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役所広司が諫早市の市民栄誉賞を受賞!『PERFECT DAYS』の撮影でトイレ掃除のプロから学んだスゴ技を語る

  • 2023.12.8
役所広司が諫早市の市民栄誉賞を受賞!『PERFECT DAYS』の撮影でトイレ掃除のプロから学んだスゴ技を語る
(C)2023 MASTER MIND Ltd.

師匠の仲代達矢が考えた芸名候補には出身地の諫早から取った名前も!?

役所広司が出身の長崎県諫早市の市民栄誉賞を受賞し、12月2日諫早市にて授与式が行われた。また、同日長崎市内にてヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』の特別試写会も開催され、主演の役所と共演者で同じく長崎県出身の麻生祐未が登壇し、公開に先駆けて本作を鑑賞した観客に向けて思いを語った。

この度の受賞を受けて役所は、「諫早のみなさん、ご無沙汰してます」という挨拶から、「名誉あるこの賞をいただけるとは思っていませんでした。俳優になるときに、師匠の仲代達矢さんが芸名をつけてくれる、という話になりまして、そのなかに『諫早広司』というものがありました。そんな名前をつけたらもう一生諫早には帰れないから、これだけは勘弁してくださいということで、役所広司になりました」と、地元諫早での受賞への特別な思いと、自身の芸名にまつわるエピソードを語った。

さらに、諫早で過ごした少年時代について、「僕が子どものころは映画館が近所に4つぐらいあったんじゃないかと思うのですが、うちは飲料水をいろいろな売店や映画館に配達する仕事をしていましたので、配達にときどき行ってはちらっと映画館の映画の上映を覗いてみたり、映画館のスチル写真を見るのもとても楽しみでしたね。そういった中で、子どものころ映画というのはとても身近にあったように思います」と回顧。

話題は自身の兄と映画の思い出に移り、「思い出深いのは、兄が黒澤明監督『生きる』を見てきたばかりで、僕に頭から最後までストーリーを話してくれたんです。映画の中に出てくる『ゴンドラの唄』までうたって。東京に行ったときに小さな劇場でその映画を見ると、最初から最後まで兄が語ってくれたストーリー通りの物語があって、映画が終わったときに”あの時、兄貴は本当に真剣に映画を見ていたんだな…“とつくづく感心しました」と語った。

そして最後に「これからの俳優人生で、50年後、100年後も見てもらえるような映画に参加したい、それがぼくの夢です。こんなにすばらしい賞をありがとうございました。また帰ってこれるように頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました」と、集まった地元の人々に感謝の言葉を述べた。

諫早市市民栄誉賞授与式と同日、TOHOシネマズ 長崎にてNBC長崎放送が主催する特別試写会が開催。今回の出演の経緯について役所は、「この映画の製作者の柳井康治さんが立ち上げられたThe Tokyo Toiletプロジェクトのトイレを舞台とした、清掃員の物語を映画にするという企画でした。このThe Tokyo Toiletというのがとてもすばらしく、東京オリンピックに向けて世界中の方をおもてなししようというコンセプトだったので、この映画を通して僕もなにか力になれればという思いで参加したいと思いました」と振り返った。

役作りについては、「ヴィム・ヴェンダース監督が、実際にトイレの清掃員をしている方をスカウトしてきて映画を作ったんじゃないか、という風に世界中の方に見てもらえたら一番嬉しいなと思っていました。素人の俳優さんのように見えたらいいな、と。それを実現するためにトイレの清掃の練習をしました。2日ほどベテランの清掃員の方に指導してもらいました。すごくこだわりのある清掃の仕方をされていて、1日3回の清掃のなかで、掃除する場所によって洗剤も道具も変えていて、非常に丁寧な仕事をされています。映画に出てくるよりももっとすごいんです。いまだに家でもやっている技もあります」とこの役ならではの学びも披露した。

役所は「監督は日本が好きで、日本人が好きなんですよね。撮影が終わるころには自分は前世が日本人だったのかもしれない、と言っていたくらい。だからこそこういう(映画に出てくるような)東京を描けたんだと思います。そして何より映画作りの楽しさをスタッフキャストも改めて教わったような現場でした」と監督の人柄を紹介。

さらに演出方法について、「ヴェンダース監督はいつもリハーサルをきっちりやって本番の撮影をするらしいのですが、今回はできるだけテストをしないで、かなりドキュメンタリーのような撮り方を心がけていらっしゃった。監督自身もチャレンジされていたようです」と続けた。

役所と麻生は、本作が久しぶりの共演となった。「麻生さん相変わらずきれいだな、妹は美人さんだな、と思いながら撮影していました」と役所が感想を語ると、麻生からも「今回事前にお会いするタイミングがなかったので、撮影日には、“やっと会えた、嬉しいな”という感情でした」と、20年以上振りの再会で兄妹を演じた喜びをしみじみと語った。

最後に役所は「映画というのは1回だけでは全部を見きれないものだと思っていて、僕はこの映画を3回ぐらい見ていますけれども、本当に毎回新しい発見があります」と締めくくり、温かい拍手と共にイベントは終了した。

『PERFECT DAYS』は12月22日より全国公開。

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