子どもが帰った後の保育園で、保育士がどんなことをしているか気になるという声を聞くことがあります。子どもが帰った後の保育園は、まだまだ明かりが消えることはなく、電気がついていますよね。保育士たちは園で「名もなき保育」に励んでいます。この記事では、保育士ママ5人で運営している【いつママ(@itsumama_home)のるなママ】が紹介します。
園児たちが降園してからも続く保育「安全で楽しい園生活のため」
園児が帰った後、保育士は「今日も子どもたちを安全に帰宅させることができた」と、ほっとしています。しかし、一息つく間もなくやることはたくさん。普段は保護者の方々や園児の目にとまることが少ない、保育士の仕事についてお伝えいたします。
一例として、以下のような仕事をしています。
- 指導計画や月案・週案・日案の作成
- 保育日誌・個人記録
- 工作などの準備
- 職員ミーティング
- 保育室等の飾り
- 保育室・園庭の掃除(おもちゃの消毒)
- 遊具の点検
- 行事の準備
- ピアノの練習
- 植物の手入れ
- おたよりなどの作成
子どもたちが安全に保育園で生活するために、事前に整えておかなければならないことがたくさんあります。またお子さま一人ひとり対応が異なるからこそ、日々の記録も欠かせません。
そのほかにも、実習生の指導や職員研修、避難経路の確認、掲示物や物品の確認、子どもたちの持ち物の整理など。ご家庭の大事な命を預かるためには、日々配慮が必要なのです。
保育士の「名もなき保育」エピソード
ここからは少し具体的に、保育士が子どもがいない園でしていたお仕事についていくつかご紹介します。細かいものはきりがありませんが、園にいる保育士が子どもたちの安全や充実した園生活のためにしていることを知っていただけるとうれしいです。
小さなささくれも共有
例えば、ある子どもが保育園で蚊に刺されたり、ささくれができたりしたという細かいできごとも、職員間で共有することがあります。
子どもがより快適に過ごせるように、保育士同士でどうすればいいか意見を交わします。
朝顔をこっそり植え替えたことも
夏に一人一つずつ育てていた朝顔。子どもたちが降園したあと、みんな芽が出ているか、出ていない子はいないかなど、毎日確認しています。
1人だけ芽が出なかった時の子どものがっかりした表情を見たり、毎日待っているのにおそらく種の問題で出てこなかったり。そんなとき、実はこっそり種を追加して植えたり、子どもたちに見えないところ育てた苗に、入れ替えていたことがありました。
もちろんそれが自然の摂理だと伝える園もあるかもしれませんが、幼い子どもの繊細な心は大人が思っている以上にピュアです。そんな部分にそっと黒子のように寄り添うのもまた保育士の仕事だと考えていました。
勤務時間を超えてしまうことも
まだまだ書類関係では、電子化されていなかったり、手書きのものも多いのが現実です。また、保育や行事で使うものを、仕事が終わった後に買い出しに行ったり、休日に買い出しや準備をしないといけないことも。
実は勤務外の時間帯で、保育士としてやらなければいけないことに追われていることもあります。子どもたちの安全を守る保育士が元気に働き続けるために、こうした状況は改善してほしいと考えています。
「名もなき保育」少しでも知ってほしい
日々子どもたちと向き合い、健やかな成長を願い、保護者の方の相談相手として、また時には一緒に悩み、考えながら日々環境を整えています。その裏には、子どもたちがいる時にはできない業務や、お子さまが帰ってから行う「名もなき保育」が必要なのです。
子どもの命を守り、良き理解者でいるために、子ども本人も家族も安心して預けられる環境や状態を作っています。園によって先生の仕事や内容は異なると思いますが、一例としてご紹介しました。こうした保育士の努力やがんばりを、少しでも知ってもらえたらうれしいです。
著者:itsumama55