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“自宅”で祝言?ほぼぶっつけ本番? イマドキの結婚式が多様化している理由

  • 2023.11.28
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自宅で結婚式を行う新プランを作った理由

昔の結婚式“祝言”って?
昔の結婚式“祝言”って?

近年、若者を中心に結婚式のスタイルにも変化が見られているといいます。結婚準備情報サイト「マイナビウエディング」が、2022年7月から2023年6月までに“結婚した/結婚式を実施した”全国の20~49歳までの男女を対象にした「2023年 結婚・結婚式の実態調査」を実施。その結果によると、「結婚式を挙げていない・挙げる予定はない」が17.7%、「写真のみ(フォトウェディング)実施済み」が12.7%、写真のみ(検討中)が6.6%と、全体の3割以上の人が、「結婚式を挙げない」、または「写真のみ」という結果でした。

理由に、「他のことにお金をかけたかった」「興味がわかなかった」「準備が面倒」「注目を浴びることが恥ずかしい」などが挙げられました。特に、20代では「呼びたい人がいなかった」が19.9%で前年より大幅増加しました。

また、実施した挙式形式について、教会(チャペル)式が60.7%、神前式が14.9%、人前式が23.0%という結果でした。特に、人前式については年々増加傾向であり、20代の挙式した人で「人前式」を行った割合は33.5%と他の年代と比べて多い結果でした。

「人前式」を選んだ理由に、「自分たちらしくしたいから」「カジュアルな雰囲気にしたかったから」「参列者と作り上げたいから」などが挙げられました。

宗教にとらわれない、リーズナブル」という特徴がある「人前式」。調査を行った「マイナビウエディング」は、「結婚式のスタイルは『自分らしさ』を重視する傾向が年々増加している。アフターコロナをきっかけに、自分らしさ、家族や仲間と過ごすかけがえのない時間に大きな価値を見出しはじめている」と分析しています。

2023年11月、和装専門の結婚式をプロデュースする「和婚スタイル」が、家族・ゲストが結婚の誓いの証人になる和風の人前式を行うプラン“祝言プラン”を新たに追加しました。

「祝言」とは、古き良き日本の伝統ある結婚式家と家、人と人を結び絆を大切にする和の結婚式だと「和婚スタイル」は言います。「祝言プラン」と「和装の人前式」に違いはあるのでしょうか。和婚スタイル支配人・橋口未佳さんにお話を伺ってみました。

Q.「祝言」について詳しく教えてください

橋口さん「祝言とは自宅のご先祖様や親族に見守られた儀式のことで、600年前の室町時代から始まったと言われています。

農耕民族である日本人は人と人、家と家をつなぐ盃事をとても大切にしてきました。祝言が執り行われるとなると、家族や親族、親しい近所の人たちが集まり、婚家である新郎家がお酒やごちそうを振る舞い、その宴は夕刻から始まり、数日間続くことが当たり前でした。祝いの宴は、床の間や神棚、仏壇のある部屋で先祖に見守られながら行われたようです。貧しい農民は土間で盃を交わすだけの儀式であったとも言われています。

室町時代に入ると、武家の礼法・作法の定めを命じられた小笠原流が形式が整え、盃事を交わす儀式が定着していったという歴史があります。

この祝言こそが、今ある結婚の儀式の始まりだと言われています」

Q.「祝言」にメリット、デメリットはあるのでしょうか

橋口さん「和装でも人前式のようにゲストを巻き込みながら、ゲストへ感謝を伝える時間を設けることができることがメリットです。新郎新婦のご両親もゲストとお話することができます。

デメリットは、流れを変えられない神前式に比べると、二人で考える時間が増えることでしょうか。デメリットである一方、楽しく二人の絆を更に深めることが出来る点では、メリットとも捉えられます」

今回「祝言プラン」を取り入れた背景に、顧客の要望があったと橋口さんは言います。

「『神社仏閣が自分たちにいまいち響かない』というお客様に、では自宅で結婚式をしますか?と提案したところ『それだ!!』と。自宅で式をしたがる方は多くはないのですが、ニーズがあるならプランにして知ってもらえれば、そもそも結婚式を挙げるか挙げないかで悩んでいるお客様を導けるかもしれない、と思ったのがきっかけです」

結婚式には、和装と言えば神前式、洋装なら教会式といった既成概念がつきまとっている?今求められているのは“自由度の高い結婚式”では?橋口さんは、次のような考えを持つ人に祝言プランのニーズがある、と分析しています。

・おじいちゃんおばあちゃんが外に出ることがなかなか出来ない・家族中心の結婚式がしたい・家族に感謝の気持ちを思いっきり伝えたい・神前式には抵抗がある・派手な披露宴は苦手・会場への移動をなくしたい・宗派にとらわれたくない

結婚式が“多様化”している理由

「和婚スタイル」が提案する“祝言式”
「和婚スタイル」が提案する“祝言式”

実際に「祝言プラン」で挙式をしたカップルに、選んだ理由を伺ってみました。

「生まれ育った場所、自分の成長を見届けてくれてた思い出の場所で、見てもらいたい人がいる。そんな場所で、日本の結婚式を知ってもらいたい大切な人達もいる。だから和装を選んだけど、神社はピンとこなかった。提案してもらった“祝言式”、私がやりたい結婚式はこれだったのです」(祝言プランで挙式したカップル・30代)

和装といえば神前式と思い浮かべること自体が、アナクロな考えなのかもしれません。

同社は、この祝言式のように、“決して多くはないニーズ”に注目し、カップルの“自分らしさ”に寄り添った結婚式の形を提供していると言います。

「『和婚スタイル』は、新型コロナウイルスが流行する前から家族中心、少人数の結婚式を中心にお手伝いしており、コロナ禍の影響でお客様がゼロになることはありませんでしたが、挙式のみのお客様がほとんどになり、二人挙式も増えました。

だからこそでしょうか。“結婚式を挙げたという証拠”を残したいというお客さんが増え、要望に応えるべく、急ピッチで必要な物をそろえたことを覚えています」と、振り返ります。

現在はコロナ禍前の状況に戻りつつあるとする一方で、これまでにない変化を感じているといいます。

「コロナ禍以前は20代のお客様はほとんどいませんでした。コロナ禍を経験し、人と人、家と家のつながりを大事に思う人が若い世代で増えたのでしょうか。さらに現在の“レトロブーム”もあり、和装を選ぶ20代のお客様が増えてきています」(橋口さん)

結婚準備には、何度も式場での打ち合わせが必要なもの。「2023年 結婚・結婚式の実態調査」の調査で、「結婚式を挙げない」理由として「準備が面倒」と回答した人は28.2%でした。

多忙な人や、海外在住の人に向けた「オンライン相談」を受け付けている同社。すべての打ち合わせをオンラインで対応し、店舗には、式の前日までに一度だけ、衣装確認のために行くだけで式を挙げることができると言います。相談件数は、コロナ禍から1.4倍に増加したのだとか。

◇◇◇

生涯未婚率は年々増加傾向、さらに「式を挙げない」とするカップルが増えている中、追い打ちをかけるように起きた新型コロナウイルスの感染爆発による結婚式のニューノーマル化。これまで経験したことがないような変化の中で、いかに“自分らしさ”や“マイナーニーズ”に寄り添えるかを追求した結果、近年結婚式が多様化しているのではないでしょうか。

冒頭の調査で「式を挙げない」と答えた割合にも、選択肢が増えることで今後の数字に変化があるかもしれませんね。

(LASISA編集部)

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