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米軍基地にきた老紳士の行動が不審過ぎる…→心の底から心配になってしまう理由とは【米軍基地で働いてみた(29)】

  • 2023.12.7

<米軍基地にきた老紳士の行動が不審過ぎる…→心の底から心配になってしまう理由とは>米軍基地で働いてみた[#29]

(前回の続き)ジムに届く兵士の忘れ物に手を焼く毎日でしたが、そんなある日、若い兵士達とは明らかに違う老紳士がジムに現れました。
軍事施設ですから、たとえアメリカ人であっても一般人は米軍基地内には入れません。

ただし、兵士や軍関係者の友人家族、大使館関係者などが利用する場合もあるので「May I help you?」と、老紳士に声をかけてみました。
しかし、補聴器をつけた老紳士はニコニコしながら通り過ぎます。(あれ、聞こえなかったのかしら?)

2度3度カウンター前を通過し、意を決したかのようにこちらに来た老紳士は「忘れ物案内はここですか?あの…時計は届いてませんか?」と尋ねてきたのです。

どのような時計なのか特徴を聞くと、忘れ物の中に該当する時計があったのでお渡しすると、「そうそうこれこれ!トイレで手を洗う際に外しちゃって!」と恥ずかしそうにする老紳士。

どこのトイレだったか思い出せず、基地内のあちこちを回り、ようやくジムに辿り着いたそうで「若かりし頃に妻から贈られた大切な時計なんだよ。」と嬉しそうです。

受取書類にサインを頂く際に眼鏡を頭にかけ書類に記入しながらも、携帯を取り出し、奥様やお孫さん、日本観光の写真なども見せてくださった老紳士。
書類を受け取り「お気をつけて!」とお声掛けすると「Thank you!」と、立ち去りかけて「眼鏡がない!」と焦り始めます。

「頭にのってますよ。」と教えてあげるとバツが悪そうに笑いながら出口に向かっていく彼を「Have a good one!」と見送り、ふとカウンターを見ると先ほど写真を見せてくれた携帯電話が置きっぱなしです!

「Excuse me!」と慌てて渡しに行くと、度々の忘れ物が恥ずかしいのか、真っ赤な顔で受け取る老紳士なのでした。

その後の足取りがちょっと心配になり、様子を見ようと表に回るとカウンターには立てかけた杖が「ぽつん」と残ったままではありませんか…!
「おじいちゃ~ん!」じゃなかった!「Excuse me Sir!」

「いや~年をとると忘れっぽくて・・・」と言う老紳士に杖を手渡しながら心の底から心配になってしまいますが、可愛くて、なんだか憎めない老紳士でした。

昔はバリバリの兵士だったでしょうが、年をとると忘れっぽくなるのは世界共通なのね。と、ほっこりしたのでした。

次回、若い米軍兵士達がおかしな様子で早朝に並ぶ理由は下の関連記事からチェック!

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