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バンカーショットはノーパワーが基本!インパクトは置いといて、フォローだけ考えて振ろう【甲田良美プロLESSON】

  • 2023.12.1

バンカーショットでは、砂面をクラブヘッドで思い切り叩かなければいけないと思っていませんか? それって大きな誤解です。むしろ、力を入れることでスイングがインパクトで終わり、ミスの原因にもなります。極端な話、右手1本の力でもバンカーは出るんです。正しい打ち方を甲田良美プロが紹介します。

甲田良美プロ

バンカー越えのアプローチで、フェースを開きすぎるのはNGです!【甲田良美プロLESSON】

◆アウトに上げてインサイドに下ろしましょう

アゴが高いバンカーから打つ場合、ボールを高く上げなければ脱出できないというプレッシャーがかかると思います。このときにやりがちなのが、クラブフェースを開くことです。ボールを高く上げたいからでしょうが、正直、フェースを開いた途端にバンカーショットの難易度は一気に上がります。なぜなら、ボールが飛ばなくなるからです

ビギナーがもっとも避けたいのは、同じバンカーから続けて打つことです。したがって、ピンに寄せることよりも、まずは脱出することを考えます。その上でグリーンに乗ったらもうけものぐらいに思うことです。

バンカーから出すだけなら、わざわざ難しい打ち方をすることもないでしょう。サンドウェッジには元々ロフトがあるので、フェースを開かなくてもアゴを越えるだけの高さはでます。今回のケースではアゴが高いだけでなく、グリーンが右から左に傾斜しています。したがって、狙いはピンの右になります。そこへ向かって打つつもりでアドレスしましょう。ピンの右に向かって体のライン、フェースをスクエアに合わせます。スタンスだけはオープンに構え、ボールはスタンスの真ん中より1個分左にセットします。あとは、クラブをアウトサイドに上げたら、インサイドに下ろすだけです。

目標はピンの右。そこに対して体のライン、フェース面をスクエアに合わせる。ただし、スタンスはオープン。あとはアウトサイドにクラブを上げて、インサイドに振り抜くだけです

ボールの位置はスタンスの真ん中より1個分左

◆“砂を爆発させる”は実は女性に向いていない打ち方?!

バンカーショットでは、ボールを直接打つのではなく、ボールの少し後ろを狙ってヘッドを下ろしましょうという人がいます。それ自体は間違いではありません。砂を爆発させる力でボールを出すにはいい打ち方だからです。ただし、これは力のある人に向いてはいますが、女性にはお勧めしません。なぜなら、女性がそこまでの力を出すには無理があるからです。

また、ビギナーがヘッドをどこに下ろすか考えると、インパクトに気持ちが集中してスイングをそこで終えてしまいがちです。しかも、ボールのすぐ後ろに下ろさなければいけないと思っているから、スイングを緩めて下ろす位置を調整しようとします。当然、そんなスイングでは狙ったところへ下ろせるはずもなく、ヘッドがザックリと砂の中に埋まってしまい、ボールを出すことができないシーンをよく見かけます。

したがって、ヘッドをどこに下ろすかよりも、フォローまでしっかりクラブを振ることが大切です。通常のアプローチと同じように右腰から左腰までとか、距離に合わせた振り幅でスイングすることだけを考えましょう。もちろん、力は必要ありません。極端な話、右手1本でのスイングでもフォローまでしっかり振っていれば、バンカーからボールを出すことはできるんです。

自分が決めた振り幅に合わせてスイングしましょう。インパクトは気にしないこと

右手1本で振る力でもバンカーからボールを脱出することは可能です

◆教えてくれたのは…甲田 良美プロ

こうだ・よしみ/栃木県出身。現在フリー。1983年生まれ。18歳から競技をはじめ、2009年にプロテスト合格。2009年に下部ツアー「LIONレディースカップ」で優勝し、2010年「リゾートトラストレディス」でツアー初勝利をあげる。

撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/長太郎カントリークラブ【PGM】

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