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韓国名門・水原三星、初の2部降格 「親会社の無関心」「監督の墓場」「無策な補強」予見された凋落

  • 2023.12.4
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韓国プロサッカーの“名門”が、ついにクラブ史上初の2部降格となった。

水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは12月2日、ホームの水原ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第38節(最終節)で江原(カンウォン)FCと対戦し、0-0の引き分けで終了した。

同日、同時刻キックオフで済州(チェジュ)ユナイテッドと対戦した水原FCが1-1のドローで終えたことで、水原三星の最下位での自動降格が決まった。

水原三星と水原FCはともに8勝9分21敗で勝ち点33と同率に並んだ。この場合、より得点の多いチームが上位となる順位決定方式に基づき、44得点の水原FCが11位、35得点の水原三星が最下位の12位となった。

「レアル・スウォン」凋落のワケ

まさに“名家”の墜落だ。

Kリーグ優勝通算4回、FAカップ優勝通算5回という輝かしい成績を誇る水原三星は、かつては「Kリーグ屈指の名門」と呼ばれ、代表クラスのスター選手が多数在籍したことから「レアル・スウォン」の異名を付けられたこともあった。

そんな水原三星が、1995年のクラブ設立から史上初めて、来季2024年シーズンをKリーグ2(2部)で迎えることになった。

水原三星ブルーウィングス
降格が決まり、落胆する水原三星の選手たち

2日の最終戦が行われた水原ワールドカップ競技場には2万4932人の観客が訪れ、降格危機に瀕するチームに精一杯のエールを送ったが、思いは届かなかった。

試合終了直後、水原三星のファンは衝撃を受けたかのように、一斉に沈黙に包まれていた。野次の代わりに流れたのは“静寂”だった。

選手たちは座り込んで虚しい表情を浮かべ、ヨム・ギフン監督代行も頭を抱えた。

水原三星のファンたちはオ・ドンソクGM(ゼネラルマネージャー)とイ・ジュン代表取締役がマイクを握ると、怒りに満ちた激しい揶揄とブーイングを浴びせた。一部のファンは発煙筒をピッチに投げ込み、抗議の意思を表明していた。

発煙筒
ピッチに投げ込まれた発煙筒

かつては韓国が世界に誇る大企業・サムスン電子を親会社とした水原三星だが、2014年にサムスングループ傘下の大手広告代理店「チェイルキフェク(第一企画)」が運営母体となって以降、明らかに投資が減った。

昨季の人件費も全11チーム中8位だった。とはいえ、降格するほどの水準ではなかった。

ただ、今季FAカップ王者かつリーグ戦2位であり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではグループ5連勝で決勝トーナメント進出を決めた浦項(ポハン)スティーラーズは、昨季の人件費で11チーム中10位だった。今季昇格組の光州(クァンジュ)FCも小規模の予算ながらリーグ戦3位に入り、2024-2025シーズンのACLエリート・プレーオフ出場権を獲得した。

つまり、いくら予算が少ないとしてもいかに効率的な活用をできるかがカギとなるわけだが、水原三星はまったく正反対の歩みを見せてきた。

毎年のように繰り返される外国人選手の補強失敗も低迷の要因だ。

水原三星は外国人選手を補強する過程で、監督の権限が他チームと比べて小さい。フロントが主導となり、外国人選手補強に影響力を行使することで知られている。

そのため、現場の声がまともに反映されない補強が行われ、失敗を繰り返してきた。2019年シーズンのリーグ戦得点王に輝いた元オーストラリア代表FWアダム・タガート(30)を除けば、成功した外国人選手を選ぶ方が難しい。

特に攻撃陣の補強失敗は深刻だ。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWスレイマン・クルピッチ(32)、元U-20イタリア代表FWニコラオ・ドゥミトル(32)、デンマーク人FWセバスティアン・グローニング(26)、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身FWウロシュ・デリッチ(31)など、水原三星で近年プレーした外国人ストライカーたちはいずれも活躍することなく、失敗の烙印を押されクラブを去った。

水原三星ブルーウィングス
「弁明の余地がありません」と表示された電光掲示板

今季もやはり状況は変わらなかった。

セルティックに移籍した韓国代表FWオ・ヒョンギュ(22)の代役として獲得したセルビア人FWフェイサル・ムリッチ(29)は、22試合でわずか4ゴール1アシストにとどまった。負傷も多く、彼のプレーを見られる試合も少なかった。

ムリッチは最終節でも後半終盤の決定機を外す場面があった。また、試合後にはチームメイトに不満を示すジェスチャーも取っていた。

ムリッチのほかでは、今夏に獲得したブラジル人FWウェリック・ポポ(22)は7試合無得点。昨季Kリーグ2アシスト王のガーナ出身FWボアドゥ・マクスウェル・アコスティ(32)も25試合4ゴール3アシストと期待に及ばず、ブラジル人FWロドリゴ・バッサーニ(26)も22試合3ゴール1アシストに終わった。

それだけに、権限縮小などフロント刷新が必要だという意見に力が入るのは当然だ。

何より、近年の水原三星は「監督の墓場」となっている。

2013~2018年にチームを率いてリーグ戦2位2回、FAカップ優勝1回、ACL4強1回などの結果を残したソ・ジョンウォン監督が退いて以降、水原三星は“リアルブルー”を打ち出した。イ・イムセン、パク・ゴナ、イ・ビョングンなどが“毒入りの聖杯”を持たされた。

ただ、彼らはいずれも契約期間を満たすことなくチームを去った。特にイ・ビョングンはわずか1年で退いた。

今季だけで3人もの監督が指揮を執った。

シーズン序盤でイ・ビョングン監督が解任され、後任を務めたキム・ビョンス監督も就任5カ月足らずで解任された。

水原三星は監督がどのような方向性とカラーを打ち出し、チームにいかに浸透させるかを待つことなく、目先の結果を見て監督交代に踏み切った。この過程にも、クラブは「(監督の)辞任だ」と弁解するのに汲々としていた。

ヨム・ギフン
ヨム・ギフン監督代行

そして、最後に“火消し役”としてヨム・ギフンに監督代行を任せた。

ヨム・ギフンは今季も現役でプレーしていた水原三星のレジェンドだ。クラブは現状を誰よりも理解しているという名目を掲げていたが、彼は就任前まで選手兼コーチだった。今季限りで引退する予定だった選手だ。

つまり、指導者経験のまったくないヨム・ギフンに火消し役の役割を任せたことが結果的に降格へとつながった。

ヨム・ギフンは監督代行としてチームに一部変化を加え、終盤の第36~37節では水原FC、FCソウル相手に2連勝を収めたが、そこまでだった。最終節、勝てば自動降格を回避できた江原戦で勝利に届かず、挫折を余儀なくされた。

もっとも、すべて予見された没落だった。

水原三星は降格が確定した後、「再設立する覚悟で、生まれ変わる水原になります」とファンに誓った。

ただ、そんな覚悟ではなく、本当の意味で再設立するレベルの確信と刷新があってこそ、早期1部復帰を成し遂げられるというものだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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