各メイクの特徴をおさらい
2023年もさまざまなメイクトレンドが世間を彩りました。
「白湯(さゆ)メイク」は、中国発の透明感のあるナチュラル風メイクのこと。まさに白湯のように透き通ったマットな白肌に、彩度を抑えたニュートラルカラーを合わせるのが基本。素朴ではかない雰囲気が出せる、一見すっぴん風の美人見えメイクです。
派手さがないため、誰でも取り入れやすいのが人気の理由。パープル系のカラーコントロール下地などでベースを明るく整えて、ファンデーションは肌より少し明るめのカラーをチョイス。ルースパウダーでサラサラな質感に仕上げるのがポイントです。
アイメイクやリップも、ナチュラルなベージュ系や血色感をプラスする程度の色味が◎。チークを頬だけでなくあごやこめかみにも少しだけのせることで、ほてった少女のようなピュアさを表現できます。
そして「くらげメイク」は、寒色カラーやグリッターを使うことで「透明感が爆上がりする」と評判になったメイクです。透明感やかわいらしさだけでなく、大人っぽい妖艶さも引き出してくれるとTikTokで話題になりました。
一番のポイントは、「青カラコン×青アイシャドウ」と「白いアイライン×大粒ラメ」で作る幻想的な目元。敬遠されがちな青系シャドウも、下まぶたにピンクを入れることでバランスが取れて愛らしい印象に。カラコンが苦手な人は、アイシャドウやラインにブルー系を取り入れるだけでもトレンド感がぐんとアップします。
ベースはカラーコントロール下地でトーンアップさせ、グロッシーなハイライトでツヤ肌に仕上げるのが特徴です。涼しげな印象で、特に夏の頃に支持を集めていました。
こうしたアジア発・SNS発として注目されたメイクのもう一つが、中国語で「甘みを感じる女の子」を意味する「甜妹(てんめい)メイク」です。
妹っぽい、かわいらしい顔面になれる甜妹メイク。2023年の振り返りとして、白湯メイクやくらげメイクとの違いやバズった理由などを紹介します。
中国メイクと韓国メイクの大きな違いは?
甜妹メイクは、以前からトレンドとなっている「ワンホンメイク」の一種と言われています。中国人女性のような凛とした強めの顔立ちになれるワンホンメイクは、中国メイクや「チャイボーグメイク」と呼ばれることもあります。
ワンホンメイクは、アイブロウやリップの輪郭をはっきりさせ、チークをたっぷりのせる点が特徴。そこが、ニュアンスを大事にする韓国メイクとの大きな違いとなります。
人気のワンホンメイクとしては、先に説明した「白湯メイク」「くらげメイク」が挙げられます。これらと甜妹メイクとの違いは、メイクアップする過程と仕上がりイメージです。
白湯メイクは、中国美人がよくしている透明感のあるナチュラル風メイク。一方、甜妹メイクは、ピンク色のアイシャドウやチークをたっぷり使って甘めの雰囲気を目指します。両者の共通点は、透明感とマット感に重点を置いて、お人形のような陶器肌がベースとなるところです。
そしてくらげメイクは、きらきらと幻想的で透明感あふれる雰囲気を出すため、ブルーやシルバーなどの寒色を中心に使用するのが基本です。一方、甜妹メイクは、コーラル系のピンクなど温かみのあるカラーを中心に使います。愛らしさがあふれる甜妹メイクと、幻想的な印象のくらげメイクとでは、与えるイメージが大きく異なります。
オトナ女性にも似合う理由に納得
SNSを中心にバズり中!20代・30代におすすめの理由とは?
YouTuberやインフルエンサーが立て続けにSNSで紹介したことが、甜妹メイクブームのきっかけとなりました。今では“甘めメイク”の代表格となっています。
「地雷系メイク」などは若い世代の女性によく似合うメイクですが、甜妹メイクは曲線的で柔らかいイメージが作れるため、20代後半から30代女性のデートメイクとしてもおすすめです。ピンク色をたっぷり使用して血色感を演出できるので、健康的に見えるうえ、マットな質感の陶器肌がほどよい品格も漂わせます。
甜妹メイクにチャレンジしようと思うなら、YouTubeなどで情報収集をしてみるのがおすすめ。日本的な解釈が進んでいて、アラサー女性にも似合う甜妹メイクがたくさん紹介されています。
甜妹メイクをするときのコツ
マット肌で作る品の良さと、甘くかわいらしい印象が共存する甜妹メイク。普段はチークをそれほど大胆には使わなかったり、幼過ぎるからという理由でピンク系メイクに抵抗があったりする人にも、ポイントを押さえれば取り入れやすいはずです。
1.ピンクがメインのナチュラルアイメイク
上まぶたにはグレーやブラウンを使用せず、ピンクのアイシャドウのみをオン。それに併せて、眉もライトブラウンやピンク掛かったブラウンなどで、色素薄めの淡い印象にするのがコツです。
2.白みピンクのチークを広範囲に
陶器肌にのせるのは、白みピンクのチーク。 オレンジや赤みが強いものは避けましょう。頬のてっぺんからグルグル円を描くように、目のすぐ下まで広範囲に乗せるのが、甘えん坊っぽく見せるコツです。
3.血色感を大切にした潤いリップ
顔の中心にくるリップには、素の唇の色と形を残しつつ血色感と潤いを与えるものを選びましょう。盛り過ぎずに、甜妹メイク特有の甘くかわいらしい雰囲気を作ることができます。
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2023年のトレンドメイクも、アジア発、SNS発、ナチュラル、透明感、甘いかわいさなどのワードで華やぎました。2024年はどんなメイクが流行するのでしょう。新しい“カワイイ”に今から期待が高まります。
(岩井なな)