北欧の国々を身近に感じたら、知りたいのは「デイリーな北欧の味ってどんなもの?」ということ。日本で手に入る食材でできる現地に近いレシピを、専門店の方にうかがいました。
このレシピを教えてくれたのは……
リラ・ダーラナ オーナーシェフ 遠藤芳男さん
初代・大久保シェフのもと修業し、2代目オーナーシェフを継いで13年目。サーモン、ニシン、ザリガニなど本 場の食材を仕入れ、スウェーデンの味を日本に伝える。
リラ・ダーラナ
東京都港区六本木6丁目2-7ダイカンビル2階
03 -3478-4690
冬でも保存が利く料理が、しみじみおいしい
「日本でも東西南北で郷土料理が違うように、北欧も地域によって料理が変わるんですよ」と教えてくれたのは、六本木で13年にわたりスウェディッシュレストラン「リラ・ダーラナ」を営む遠藤芳男シェフ。同店は、15年にわたり北欧で修業した大久保清一シェフが、帰国後の1979年に西荻窪でオープンした店で、2代目を継いだ遠藤シェフの代を含めるとオープンして44年という有名人気店です。
「うちはオープン以来、〝フースマンスコスト〞というスウェーデンの家庭料理を守っているんです」と遠藤シェフ。
冬が長いため保存食文化が発展し、その代表格が「スウェーデン風ミートボール」とか。合いびき肉で作ったミートボールに、リンゴンベリー(=コケモモ)のジャムと、マッシュポテトといった保存にうってつけな食材と一緒に食べるのが伝統的なスタイルです。IKEA やネットショップの浸透のおかげで、日本でも珍しくなくなったこの料理。ナツメグなどスパイスをたっぷり入れるのがおいしさの秘訣です。
「とはいえ、スパイスが苦手な場合は、いつものミートボールに甘酸っぱいジャムを添えると、肉の脂っこさを中和してくれますよ」
スウェーデン風ミートボール
●材料(2人分)
A
牛ひき肉…500g
豚ひき肉…250g
玉ネギ…1個分
(みじん切りにし、キツネ色になるまで炒めて冷ます)
全卵…1個
塩…10g
コショウ…小さじ1
ナツメグ…小さじ1/4
B
パン粉…1カップ
牛乳…50cc
(こねる直前に合わせる)
マッシュポテト
リンゴンベリージャム
ブラウンソース
サラダ油または
バター…適量
●作り方
➊Aの材料をボールに合わせ、よく混ぜる。Bを加え、さらによくこねる。タネを直径2.5cmほどのボール状に丸める。
➋フライパンを熱し、サラダ油またはバターを敷いて、1を中火で焼く。ころころと転がすように焼いていき、全体的にキツネ色になったら出来上がり。 皿に、マッシュポテト、ミートボール、リンゴンベリージャムを盛り付け、ミートボールの上にブラウンソースをかける。
季節感ある味とディスプレイで旅に来た気分に! <リラ・ダーラナ>
夏のザリガニ解禁の時季には、店内にも伝統的な「ザリガニ祭り」のディスプレイに。
ランチとディナー(アラカルト、コース)の営業。パーティなどリクエストもできます。
お酒好きな方には、国民的なお酒・「アクアヴィット」(じゃがいもの蒸留酒)や北欧の地ビールなど、おいしいたしなみ方も教えてくれます。
Edit&Text :Tomoko Yanagisawa Photo:yoshimi
リンネル2023年12月号より
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