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【体験取材】罪悪感のない服の手放し方!物々交換で得たこと

  • 2023.11.29

モノとモノの交換を中心とした物々交換を楽しみ、服を循環させる体験の場として、BEAMS(ビームス)が来たる10月20日(金)〜10月22日(日)の3日間限定で「モノを売らないお店」を開催。各所から多数の賛同者が集まり注目を集めました。BEAMSが取り組む地球に優しいプロジェクトを取材してきました。

『モノを売らないお店』とは

BEAMSが、9月29日を服にまつわるサステナビリティを考える『つづく服。の日』として制定し、身の周りのモノのライフサイクルを考えるプロジェクトを進行中。
『つづく服。の日』制定から2周年を記念とした取り組みとして、10月20日(金)〜10月22日(日)の期間限定で原宿の「JOINTAROUND the CORNER」にて『モノを売らないお店』のPOP UP SHOPを開催。筆者が訪れた頃には長蛇の列が続き、注目の高さが伺えました。

「モノを売らないお店」とは名の通りBEAMS製品を購入する場ではなく、“つづく”をテーマに物々交換ができる場としてBEAMSのスタッフや、このプロジェクトに共感したクリエイターの方々がセレクトした洋服をはじめとした思い入れのあるアイテムが店頭に並びます。
そして消費者のわたしたちが思い入れのあるアイテムを持ち込み、“想いを交わす”ことで交換できる仕組みになっています。

誰かの大切なモノが、ほかの誰かの手にわたることで人から人へつながっていく。そんな空間に、終始わくわくが止まりませんでした。

モノを売らないお店ではブースが2つに分かれていました。
一つは、BEAMSのスタッフや今回の企画に共感したクリエイター、一般の方が持ち込んだ愛用品などが出品されている「ストーリー交換ブース」。もう一方は「再循環ブース」。こちらは着られなくなった衣料品をBRING™の衣料品回収プログラムを利用することで、BEAMSの経年在庫など、商品として販売予定のないものの中から好きなものをを選んで持ち帰ることができます。持ち込んだアイテムによって、参加できるブースが異なる仕組みです。

”モノとその想い”を交換する「ストーリー交換ブース」を体験!

今回、筆者は「ストーリー交換ブース」のほうに、服を持ち込みました。

入店したら、持参した洋服のストーリーをタグに記入します。
その場ですぐに自分の洋服がハンガーにかけられ、店頭に並びます。店内にいた他のお客さんが私の洋服を手に取る姿を見て、嬉しくなりました。

かけられていた洋服のタグにはそのモノにまつわる想いが記されていました。まるで本にかけられた帯を読んでいるようで、この洋服を身に着けていた時の持ち主の情景が勝手に浮かび上がってきます。

こんにゃくからお花、ビールまで?!

驚いたことに、洋服以外にこんにゃく(!)やお花、クラフトビールなども陳列されていました。コーナーはBEAMSスタッフが個人のスキルや興味を活かして働いているお店など、BEAMSにゆかりのある商品をピックアップしているそうです。

そのほか、祖母の影響で編み物を始めたというBEAMSスタッフが作るグッズや、ハンドメイドの犬用の服もありました。どれも可愛く、選ぶのが大変です。

迷ったあげく、交換したのは…

「ストーリー交換ブース」では、これらの製品とも交換が可能だそうで、断捨離中の場合でもとても嬉しいサービスです。私は迷った挙句、表参道の花屋「PART OF NATURE」のお花と交換しました。

こちらのお花屋さんのスタッフの方と一緒に、3本のお花をセレクトしました。

洋服のタグ同様、素敵なメッセージも添えていただきました。思い入れのある花を持ち帰り、部屋も華やかになるのと同時に、見るたびに嬉しくなりました。

「再循環ブース」では、着なくなった服をリユース・リサイクルへ

店内奥側には、着られなくなった衣料品をリユース・リサイクルするブースが設けられていました。
こちらは、BEAMSの経年在庫や店舗の装飾品等、商品として販売予定のないものの中から選んで持ち帰ることが出来ます。

2022年よりBEAMSの一部店舗では、BRING™の衣料品回収サービスを導入をしており、今回のイベントで持ち込んだ衣料品もBRING™と協力し、リユース・リサイクルされます。古着に含まれるポリエステルを使ってもう一度ポリエステル樹脂を製造したり、ポリエステル以外の素材もリサイクルしているそうです。ハチのマークが目印のBRING™の衣料品回収ボックスは、BEAMS以外のブランド店舗でも設置されているので利用しやすいお店を把握して積極的に活用したいですね。

こちらのブースには、BEAMSの店頭で使わなくなったハンガーも置いてありました。

今あるモノを大事に。これからは長く着られるモノを選ぼう。

自分の服を交換ブースに持ち込み、ストーリーを記入していると手放すことに寂しさを感じる瞬間がありました。いざ思い出を語るという行為に、着ていた服に対してちゃんと愛着があったのだと実感させられます。

そもそも服を捨てるという行為自体あまり好きではなく「誰か着れないかな?」など、そんな事を考えます。このイベントでは誰かが着て繋いでくれるかも。そんな予感や妄想も楽しめます。

正直、今ある服すべてに想い入れがあるかと言ったらそうでもありません。流行りものだったり、汚れてもいい服を基準に買ったものもあり、すべての衣料品を長く着るということは難しいです。
ですが、これからクローゼットの仲間入りになるものは長く着られるものを買う。そして今ある衣料品を今後どんなシーンで着ようかなど、シミュレーションをして更に想い入れを持つことに決めました。

定期的に開催してほしい!

店を後にして感じたのは『モノを売らないお店。』という新しいお店の形に「こういうの待ってた〜!」と内心叫びました。
衣食住全体を見直すキッカケとなるだけでなく、BEAMSのスタッフの方やこの企画に賛同した方たちのご厚意が、手書きのメッセージを通すことでいつものお買い物以上に心が温まります。
洋服の循環が可視化できるこの素敵な空間をもっと多くの人に体験してほしいなという想いが募りました。
もし開催されることがあれば、私も絶対にまた利用したいです。

わたしたちが、循環させていく。

『モノを売らないお店。』を企画されたBEAMSの方は今回のプロジェクトを、「ファッションが好きだからこそ行き着いた形」と語ります。
これからの未来を考えて真正面からサステナブルなことを行うことってとても大事だけれど、一番は自分たちが楽しく等身大の姿でできることが、地球に優しいアクションの最初のステップなのかなと思います。

「つづく服。」を地域のコミュニティや友人との間で行うのも楽しいですし、イベントが増える年末シーズンに、ホームパーティーなどで物々交換会を企画しても面白そうです。このプロジェクトが、各方面で循環して広がっていくと良いですね。

人の数だけある「つづく服。」

BEAMSの「つづく服。」のサイトでも様々な方の服にまつわるストーリーが覗けます。「つづく服。」とは、親のお下がりの洋服を長く着続けたり、子供のサイズアウトした服をリメイクしたり工夫は様々。一着と向き合うことで永く着る・永く愉しみ、今よりもっとファッションを好きになる、持続可能なファッションのヒントも得ませんか。

writer / arisa

取材協力

つづく服。
https://www.beams.co.jp/special/tsuzukufuku/

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