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局アナ出演料はたった4500円? フリー宣言が絶えない韓国のアナウンサー事情

  • 2023.11.30
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韓国の民放テレビ局MBCのアナウンサーであるキム・デホの去就に注目が集まっている。キム・デホは同局の人気バラエティ『私は一人で暮らす~シングルのハッピーライフ』を通じて人気者になったアナウンサー。

その彼が今年9月、韓国放送作家協会ユーチューブチャンネルを通じて公開された「会社員と自然人の間、そのどこかの人生、キム・デホMBCアナウンサー」という題名の映像の中で、「私の日常をお見せしただけで、放送能力をお見せしたのではなく、私に対する客観化ができていない状態だ。なのでまだフリーランス転向に関する考えはない」としていたが、ここにきてフリー転向の可能性が囁かれるようになった。

MBCのキム・デホも人気の局アナだ。

それにしてもなぜ彼ら彼女らは局アナの地位に安住せず、フリー転向するのか。かつて韓国では一時、地上波の局アナという職種は大学生たちが羨望する職業1位だったほどなのだ。

しかし最近はそうではない。地上波テレビ局の地位が相対的に低くなり、局アナを活用したテレビ番組も顕著に減っている傾向だ。番組を通じて人気と認知度を得たアナウンサーたちも続々とフリー宣言をし、テレビ局も人材流出への悩みを大きくしている。

過去にはアナウンサーたちが報道番組や教養番組の進行を引き受けた。しかし、2000年代後半から大衆に顔が知られた芸能人と専門家たちがそれらを引き受けるようになり、アナウンサーたちの出番と役割が縮小された。報道番組も記者出身のアンカーに代替され、アナウンサーの立場がますます狭くなったのだ、

また、テレビ局のストライキと相まって会社を離れたアナウンサーも少なくない。特にストライキが長引いたMBCでは、ストライキの余波で職種と関係のない部署に発令されて会社を離れたアナウンサーもいる。

会社を去った局アナたちは現在、心理治療士として活躍したり、出版社を立ち上げた者もいる。書店チェーンを運営している経営者もいる。政界に進出し、国会議員に変身した者も登場したほどだ。

彼らの中でチェ·ヒョンジョン元アナウンサーは心理治療士で、パク·ヘジン元アナウンサーは出版社を運営している。 オ·サンジンアナウンサーの妻であるキム·ソヨン元MBCアナウンサーは書店チェーンを運営している。

この他にもペ·ヒョンジン、ハン·ジュンホ元MBCアナウンサーは政界に進出し、それぞれ国民の党と民主党国会議員に変身した。

このように、地上波テレビ局の地位が墜落し、テレビ局内でも出番が減ったことなどもあってフリー転向する局アナがいる一方、局アナ時代よりも富を得ているアナウンサーもいる。

フリーになった人気アナの場合、多くの収入を上げることができるからだ。局アナたちが固定給与の他に受け取る出演料は制限的で、出演料は多くて4万ウォン(約4500円)程度だと言われているが、フリーアナとして人気を得た場合、出演料が高くなるのはもちろん、商業広告への出演や多様なイベントで活動する機会が開かれるため、収入がグンとアップする。

JTBCアナウンサー出身のフリーアナであるチャン・ソンギュは、2019年にフリーに転向した後、さまざまな方面で活躍し、独立3年目にソウル市の江東区のアパートを購入した。 これだけでなく清潭洞(チョンダムドン)の建物まで所有する不動産オーナーになって話題を集めた。

こうした状況について大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンは「アナウンサーたちの間では、自分たちが望む方式で業務を遂行するのは難しいという認識が強くなった。それに気づき、より大きな自由と創意性を追求する方向に進んだ」と語る。

そして、「また、さまざまな番組に出演することで、局アナ時代よりもはるかに高い収入を得ることができることが、彼らがフリー転向する主な動機の一つと見ることができる」と分析した。

こうしたこともあってた局アナたちはフリー宣言して「アナテイナー」となっていく。報道番組ばかりにこだわらず、バラエティからスポーツまでさまざまなジャンルで活躍する彼ら彼女たちを、アナウンサーとエンターテイナーを足して、「アナテイナー」と呼ぶようにもなった。

アナウンサーたちの多様な変身に対してKBSNスポーツの人気局アナだったチョン・イニョンは「フリーランサーに転向すると、思ったより番組出演の仕事が多くないが、それは誰もが同じ状況だと考えるしかない。仕方ない部分だ」と心境を明らかにしたりもした。

チョン・イニョン

つまり、アナテイナーとて成功する者もいれば、思ったよりも伸びず苦戦するアナウンサーもいるわけだ。それでも韓国ではこれからも局アナたちのフリー宣言が続きそうだ。

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