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しいたけ.さん「自分が自分の友達ではダメですか」 “人間関係の悩み”解消法を伝授

  • 2023.11.25

「信頼できる友達がいません…」や「結婚したら、友達と疎遠になってしまいそう…」など、読者の“人間関係の悩み”に、作家、占い師のしいたけ.さんが回答します。

信頼できる友達がいません…。

仕事で繋がりのある人とたまにごはんに行くことはありますが、いざという時に頼れるような信頼できる友達がいません。大人になって、どうやって友達を作って信頼関係を築いていったらいいのかもわかりません。なんだかすごく寂しい人生です。

楽しげな空気をまとえる“褒めインタビュー”を!

これについてまず言いたいのは、自分が自分の友達ではダメですか、ということ。僕は「自分が友達」と思って生きてきたところがありまして、若い頃はよく自分にインタビューをしていました。「あの過酷な場面をどうやって乗り切ったんですか? さすがです!」みたいな褒めインタビューです(笑)。毎日そんなことをやっているとなんだか楽しくなっていくんです。友達ができやすい人の条件に、「この人、なんか楽しそう」という空気感があると思いますが、僕はインタビューを始めてから、職務質問をされる数よりおばあちゃんに道を聞かれる数の方が増えてきました。自分の空気感が変わったんですね。だから遊び程度で構わないので、ちょっとやってみてほしいです。

あともうひとつ、友達は自分を映す鏡だと僕は思っています。信頼できる友達がいないということは、自分自身のことが信頼できていないのかなと。自分を信頼するってどういうことかというと、「友達はいないけど、まあ私なら面白いからなんとかなるか」って思えるかどうか。「友達がいないなんて寂しい人生」と否定するより「周りは見る目ないな~」くらいに思えた時に、友達って増えていく気がします。

結婚したら、友達と疎遠になってしまいそう…。

先日、彼との結婚が決まったのですが、よく遊ぶ友達グループは全員独身。ひとりだけ既婚者になると、もう遊びに誘ってもらえなくなるのではと不安です。今後も友達と疎遠にならないためにはどうすればいいでしょうか。結婚生活より友達との付き合いを優先するべき?

自然の流れに任せて新しい居場所を味わって。

頻繁に会う仲の友達って、今の自分を支える貴重な居場所だと思うんです。でも結婚することによって家庭という別の居場所もできて、多くの人が経験しているように家庭の優先順位が高くなる。それで友達と疎遠になっていくのは、ある意味、仕方ないところもあるのかなと。寂しいかもしれないけど、でも今度はその同じプライオリティを持つ人たちと縁が繋がりやすくなったりもする。そういう自然界のサイクルが不思議とあるんですよね。だから家庭か友達か、どちらを優先するかは自分次第ですが、僕としては人生の中で居場所が増えたり変わったりする機会があった時は、新しい居場所周辺の世界をしっかり味わうことが大事かなと思っています。やっぱり縁や機会は自分でコントロールできるものではないから、そのタイミングが来たなら「よし!」と乗っかった方がいい気がして。たとえ友達といったん離れても、グループの中でこの先結婚する人と同じ立場になってまた仲良くなるかもしれないし、何年後かにまたみんなで頻繁に会うようになるかもしれない。ふとしたことから回路が復活するのも友達の良さだと思うから、関係を繋ぎ留めようと頑張るより、自然に任せちゃった方がよさそうです。

推しがいなくて、輪に入れません。

昨今の推し活ブームに乗れていません。推しがいる友達はスゴイ熱量で推しへの愛を語ってくるけど、正直理解できなくて。でも変に浮くのがイヤでなんとなく話を合わせていますが、もう無理がバレているかも。大好きな推しがいる人が楽しそうでうらやましいです。

穏やかな推しだってある! 同じ温度感の人を探そう。

推しというと、めちゃくちゃ高い熱狂度で誰かを応援するイメージがあるけれど、僕はもうちょっと低い温度の推しがあってもいいと思っていて。真面目な話、ケーキのモンブラン推しとか枯山水推しとか、人じゃないものが対象だっていいわけですよね。「モンブランを見るだけで幸せな気持ちになれる」くらいだったら、それはその人にとって大切な推しなんじゃないかと。それで言うと、僕の推しは洗剤です。どの洗剤が一番台所の水垢を落とせるか試しながら、洗剤がずらっと並んでいるのを眺めてはほっこりしています(笑)。

洗剤を推す僕の温度感とアイドルを熱狂的に推している人のそれは全然違うから、どうしたって話は合わないし、合わせる必要もないもの。この温度感ってすごく大事です。どんなことでも同じ温度感の人と話すと、やっぱり楽しくて盛り上がります。だから温度感の違う人や全然興味がない人に一方的に推しへの愛を語る行為は、ちょっと違う気がしていて。無理に合わせずに「ごめん、わからないんだ」と言っていいと思いますよ。もしあなたが僕でいう洗剤のような穏やかな推しがあるなら、静かにひとりで楽しむか、同じ温度感の推しを持つ人を探して語り合ってみてください。

しいたけ.さん 作家、占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら、占いを学問として勉強する。『しいたけ.の小さな開運BOOK』『しいたけ.のやさしいお守りBOOK』(共に小社刊)が好評発売中。

※『anan』2023年11月29日号より。イラスト・100%ORANGE 取材、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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