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年金は自動でもらえる訳じゃない!?年金のよくある誤解3選

  • 2023.12.8

年金と聞くと「保険料を払っても自分たちはもらえない」といった声を耳にします。ですが、これは誤った認識です。そんな年金に関する多くの誤解を解消し、年金と正しく向き合いましょう。

■誤解1:自動で支給される

私たちがイメージする年金は、65歳になったら自動的にお金が支給されるというものではないでしょうか。しかし、実際には65歳で得られるのは「もらえる権利」であり、請求しなければいつまでたっても年金がもらえません。

ではもし、年金を請求し忘れたらどうなるのでしょうか。

年金の受給権は、権利が発生してから5年後に消滅すると法律によって定められています。つまり、請求しないと年金は受け取ることができなくなってしまうのです。

やむをえない理由で時効前に請求できなかったときは、日本年金機構に理由を書いた書面を提出することで、時効消滅させないことが可能です。ただし、死亡一時金や脱退一時金の時効は2年と短めなので、早めに手続きしたほうがよいでしょう。

60歳から受け取る繰上げ受給や66歳から75歳までの間に受け取る繰下げ受給も選択可能ですが、通常の支給よりも金額が増減するのでよく考えてから申請したほうがよいでしょう。

■誤解2:免除された年金保険料の支払いはできない

過去10年分であれば、年金保険料を追納することができます。

国民年金保険料の免除や納付猶予などの制度を利用している場合、将来もらえる年金額が減ってしまいますので、年金保険料を追納することで、年金支給額を減らされないようにすることができます。

追納分は社会保険料控除の対象となるため、所得税・住民税の負担軽減に役立ちます。

■誤解3:年金未納者が多い

一時期、国民年金の未納者が全体の半数近くに上ることが報道で話題となりました。この部分だけを目にすると「半分も払っていないのに、なぜ自分は払わなければならないのか」と感じるのはもっともです。

年金には国民年金と厚生年金があり、報道の数字は国民年金だけをピックアップしたものでした。令和3年度の国民年金の加入者数は1,431万人で、全額・一部免除者が647万人、未納者が106万人となりますから、半数近くが納めていないというのは確かです。

しかし、厚生年金を含めると話が変わってきます。令和3年度の国民年金と厚生年金を合わせた公的年金の被保険者数は6,729万人です。未納者は全体の1.6%で、全額・一部免除者は約9%となります。

確かに少なくない人数ですが多数を占めるというのは言い過ぎです。

■年金を正しく理解しよう

年金に関しては「払い損」といった否定的な意見も少なくありません。しかし、生きている限り一定額のお金を受け取れるのは大きなメリットです。

平均寿命が延び、将来のお金に関する準備が今後ますます必要になることを考えると、年金についてより正しい知識をつける必要があるのではないでしょうか。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー) 高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディアに出稿している。

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