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認知症の親の年金はなかったことに?口座が凍結したあとの対処法とは

  • 2023.11.29

認知症になると、銀行口座が凍結されてしまうのをご存じでしょうか。凍結されると、たとえ配偶者や子どもであっても簡単にお金を引き出すことができません。

認知症になった親の医療費や介護費を親の年金から支払おうとしても、すぐに引き出せるお金がないという事態が起こるので注意が必要です。

■認知症発症後に親の年金を引き出す方法

認知症になってしまった後でも、口座からお金を引き出せるかもしれない方法を紹介します。

●法定後見制度を利用する

法定後見制度とは、認知症や知的障害などで判断能力が低下した人に対し、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。後見人が被後見人となる親の財産を管理することになるため、年金を引き出すことが可能です。

ただし、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれる場合が多いので、必要なときにすぐに年金を引き出すというのは難しいでしょう。

●銀行に相談する

認知症であるという医師の診断書を銀行に提示したうえで、医療費や介護費の請求書など引き出しが正当であると証明する書類などがあれば、親族が年金を引き出せる場合があります。

ただし、金融機関によって対応が異なるため必ずしも引き出せるとは限りません。

■親が認知症になる前に!

いざ認知症になってしまって困ることがないよう、事前に対策をしておくとよいでしょう。

●任意後見制度を利用する

任意後見制度とは、成年後見制度の1つで、本人の判断能力のあるうちに自身の後見人を選んでおく制度です。本人が自分の意志で後見人を指名できるため、法定後見制度のように第三者が後見人になることを防ぐことができます。

●家族信託を利用する

家族信託とは、自分の財産を親族に管理・運用してもらう制度です。親族間で契約をするので、信託された親族の裁量の自由度が高いのが特徴です。

●財産管理委任契約を利用する

財産管理委任契約とは、特定の人に代理人になってもらい、本人に判断能力のある段階から財産の管理を任せる制度です。代理人に親族を指定すれば、年金なども管理してもらうことができます。

■事前に親族間で対応を話し合おう

認知症になって銀行口座が凍結されても、年金を引き出す方法がないわけではありません。しかし、親族がお金を管理できるようにするためには、事前の対策がおすすめです。

認知症になる前に本人と親族で話し合い、年金を含めた財産の管理方法を決めておくとよいでしょう。

阪田順子(ファイナンシャル・プランナー) FP1級、CFP保有。保険会社での営業、一般企業の経理職などを経て、2020年にファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用や株式投資の講座を開講。投資を中心にお金にまつわる記事の執筆・監修を行う。

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