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「子は母の幸福度を下げ、孫は祖母の幸福度を下げる」しんどすぎる日本の子育てを如実に語る衝撃データ

  • 2023.12.1
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子ども、孫のあり、なしは母親や祖母の幸せにどう影響するのか。拓殖大学教授の佐藤一磨さんは「子どものいる女性のほうが生活満足度が低く、それは子育て期を過ぎても続く。そして孫ができると母方の祖母の幸福度が下がる。これは日本の子育ての負担の大きさを物語っている」という――。

※本稿は、佐藤一磨『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

ソファで赤ん坊を抱きながら放心している母親
※写真はイメージです
子どもの存在は高齢の親の幸せにどう影響するか

さて、以前の記事では子育て期の親を念頭に、その生活満足度について述べましたが、子どもが巣立ち、親が年老いた場合、子どもの存在は、親の幸せにどのような影響を及ぼすのでしょうか。

子育てにともなう金銭的・時間的・肉体的な負担は、子どもの成長とともに変化します。子どもが小さいときは時間的・肉体的な負担が大きく、ある程度成長すると今度は金銭的な負担が大きくなります。そして、子どもが働き出したタイミングで子育てが一段落つき、さまざまな負担から解放されることになります。

その後、親が高齢になると、今度は逆に子どもから親へさまざまな支援が行なわれる場合があります。支援には金銭的なものもあれば、ふだん生活する上での手助けや家庭での介護も含まれます。これ以外にも、子どもの存在が孤立を防ぎ、社会の人々と交流するための重要な役割を果たすとも指摘されます(*1)。

以上から明らかなとおり、親が高齢になると子育てにともなう負担が減少すると同時に、子どもからの支援が期待できるようになるわけです。

これは、「子どもの存在が高齢の親の幸福度に大きなプラスの効果をもたらす可能性がある」ことを意味します。

はたして実態はどうなのでしょうか。こちらもデータを使って定量的に検証したいと思います。

子育て期がすぎても子どもの存在は親にマイナスの影響

図表1は、60歳以上の子どものいる既婚者と子どものいない既婚者の幸せの度合いを比較したものです。分析対象は既婚女性約4500人、既婚男性約5300人であり、分析対象期間は2009~2018年です。なお、図表1では幸せの指標として、生活満足度を用いています。ここでは0~10の11段階で生活満足度を計測しました。

【図表1】子どもの有無と生活満足度の関係
※『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)より

この図から、「男女とも、子どものいる高齢既婚者のほうが生活満足度が低い」ことがわかります。

もちろん、子どもによる生活満足度へのマイナスの影響は、現役世代の場合よりも小さくなっています。ただ、マイナスの影響を持つ点は、変わっていません。子どもの存在が高齢者の生活満足度の向上につながっているとは言いがたい状況です。

高齢期においても子どもの存在が生活満足度を押し下げるというこの結果は、かなり衝撃的です。

子育てが終わってからも親の生活満足度を押し下げる理由

子育て期ならまだしも、なぜ子育てが終わったあとでも依然として子どもの存在が生活満足度を押し下げているのでしょうか。この原因が気になるところですが、これには二つの可能性が考えられます。

一つ目は、「お金」です。

日本では高校生の約半分が大学に進学します。また、短大や専門学校に進学する学生もおり、教育費の経済的な負担は長期にわたります。これらの負担が原因となり、保有する金融資産額が減少し、高齢期における生活満足度を押し下げている可能性があります。

右肩上がりの教育費
※写真はイメージです

じつは、これには裏付けがあります。

図表2は、日本の高齢既婚男女の世帯所得に関する満足度を示しています。なお、世帯所得満足度も0~10の11段階で計測した指標で、値が大きいほど世帯所得に満足していることを示しています。

【図表2】子どもの有無と世帯所得満足度の関係
※『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)より

この図から明らかなとおり、子どものいる高齢既婚者の世帯所得満足度のほうが低くなっています。この結果は、高齢期でも子どもの存在がお金の面で不満の原因になっていることを示しています。

子あり世帯のほうが貯蓄が少なく、借金が多い

さらに、世帯貯蓄額と世帯借入額を見ると、子どもの有無によって差が生じていることがわかります。図表3と図表4は、高齢既婚者の世帯貯蓄額と世帯借入額の平均値を示しています。

【図表3】子どもの有無と世帯貯蓄額の関係
※『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)より
【図表4】子どもの有無と世帯借入額の関係
※『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)より

図3、4は、子どものいる高齢既婚者のほうが世帯貯蓄額がやや小さく、世帯借入額がやや大きいことを示しています。子どものいる世帯のほうが保有する金融資産が少なくなっているわけです。

図2、3、4から、子どもを養育することの長期にわたる金銭的負担が高齢期に如実に表れていると言えるでしょう。これが生活満足度を低下させる原因の一つになります。

パラサイト・シングルの増加

二つ目の原因は、「世帯構造の変化」です。

日本では1990年代の前半にバブル経済が崩壊し、その後、長期にわたって不況が続きました。この結果、若年層を中心に非正規雇用で働く割合が増え、所得水準も低下しています。このような状況を受け、学校を卒業後も親と同居し、経済的に依存する子の割合が増加した可能性があります。

実際に「厚生行政基礎調査報告」および「国民生活基礎調査」を見ると、65歳以上の人がいる世帯のうち親と未婚の子どものみの世帯は、1975年では9.6%(約68万世帯)でしたが、2019年では20%(約512万世帯)にまで増加しています。

中央大学の山田昌弘教授は、学卒後でも親に基本的な生活を依存する未婚者を「パラサイト・シングル」と呼びましたが、経済環境の悪化から「パラサイト・シングル」が増加した可能性があります。ただし、山田昌弘教授が「パラサイト・シングル」の存在を指摘したのは20年近く前であり、近年の「パラサイト・シングル」はより経済的な理由から親と同居せざるをえないといった苦しい状況を反映していると考えられます。

以上のような同居未婚者の増加が親世代の経済的負担を長引かせ、高齢の親の生活満足度を低下させる原因の一つになったと考えられます。子育て期のみならず、子育てが終わったあとでも子どもの存在が満足度を低下させるという結果は、ショッキングです。このような現状があるからこそ、新しい子どもの数が増えず、少子化傾向が続くのではないでしょうか。

親子世代、向き合って話し合い
※写真はイメージです
孫の存在はシニア世代の幸せにどう影響するか

さて、これまでは子どもと高齢の親の幸福度の関係を見てきましたが、高齢の親(=シニア世代)との関連で近年注目を集めるトピックがあります。

それは、「孫の存在がシニア世代の幸せに及ぼす影響」です。

一般的に言って、シニア世代から見た孫はかわいいものです。おそらく、直接的な育児の責任がないのと同時に、精神的・経済的な余裕から子どものかわいさを愛めでることができるという背景があると考えられます。このため、自然な発想として、孫がいるほど幸福度が高くなりそうです。

しかし、近年では「孫疲れ」という言葉も聞かれます。

先進国で孫の影響について研究が進んでいる

背景にあるのは共働きの増加です。共働き世帯が専業主婦世帯を上回って久しく、「働く母親」が増えています。これらの世帯を支援するために、シニア世代が孫の面倒を見るケースが徐々に増えている可能性があります。これは「孫育て」と言われており、食事の用意やお泊まりの世話、遊び相手などで心身ともに疲れてしまい、孫がいるほど幸福度が低くなってしまうことも考えられるわけです。

はたして実態はどうなっているのでしょうか。人生100年時代において、孫と接する時間が増えていく中、孫の存在がシニア世代の幸福度にどのような影響を及ぼすのかという点は、気になるところです。

じつはこの点に関して、欧米でも興味・関心が集まっています。背景にあるのは高齢化の進展です。近年、先進国を中心に孫とのかかわりがシニア世代の幸福度に及ぼす影響が分析されており、興味深い結果が得られています。

孫の世話が「母方の祖母」の幸福度を下げる

まず日本の結果から見ていきましょう。

日本において孫の存在が祖父・祖母の幸福度に及ぼす影響を分析したのは、西南学院大学の山村英司教授らの研究です(*2)。この研究では1~5の5段階で幸福度を測定しています。

彼らの分析の結果、孫の母親が自分の娘である場合、孫の存在が祖母の幸福度を低下させることがわかりました。その影響の大きさを自分の息子の孫の場合と比較すると、娘の孫の場合、祖母の幸福度が13.3%低かったのです。

3世帯がリビングに集まり、子供たちが遊んでいる。祖母だけが輪の外にいる
※写真はイメージです

祖母の場合、孫の母親が自分の娘なのか、それとも義理の娘なのかによって影響が異なっているわけですが、祖父の場合は違った結果となっていました。祖父の場合、孫の母親が自分の娘かどうかという点は関係しておらず、影響も小さいものでした。

以上の分析結果から明らかなとおり、日本では孫の影響が母方の祖母に集中し、彼女たちの幸福度を低下させていました。この結果は非常に興味深いものですが、なぜこのような結果になったのでしょうか。

背景にあるのは、性別役割分業意識と祖母と孫の母親の血縁関係です。日本では性別役割分業意識が強いため、孫の世話をする上で祖父よりも祖母が主体になると考えられます。子どもが小さいときはこの傾向がとくに強いでしょう。

ここで母親の視点から孫の育児サポートをお願いする場合、夫の母親よりも自分の母親のほうが頼みやすいため、自分の母親にいろいろとお願いすることが多くなるでしょう。実際の研究でも、母方の祖母が孫の子育て支援を最も行うことが指摘されています(*3)。この中で体力的、または金銭的な負担が大きくなり、祖母の幸福度が低下するというわけです。

性別役割分業意識と血縁関係から、孫の負担が母方の祖母に集中するという結果は、日本の社会状況に根差したものであり、納得できます。

それでは社会状況が異なる海外ではどのような結果となっているのでしょうか。

欧州でも「孫育て」でメンタルヘルスが悪化

ヨーロッパにおける孫育ての影響に関して、イタリアのパドバ大学のジョルジオ・ブルネッロ教授らが分析しています(*4)。彼らの分析の結果、ヨーロッパでは孫の子育て時間が長くなるほど、祖父や祖母のメンタルヘルスが悪化することがわかりました。

興味深いのは、その男女差です。孫の育児時間が月に10時間増加した場合、祖母のメンタルヘルスが大きく悪化する確率が3.2~3.3パーセントポイント上昇し、祖父では5.4~6.1パーセントポイント上昇していました。

この結果が示すように、ヨーロッパでは孫育てのマイナスの影響が祖父のほうでより大きくなっています。この結果は日本と異なっているわけですが、背景には何があるのでしょうか。

この点に関してブルネッロ教授らは、ヨーロッパのいくつかの地域では祖父よりも祖母が中心になって育児支援を行なう傾向があり、そもそも「孫育て」に対する抵抗が小さいが、祖父は慣れない中で育児支援を行なうため、マイナスの影響が大きいのではないか、と指摘しています。

ヨーロッパでは「孫育て」のマイナスの影響が見られますが、アメリカやイギリス、中国では逆にプラスの影響が確認されました。

アメリカの研究では、一人で過ごす時間と比較して孫と過ごす時間が増えるほど幸福度が高まるだけでなく、人生の意義を実感しやすいことがわかっています(*5)。

また、イギリスの研究では、孫がいる場合ほど生活全般の満足度が高まると指摘されています(*6)。

さらに、中国の研究では、孫の面倒を見ている場合ほど、抑うつ症状が改善するだけでなく、生活全般の満足度が向上することがわかっています。驚くべきことに、孫と過ごす時間や面倒を見る孫の数が増えるほど、プラスの影響が高まる傾向にありました(*7)。孫の存在は、日本よりも血縁を重視する中国社会では、プラスの影響度が大きいと言えるでしょう。

日本の女性は子育てでも孫育てでも疲弊している

以上の分析例からもわかるとおり、国によって孫とのかかわり合いがもたらす影響に違いがあります。この背景には、各国の性別役割分業意識や女性の社会進出状況に加え、社会の中で子どもという存在がどのように捉えられているのか、という点が影響していると考えられます。

日本ではこれまで女性の社会進出を促進し、結婚、出産後も働き続ける女性が増えるように制度改革を行なってきました。この流れの中で、女性が抱えていた育児負担を保育園などの社会制度や家族へと少しずつ移動させてきました。この結果として、以前よりも祖母を中心に「孫育て」に費やされる時間が増えていると考えられます。

ただ残念なことに、孫育ては祖母、とくに母方の祖母の幸福度を低下させています。これまで見てきたように、日本の女性は子育てでも幸福度が低下する傾向があるため、若いときは子育てで幸福度が低下し、年老いてからは孫育てで幸福度が低下していると考えられます。

日本の女性は、その生涯にわたって、子どもを育てる負担が大きすぎるのかもしれません。

子育て世代の女性の負担は改善されているのか

これまで紹介した研究結果から明らかなとおり、子育て期や子育てが終わったあとでも、子どもの存在は親の幸福度を低下させています。ここで次に気になってくるのが、子どもを持つことによる幸福度の低下幅は時代によって変わらないのか、という点です。

こう疑問に思うのには理由があります。それは、これまで日本では少子化対策のためにさまざまな政策が実施されてきているからです。たとえば、育児・介護休業法の創設、待機児童解消のための保育所の増設、少子化社会対策基本法、次世代育成支援対策推進法、子ども・子育て支援法の施行とさまざまな政策が行なわれてきました。これらの政策は、育児や就業環境を改善させたと考えられます。

もしそうであるならば、子どもを持つ女性の幸福度も徐々に改善してきた可能性があるのではないでしょうか。現時点でも、子どものいない女性よりも、子持ち女性のほうが幸福度が低くなっていますが、その低下の度合いがさまざまな政策の実施によって、縮小してもおかしくありません。

はたして実態はどうなっているのでしょうか。ここからは2000~2018年までの子持ち既婚女性の幸福度の推移について検証していきたいと思います。子持ち女性の幸福度は、2000年代以降、改善してきているのでしょうか、それとも予想に反して悪化しているのでしょうか。

以下では2000~2018年までの20~89歳の既婚女性約8300人を対象とした分析結果を紹介したいと思います。なお、ここでは1~5の5段階で計測した幸福度を使用していきます。

図表5は、2000~2018年までの子持ち既婚女性と子どものいない既婚女性の幸福度の平均値を見ています。なお、図ではトレンドをわかりやすくするために、近似曲線を追加しています。

【図表5】子どもの有無別の既婚女性の幸福度の平均値の推移
※『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)より
子どものありなしによる女性の幸福度格差が拡大している

図表5から、次の二つのポイントが読み取れます。

一つ目は、2003年と2017年以外で子どものいない既婚女性の幸福度のほうが高くなっているという点です。二つ目は、近似曲線の推移から、子持ち既婚女性と子どものいない既婚女性の幸福度の差が緩やかに拡大しているように見える、という点です。

二つ目の結果は非常に気になります。この点をより正確に検証するために、年齢や学歴、健康状態、世帯年収、就業の有無といった要因の影響をすべて統計的手法でコントロールし、再度分析してみました。

その結果、①子持ち既婚女性の幸福度は経年的に上昇していない、②子持ち既婚女性と子どものいない既婚女性の幸福度の差は変化していない、ということがわかりました。

端的に言えば、「子持ち既婚女性の幸福度に改善傾向は見られず、子どものいない既婚女性よりも幸福度が低いという状況は変わっていない」ということです。

次に子育て期にあたる50歳以下の既婚女性に分析対象を絞った場合、やや異なった結果となりました。

子持ち既婚女性の幸福度が経年的に上昇していないという点は変わらないのですが、子どものいない既婚女性の幸福度が上昇傾向にありました。この結果、子持ち既婚女性と子どものいない既婚女性の幸福度の差が緩やかに拡大したのです。

子どものいない女性の幸福度が上昇した理由

なぜ子どものいない既婚女性の幸福度は上昇したのでしょうか。この背景には、「結婚したら子どもを持つべき」という社会的なプレッシャーの低下が影響していると考えられます。

佐藤一磨『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)
佐藤一磨『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)

国立社会保障・人口問題研究所の『出生動向基本調査』によれば、「結婚したら子どもを持つべきか」という問いに対して「どちらかといえば反対」「まったく反対」と回答する割合が2002年で22.4%だったのですが、2015年には28.9%へと上昇しています。また、この間、妻が45~49歳の夫婦で、子どものいない割合が4.2%(2002年)から9.9%(2015年)へと増えています。

子どものいない夫婦が着実に増えており、以前よりも受け入れられやすいライフスタイルになっています。これが子どものいない既婚女性の幸福度の上昇に寄与したと考えられます。

米国では子持ち女性の幸福度が上昇

日本では子持ち既婚女性と子どものいない既婚女性の幸福度の差が変化していないか、もしくは拡大傾向にありますが、アメリカでは逆に縮小傾向にあることがわかっています。日本とはちょうど真逆です。

この点はアリゾナ州立大学のクリス・ハーブスト准教授らが分析を行なっています(*8)。彼らの分析によれば、アメリカでは子持ち女性の幸福度が経年的に変化していないものの、子どものいない女性の幸福度が低下傾向にありました。この結果、子持ち女性と子どものいない女性の幸福度の差が縮小したのです。

ここで気になるのは、なぜ子どものいない女性の幸福度が経年的に低下したのか、という点です。

この点に関して、ハーブスト准教授らは、子どもを持つことがコミュニティとのつながりや政治への関心、友人との交友関係を維持し、幸福度の向上につながる可能性があると指摘しています。子どもがいない場合、社会や人とのつながりが狭くなり、これが幸福度低下の原因となるわけです。

アメリカでは子どもの存在が他者とのつながりを広げる機能も果たしていると考えられます。日本でも子どもの存在が交友関係を広げるきっかけになると考えられますが、それが親の幸せにつながるかどうかは、明確にはわかっていません。いずれにしても、子どもが社会や家庭で果たす役割が日米では異なっている可能性があります。

以上、これまでの話を整理すると、日本ではこれまでさまざまな少子化対策が実施されており、育児・就業環境は以前より改善してきていますが、子どもを持つ女性の幸福度が低下するという傾向は変わっていません。この背景には、少子化対策がまだ不十分である可能性があると言えるでしょう。

*1)① Huijts, T., Kraaykamp, G., & Subramanian, S. V.(2013). Childlessness and psychological well-being in context: A multilevel study on 24 European countries. European Sociological Review, 29(1), 32–47. ②Dykstra, P. A.(2009). Older adult loneliness: Myths and realities. European Journal of Ageing, 6(2),90–101.
*2)Yamamura, E., & Brunello, G. (2021). The effect of grandchildren on the happiness of grandparents: Does the grandparent’s child’s gender matter? IZA Discussion Paper, 14081.
*3)八重樫牧子・江草安彦・李永喜・小河孝則・渡邊貴子(2003)「祖父母の子育て参加が母親の子育てに与える影響」『川崎医療福祉学会誌』,13(2), 233-245.
*4)Brunello, G., & Rocco, L. (2019). Grandparents in the blues. The effect of childcare on grandparents’ depression. Review of Economics of the Household, 17, 587–613.
*5)Dunifon, R. E., Musick, K. A., & Near, C. E. (2020). Time with grandchildren:Subjective well-being among grandparents living with their grandchildren. Social Indicators Research, 148(2), 681–702.
*6)Powdthavee, N. (2011). Life satisfaction and grandparenthood: Evidence from a nationwide survey. IZA Discussion Papers, 5869.
*7)Wang, H., Fidrmuc, J., & Luo, Q. (2019). A happy way to grow old?Grandparent caregiving, quality of life and life satisfaction. CESifo working paper series, 7670.
*8)Herbst, C. M., & Ifcher, J.( 2016). The increasing happiness of U.S. parents.Review of Economics of the Household, 14(3), 529–551.

佐藤 一磨(さとう・かずま)
拓殖大学政経学部教授
1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259–1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247–286 (2020)がある。

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