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グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉惜しまれつつ姿を消した名物鍋が、蘇る

  • 2023.12.4
グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉「はりはり鍋」

くじら料理 うずら(白金高輪)

惜しまれつつ姿を消した名物鍋が、蘇る

遡ること50年前、麻布十番で創業した〈うずら〉。店主の永田晃一さんと芳子さんが夫婦で切り盛りし、当初は海鮮類が評判の小料理屋だったが、30年ほど前から常連客の勧めでクジラを扱うように。やがて、工夫を重ねた「はりはり鍋」が人気を集め“クジラ料理の名店”として知られるまでになった。

グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉「はりはり鍋」
昆布だしベースのスープは、カツオだしとクジラの本皮も加えてコク深く。スッポン鍋にヒントを得て入れたというショウガも効いている。クジラ肉は下味をつけてから片栗粉をまぶして湯にくぐらせてあり、シャキシャキの水菜と油揚げが脇を固める。〆のラーメン付き。1人前5,500円(注文は2人前から)。
グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉「尾の身のお刺身」
尾びれの近くにある稀少部位「尾の身」は、マグロの大トロのようにサシが入り、口の中でとろけるよう。添えられたタマネギの薄切りを巻いて食する。薬味のネギ、ショウガ、ニンニクのたまり漬けも一緒に。7,400円。
グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉「鯨ベーコン」
クジラの下あごから腹あたりの「畝須(うねす)」は、肉と脂の旨味を一度に味わえると人気。その部位を使ったベーコンは、ファンが多い一品だ。山盛りのネギを包み、多めの辛子を溶いた醤油で食べるのがおすすめ。2,600円。

2008年の白金への移転後も愛され続けるも、22年に晃一さんが急逝し、閉店。が、熱心なファンの支えもあって、2023年8月に同じ白金で復活を果たした。

長年支持されてきた味の印象は変わらぬよう、しかし時代に合わせて化学調味料類は使わないレシピへと進化。また、以前はうどんか雑炊だった鍋の〆も、こちらではラーメンに。何種類もの中から吟味したというコシのある細麺は、クジラの旨味が溶け込んだスープによく合う。

女将の芳子さんが店に立つ日も多く、料理長の原子貴之さんは薫陶を受けつつ腕を振るう。味のバトンが受け継がれている。

グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉の料理長の原子貴之さん
芳子さんの指導を仰ぎ、調理場に立つ原子さん。
グルマン温故知新:白金高輪〈くじら料理 うずら〉店内
1階はカウンター。2階にテーブル席と個室がある。壁にはクジラの絵が。

Information

くじら料理 うずら

住所:東京都港区白金1-12-20
TEL:03-5421-8920
営:17時~23時LO
休:日曜休、月曜不定休

2023年8月1日オープン。アラカルトのほか、5品のクジラ料理を楽しめる「鯨づくし鍋コース」12,000円も。ちなみに、クジラは高タンパク・低脂質でほかの肉類と比べて低カロリー。さらに、クジラのスタミナのもとである「バレニン」という抗疲労成分や鉄分も豊富な優等生食材だ。ビール900円、ウイスキー800円~、焼酎750円~、日本酒700円~。鯨料理980円~、一品料理750円~。カウンター5席、テーブル2卓8席、個室1室(4席)。

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