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突然の余命1カ月宣告…「もう心残りはない」と話す父をみとるまで【体験談】

  • 2023.12.1
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私の父が肝臓がんだとわかったのは、体調がかなり悪化していたときでした。今まで大きな病気をせずに元気だった父が、急に痩せ、歩くことも困難になってしまったのです。ここでは、父をみとるまでの2カ月の介護の話をお伝えします。

変わり果てた父との再会

実家と私の家は飛行機が必要な距離で、最後に父に会ったのは2019年でした。コロナ禍もあり、電話でのやりとりはしていたものの、なかなか実家には帰れていなかったのです。

2021年の7月、父の調子が悪いと母から連絡が入りました。今まで食欲不振や吐き気という症状があったものの、病院嫌いの父は断固として病院に行かなかったのです。父を説得するために、私は実家に戻り一緒に病院に行きました。父は見たことのないほどに痩せこけていて、「これはただごとじゃない」と感じたのです。

病院に行き、さまざまな検査を経てわかったのは、ステージ4の肝臓がんという診断。手の施しようのないほどがんが進行しており、全身に転移しているということでした。余命はあと1カ月。なぜもっと早く病院に連れて行かなかったのか、母を責めてしまいました。医療の力でできることは、痛みを取り除くことのみ。これから私たちの看護が始まりました。

看護にあたった2カ月間

病院は感染症対策のために自由に出入りができない時期でした。腹水がたまって、体調も悪かったので2週間ほど入院していましたが、病院嫌いの父は「早く退院したい」と常々言っていたため、自宅で緩和ケアができないかどうかを調べ、退院させました。最後くらい自宅で過ごさせてあげたいと思ったのです。

病院では薬の影響からか、せん妄(注意や理解、記憶などの機能が低下すること)があり、会えても暴言を吐かれてつらい気持ちになりました。「自宅看護はどうなってしまうのだろうか」という不安はありましたが、訪問看護のスタッフやケアマネージャー、緩和ケア科の先生が連携してくれたので、看護未経験の私と母でもなんとか対応できたと思います。密に連絡をくださって、心配なことはいつでも相談できたので本当にありがたかったです。

自宅に帰ってきた父は、入院時とは打って変わって穏やかになり、看護師や主治医の訪問診療を受けて、それから2カ月家族で過ごせました。ほとんど寝て過ごしましたが、起きているときにはしっかり会話もでき、父は「もう心残りはない」と言っていました。

まとめ

余命1カ月の宣告でしたが、最後穏やかに過ごせたのは、自宅での緩和ケアができたからだと思っています。介護未経験で専門知識がなくても、看護スタッフのおかげで父をみとることができました。あっという間の2カ月間でしたが、できることはやりきったという気持ちです。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

取材・文/高橋結衣

介護カレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!


介護カレンダー編集部


監修者:医師 里村仁志先生

ベビーカレンダー/介護カレンダー編集室

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