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【フィリピン・クラーク最新ルポ】訪れるべき観光スポット7選!秘境温泉&動物に癒され、ローカルフードを堪能

  • 2023.12.8

フィリピンの首都マニラから車で2時間ほど。ルソン島パンパンガ州アンヘレス市郊外に位置するクラークは、1991年のピナツボ火山の大規模噴火を機に、アメリカからフィリピン政府に返還された元・基地の街。観光地としての知名度はまだそれほど高くなく、まさにいま海外向けに国を挙げて観光PR活動に取り組んでいる真っ最中。初めてフィリピンを訪れた筆者が、特に心に残ったクラークの見どころを、現地で出会った動物たちの写真多めでご紹介します!

西海岸の趣を感じるフィリピン屈指の治安のよさを誇るクラーク

実は筆者も今回訪れるまで地名すら聞いたことがなかったのですが、インターネットで検索してもほとんど情報が見当たらず、どんな街なのか想像がつかないまま、現地へと足を踏み入れたんです。フィリピンに対するイメージは、首都マニラの混沌とした街並みかセブ島などの美しいリゾートのみ。正直「治安が悪いのでは……?」という不安もありました。

ですが、いざ蓋を開けてみると、旧米軍クラーク空軍基地の跡地は「経済特区」に指定されており、ヨコハマタイヤなどの日系企業も多数進出。ゲート内にはゴルフコースやカジノといった娯楽施設を併設する高級リゾートホテルが立ち並び、アジア圏というよりアメリカ西海岸のような趣が。フィリピン屈指と言われる治安のよさと、基地の街だった背景もあり、ネイティブ講師が多く在籍していることから、語学留学先としても近年人気を集めているのだそう。

今回の滞在で筆者が目にしたのはクラークのごく一部ではありますが、実際に現地に行ってみて肌で感じたのは、ある特定の目的地を訪れる一般的な観光地の楽しみ方とは一味違い、普段日本では泊まれないクラスのラグジュアリーなホテルに滞在しながら、そこで暮らしているかのような気分も味わえる、まさにフィリピンの穴場と言うべきスポットであること。大自然に囲まれた癒しの温泉施設や博物館、動物園、最新ショップなどを併せて巡り、この街の歴史的背景や風土、食文化も含めて、そこにあるものに丸ごと関心を持つことで浮き彫りになる、そんな魅力がある場所な気がしています。

クラークの街の中心にある経済特区「クラーク・フリーポート・ゾーン(Clark Freeport Zone)」は24時間体制でゲートでの検問が行われ、セキュリティの高い安心・安全なエリアとして区画整備や大規模な都市開発が進められていますが、隣接するアンヘレスには、昔ながらの生活を送る人たちが暮らすエリアや歓楽街もあり、多くの人々で賑わっています。

「クラークの地理や歴史・文化が丸わかり!」の頼れる総合博物館

「クラーク・フリーポート・ゾーン」内にある総合博物館「クラーク博物館」には、クラーク周辺の地理や歴史、民俗文化に関する資料が並び、ピナツボ火山の模型や第二次世界大戦中のアメリカ軍や旧日本軍が残した貴重な資料の数々も、多数展示されています。クラークに伝わる伝統工芸品や現代作家のアート作品にも触れることができるので、この街がどんな背景を持ち、どんなポテンシャルを秘めている街なのかを掴みたいなら、ぜひ最初に訪れることをおすすめします。

博物館に隣接する「4Dシアター」では、先住民のアエタ族の暮らしやピナツボ火山の噴火の様子などを、椅子の振動や霧、風などで体感できる、およそ20分の映像プログラムを上映中。“最新鋭”とまではいかずとも、雰囲気は味わえます。

■クラーク博物館/4Dシアター Clark Museum/4D Theater

住所:2528 S Osmena, Clark Freeport, Mabalacat, 2010 S Osmena, Clark Freeport, Mabalacat, Pampanga, Philippines

営業時間:9:00~16:00

定休日:月曜日

電話:+63-945-599-2854

料金:(博物館、4Dシアターそれぞれ)大人100ペソ、子ども・学生・シニア無料

フィリピンのおいしいパンが味わえる「VG Bakery + Bistro」

博物館でクラークの歴史や風土を学んだら、そのすぐ近くに2023年8月にオープンしたばかりの最先端のカフェ「VG Bakery + Bistro」へ。「フィリピンのパンはおいしい」と耳にしていたので、どんなアイテムが並ぶのか気になります。

若者でにぎわうスタイリッシュな内装の店内に入ると、ショーケース内や棚に色とりどりのパンやケーキがずらり!

日本でもよく目にするクロワッサンやデニッシュを始め、「パンデサル」や紫芋を生地に練り込んだ「ウベ・チーズ・パンデサル」、「パンデココ」など、フィリピンで人気のご当地パンが並び、コーヒーやカプチーノと共にいただけます。

カフェメニューだけでなく、フィリピンのローカルフードである「シシグ」や「アドボ」「チキンイナサル」「タプシログ」や、ハンバーガーにイタリアンなど、ガッツリ系のメニューも多数ラインナップされているので、朝・昼・夜問わず、その時々の気分やお腹の減り具合に合わせて、何度でも足を運びたくなること請け合い。人気店なのも納得です! 価格帯の目安としては、シシグが278ペソ、パスタが298ペソ、ソフトドリンクが155ペソなど、日本円で1000円以下から購入可能。日本のカフェと同じくらいの感覚ですね。

■VG Bakery + Bistro

住所:SRD Bldg, 2062 – B G/F E Jacinto St., Clark Freeport Zone , Angeles City, Pampanga, Philippines

営業時間:7:00~22:00(年中無休)

電話:+63-999-378-7949

天然温泉リゾート施設「プニング温泉」で心身共にリフレッシュ!

クラーク中心地の最新スポットをチェックしたら、車で30分ほど離れたピナツボ火山の麓にある天然温泉リゾート施設「プニング温泉」へ。アクティビティと温泉&エステで、心身共にリフレッシュできるはず。

渓谷を水しぶきを上げながら猛スピードで走り抜けるスリル満点のジープドライブの果てにたどり着く、温泉プールが13箇所も点在する“絶景秘境温泉”と、火山の地熱を利用した砂蒸し風呂と泥パックが体験できるエステ。さらにはフィリピンのローカルフードがいただけるレストランが揃う、一日居ても存分に楽しめる人気の日帰りアクティビティ施設です。

見晴らしのよい頂上には、リゾート感あふれる温泉プールと屋根付きの休憩スペースがあり、絶景を眺めながら水着姿で思い思いにくつろぐ利用客のすぐ横で、おそらく施設で飼われているであろう犬も我が物顔で自由に歩き回っています。

しばらくすると激しい雨が降り出し、濁流の中をジープで戻る際は「もしや災害級なのでは…?」と少々不安になったのですが、雨期にあたるフィリピンではこれくらいの雨は当たり前のようで、スタッフの動じなさぶりにも驚きました。

「STATION2」と呼ばれるスパエリアでは、アエタ族のスタッフによる砂蒸風呂&フットマッサージとエステが体験できます。泥パックの施術後は誰もがゾンビさながらの様相になりますが、施設内にシャワーや更衣室もあるのでご安心を。

ちなみに、料金は一人5,500ペソ。施設利用料、エステ、食事代などオールインクルーシブとなります。

■プニング温泉 Puning Hot Spring & Restaurant

住所:Sitio Target, Brgy., Sapang Bato, Angeles city, Pampanga, Philippines

電話:+63-968-724-0148

料金:5,500ペソ(施設利用料、エステ、食事代などオールインクルーシブ)

フィリピンのサファリパークでくつろぐ動物たちとオブジェに癒される

クラークの中心地から車で20分ほどの場所にある「クラークサファリ&アドベンチャーパーク」は、90種類以上、2400もの大小さまざまな動物たちが、のびのびと暮らしている動物園。東京ドーム約8個分もの広大な敷地内のエリアごとに動物が展示されており、生態を至近距離から観察できる仕組みになっています。

入口の前には、修復中と思われる超巨大な鷹のオブジェが鎮座していて、まずそのスケールの大きさに圧倒されそうに。

カラフルなペイントが施されたピックアップトラックの荷台には、陽気な表情のキリンやシマウマ、ゾウのオブジェが!

園内に入ると親ゴリラにおんぶされてなんとも嬉しそうな表情を浮かべる子ゴリラの姿も。いまだ一頭も本物の動物の姿を目にしていないにもかかわらず、フィリピンの動物園の独特な世界観に、すっかりノックアウトされてしまった筆者。

「それにしてもよくできたオブジェだなぁ~」と感心しながら順路に沿って歩いていると、今度はアグレッシブな動きで猛アピールしてくる、この日初となるリアルイグアナに遭遇。オブジェもリアルな動物も日本の動物園とは何かが違う!

「何層にも積み重なったワニのオブジェも“怖カワイイ”!」と思って眺めていると、こちらも本物のようでビックリ!

ヤギやマレーグマも、まるでぬいぐるみのような愛嬌があって、眺めているうちに自然と笑みがこぼれます。

ホワイトタイガーの展示ゾーンの入り口もセンス抜群のデザインで、子どものようにワクワクしてしまいました。

日本の動物園やサファリパークでは、トラやライオンなどの猛獣は、移動する車の中や遠方からしか見られないことが多いですが、驚くほど近い距離から観察ができるのも、ここ「クラークサファリ&アドベンチャーパーク」の特徴の一つ。

なかでも驚かされたのは、二頭のヒョウが警戒心ゼロの状態で、ぐっすりと気持ちよさそうにお昼寝していたこと。

そのなんとも安らかな表情は、「いくらなんでもリラックスしすぎだろう?」と、思わずツッコミたくなったほど。

一方、すっくと立ち上がって周りをキョロキョロしながら日向ぼっこする、ミーアキャットの姿にも和まされました。

出口付近には、色とりどりのオウムや巨大なゴールデンパイソンと一緒に、記念撮影ができるフォトスポットも。

「こんなにリラックスした動物たちには出会ったことがない!」と感激するほど、のどかな光景に癒されました。

■クラークサファリ&アドベンチャーパーク Clark Safari and Adventure Park

・住所:67 Jose Abad Santos Ave, Clark Freeport, Mabalacat, Pampanga, Philippines

・営業時間:8:00~18:00

・年中無休

・電話:+63-956-855-6378

・料金:大人599ペソ、子ども499ペソ

フィリピンの街中では「カレッサ」と呼ばれる馬車も、ジープニーやトライシクルなどの移動手段の一つとして、いまだ現役で利用されています。「炎天下にアスファルトの上を走らせるのは可哀そう……」と気の毒に思わなくもなかったのですが、せっかくの機会ということもありグルっと一回り乗せてもらうことに。リズミカルな馬の足音を聞きながら、数年後にはマンションや大型のショップが立ち並ぶとされる、この街の未来予想図に思いを馳せました。

「食の都」パンパンガでフィリピンの新旧ローカルフードを味わう!

「カレッサ」ではないものの、牛車のイルミネーションが店前に停車しているこちらのお店は、パンパンガ州の地元料理や多国籍料理が楽しめるレストラン「Matam-ih Authentic Kapampangan Cuisine」。

足を踏み入れると、色とりどりのクリスマスデコレーションが店内のあちらこちらに! 「さすがにちょっと気が早すぎるのでは?」と思わなくもなかったのですが、クリスチャンの多いフィリピンでは、9月から街中でクリスマスの準備が始まるそう。

円卓の上にはフィリピンのB級料理「シシグ」(255ペソ)を始め、野菜と牛肉をピーナッツソースで煮込んだ定番料理「カレカレ」(280ペソ)や、米粉の皮で作ったフィリピン風の揚げ春巻き。さらには、フィリピンのお祭りやイベント事には欠かせないチキンの丸焼き(Pinaupong manok/440ペソ)に、こちらもフィリピンを代表する白身魚「ラプラプ」など、ご馳走がずらり。

ちなみに、テーブルの上にバナナの葉を広げて、その上にお米や魚、肉、フルーツなどを豪快にのせて素手で食べるのが、フィリピンの伝統的な食事スタイルなのだそう。普段、大人数で食卓を囲む機会はめったにない筆者にとっては、クリスマスとお正月が一度に来たかのような気分でした。

■Matam-ih Authentic Kapampangan Cuisine

・住所:Lot 1-D, M. A. Roxas Highway, E. Jacinto Street, Mabalacat, Philippines

・営業時間:10:00~22:00

・電話:+63-939-989-2382

一方、アンヘレスにある歴史的な建造物を再利用した「25Seeds」という隠れ家風レストランでは、まさに「モダンキュイジーヌ」といった風情の、エディブルフラワーで彩られたオシャレなフィリピン料理がいただけます。一流シェフが手掛ける料理はもちろんのこと、「映え」写真が撮りたい人にもピッタリのお店であると感じました。

価格帯としては、前菜、サラダ、スープ、パスタは約400~600ペソ、メインディッシュは500~1000ペソ、ドリンクとデザートは200ペソ前後となります。

■25 Seeds

住所:2F Dycaico Ancestral House, Barangay Sto. Rosario, Angeles City, Philippines

営業時間:月~木10:00~20:00、金~日 10:00~21:00

電話:+63 997 925 1260

市場に流通しないスーパーフードの贅沢な収穫体験で自然を満喫!

パンパンガ州は「食の都」と呼ばれるだけあり、食に関するスポットも目白押し。とはいえご馳走ばかり食べていると、お肌やお腹の調子も気になりますよね。そんな時におすすめしたいのは、州都サンフェルナンドにある果樹農園「ウィルソンズ・インスタント・ツリー・バンク」。ビタミンやミネラルなど、美容効果の高い栄養素が豊富なスーパーフード「マルベリー(桑の実)」の収穫体験が、一人50ペソ(およそ133円)という実にリーズナブルな金額で楽しめます。

桑の実自体は日本でもよく目にしますが、傷みやすく日持ちしないため生の果実はほとんど流通しておらず、ジャムや果実酒として販売されることが多いのだそう。フィリピンでもそれは同じで、フレッシュなマルベリーがその場でいただけるのはとても贅沢な体験なんです。

黒く熟した実の方が甘いということで、カップ一杯に詰んでみました。ちなみにマルベリーの果汁で真っ黒に染まった指先は、強烈な酸味のあるビリンビという実の果汁を付けると沈着した色素が取れやすいという裏技も教わりました。

■ウィルソンズ・インスタント・ツリー・バンク

・住所:Km 77 Mc Arthur Hiway Brgy, San Fernando, 2000 Pampanga, Phillipines

・営業時間:8:00~18:00

・年中無休

・電話:+63-927-626-1099

・料金:一人50ペソ~

電飾ピカピカの巨大ランタンでクリスマス気分を先取り!

最後にご紹介するのは、「クリスマスの首都」との異名を取るサンフェルナンドを象徴するクリスマスの電飾「ジャイアント・ランタン」です。派手な電飾を仕込んだ巨大ランタンが街中の至るところに飾られていて、地元の人たちの思い入れの強さが窺えます。毎年12月には、直径約6メートルに及ぶ巨大ランタンを出展して美しさを競い合う「ジャイアント・ランタン・フェスティバル」が開催され、世界各国から多くの観光客が見物しに来るのだそう。

クラークの経済特区の内部のみならず、周辺のアンヘレスやサンフェルナンドも含めて、パンパンガ州の歴史や食・風土に触れられるスポットをご紹介してきましたが、滞在中、事前に心配していたような治安の悪さを感じることは一度もなく、急速に変わりつつある街を行き交う多くの若い人にパワーをもらう一方、のんびり屋の動物たちに癒されました。

温泉・動物・食・文化・歴史などどれか一つでもピンとくるところがあった人は、セブ・パシフィック航空の直行便を利用して、気軽にクラークを訪れてみてはいかがでしょうか? きっとフィリピンの新たな魅力に触れられるはずですよ。

All photos by Reico Watanabe

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