!」って言ったらみんな「フォー!イエー!」って僕のテンションを超えてくる、ハッピーな現場でした(笑)。『走れメロス』が執筆されて世に出回った時代とは確実に違う現代の感覚というのか、国籍問わず人が集まってくれた空間の温もりというのは今作ならではの解釈なのかなと思いますし、笑いがたくさん組み込まれています。それに加えて『走れメロス』の人間味も現代的に描かれているので、基盤はしっかりしていながら新しいドラマを観ているような不思議な感覚になるんじゃないかな。学生時代に教科書とかで読んだことのある人は、何も知らない状態で観ても「これなにかで見たことある気がする。懐かしい気がする」って感じると思います。

――ハイテンションなダンスシーンも印象的な見どころです。
作品のスパイスのようになっているというか、短編ならではの面白い部分がダンスシーンに詰まっているんじゃないかな。ダンス自体は振りつけといえるほどのものもなくて、僕が演じる主人公の「苦悩」がダンスになったという感じなんですけど(笑)。楽しんでいただけると思いますし、笑えると思います。周りの海外の方々もポカンとしていましたね(笑)。それでも一緒になって踊ってくれたので、何かに共鳴してくれたんだろうって(笑)。

――『メロスの誕生』を観てくださる方にメッセージをお願いします。
『走れメロス』もそうですが、今作も「苦悩」がテーマ。『走れメロス』では、一瞬、捉われている身から逃げたいって思う瞬間が描かれていますが、今作では一瞬どころではなくてずっと逃げたいと苦悩している。この役には人間の欲望がたくさん詰め込まれている気がします。「家族」だったり「恋」や「性欲」だったり、「金」「夢」「酒」とか「楽しいこと」とか、そういうものがたくさん彼の前に立ちはだかってきて、さて彼はその誘惑に勝てるのかという苦悩が凝縮されている。立ち向かっていく彼の姿に、観てくださる方々が自分を重ね合わせてくれるのなら、誘惑や苦悩と闘うときに何がそのブレーキになるのか、何が自分を突き動かしてくれる原動力になるのかに気づかせてくれるような、そんな背中を押してくれる作品になっていればいいなあと思います。

――今年は舞台やドラマに出ずっぱりな印象でしたが、振り返るとどんな年でしたか?
今年は舞台『キングダム』で王を演じて、そこからドラマを何本か撮ってお父さん役にも初めて挑戦して、今は『ジャンヌ・ダルク』という舞台作品でまた王に戻るという(笑)、すごい年だったなと。王になったりお父さんになったりストーカーになったり、濃い役をたくさん経験させてもらえた年だったなと思いました。そんな忙しいなかでも自分を見失わないように過ごしたいという気持ちがあったので、自分や周りの人に対して温もりとか有難み、幸せだなと思うことを改めて感じた年だったなと。新しい出会いがたくさんありつつも、マネージャーさん含め身近な人達との関わりがより深くなったと感じました。今28歳で、あと数年で30代というなかで、新しいものへの発見と今までへの気づきが実感できて、次に向かうための基盤になったと思います。

――今回の特集放送は年末から新年にかけて放送されますが、小関さんの来年に向けての抱負をお願いいたします。
『メロスの誕生』もそうでしたが、常に挑戦し続けられる人でありたいという思いがずっとあります。来年も挑戦的な作品が待っていて、初めての役や初めての世界観、初めての体験はどうしても緊張感がありますね。やったことのあることなら、なんとなく組み立てて迎えられるけれど、そうはできないものも多い。そのうえに予期せぬトラブルがあったりして「もうちょっとこうしたかった。もうちょっと時間があったら」という経験を何度もしているので、そういった予期せぬことも含めて楽しめる余裕をもてるように、今は準備と用意をしているタイミングです。今年はストーカー役をやらせてもらった反響が大きくて、予期していなかったいい出来事もたくさんあったので、来年もそんな年になったらいいなと。そのためにも用意できることは用意して…重複しますが、楽しめる余裕をもてる一年間にできたらいいなというのが来年の抱負ですね。

小関裕太
‘95年6月8日生まれ 東京都出身●子役として俳優活動をスタート。数々のドラマや映画、舞台で活躍。最近の主な出演作はドラマ『来世ではちゃんとします』、ドラマ『癒やしのお隣さんには秘密がある』、ミュージカル『四月は君の嘘』、舞台『キングダム』など。舞台『ジャンヌ・ダルク』が12月17日まで東京建物Brillia HALLにて、12月23日から26日までオリックス劇場にて上演中。

日本映画専門チャンネル 『2カ月連続 小関裕太に落ちたい』
日本映画専門チャンネルで多彩な魅力を放つ小関裕太出演作を2カ月連続で特集放送。主演映画『Drawing Days』(’15年)から、異国を旅する様子に密着した『小関裕太 22你好』、『Kiitos![キートス]~Yuta Koseki in Finland~』に加え、オリジナルショートドラマ『メロスの誕生』を初公開。1月には『主観ドラマ オートリバースの恋』(’20年)、舞台『FROGS』(‘13年)を放送。●12月18日(月)19:30放送スタート

【衣装】ジャケット¥370,000シャツ¥220,000パンツ¥79,000 (すべてディオール/クリスチャン ディオール 0120-02-1947 千代田区平河町2-1-1)
撮影/杉本大希 ヘアメーク/エミー スタイリング/吉本知嗣 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

元記事で読む
の記事をもっとみる