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意外な原因があるかも…【女医監修】突然起こる「腹痛」の原因と対策

  • 2023.11.24
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お腹が痛いと辛いですよね。お腹には様々な重要な臓器があり、痛みの原因も様々です。今回は突然起こる腹痛について、よくある原因から知っておくべき病気まで、女医の筆者が解説します。

よくある腹痛の原因

急性胃腸炎

内科クリニックを受診される方で多いのは、いわゆる胃腸風邪です。比較的急激に悪心・嘔吐とともに下痢・腹痛症状が起こることが多いでしょう。ほとんどはウイルス性胃腸炎で、有名なノロウイルスやロタウイルスの場合は、感染から1~2日程度の潜伏期を経て発症し、発熱を伴うこともあります。

その他、腸炎を起こすウイルスとしてはアデノウイルスなどがあります。いずれの場合も、基本的には安静と水分補給により自然に良くなることがほとんどですが、症状がひどく脱水症状に陥った場合は点滴が必要になることがあります。

まれに起こる細菌感染による腸炎の場合は、カンピロバクターやサルモネラ、病原性大腸菌といった菌が原因となります。同様に安静と水分補給が治療の基本となりますが、重症化すると命に関わる可能性も。症状が重い場合は、抗菌薬を使用することもあります。予防としては、トイレの後はきちんと手を洗うようにしましょう。また、肉は十分加熱してから食べることも大切です。

便秘痛

意外に思われるかもしれませんが、便秘のせいで耐え難い痛みに襲われ、救急車で来院される患者さんも実際によくいます。たかが便秘と思わず、早めに内科で治療を受けるのがいいですね。便秘を放置すると徐々に大腸が伸びてしまい、ますます便秘しやすい大腸になってしまう可能性も。また、あまりに便秘がひどかったり、高齢で腸が弱っていたりすると、大腸が便のせいで破れることがあり、命に関わるケースもあります。

便秘薬のうち刺激性下剤というタイプは、ずっと使い続けると徐々に効き目が落ちてきたり、大腸が変色したりといった副作用が起こることも。市販薬の下剤には、ある程度即効性があって効果を実感しやすい刺激性下剤もあるため、使いすぎには注意してください。

月経に関連する痛み

女性の場合は月経に関する痛みの可能性もあります。月経期間中に起こる月経痛はもちろんのこと、月経前に下腹部痛が出るもの(月経前症候群の症状)、排卵期に下腹部痛が出るもの(排卵痛)などがあります。なかには卵巣出血といって、排卵や外的な刺激によって卵巣から出血するものもあり、これも下腹部痛の原因になることがあります。

子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣腫瘍なども原因になることがありますが、これらは婦人科のエコーで診断できるので、特に下腹部に痛みがある場合には検査してみるといいですね。

膀胱炎

膀胱炎になったときも、下腹部に痛みを感じることがあります。膀胱炎の場合はこれに加えて、排尿痛、残尿感、頻尿、尿が濁るなどの症状が現れることが多いです。女性の尿道の長さは短く、男性に比べると膀胱炎になりやすいと考えられています。排便や性交渉などによって尿道口から細菌が侵入してしまうことで、膀胱炎が起こることがあります。

過敏性腸症候群

ストレスや自律神経と関連するといわれているものです。不安や緊張で下痢をしてしまうタイプや、便秘と下痢を繰り返してしまうタイプなどがあり、腹痛を伴うことがあります(※1)。

放っておくと危ない腹痛

子宮外妊娠

子宮の内膜以外の場所で妊娠してしまう、異所性妊娠(子宮外妊娠)が起こった場合も腹痛が起こることがあります。不正出血を伴うこともありますね。お腹の中で大量に出血を起こすこともあるので、迅速な治療が必要です。

性感染症による骨盤腹膜炎

クラミジアや淋菌などの菌が炎症を起こし、骨盤まで感染が広がった場合にも痛みの症状が出ます。感染症なので発熱も伴うことが多いですね。感染が広がると、将来の不妊症の原因になることがあります。

急性虫垂炎

一般の方には、いわゆる「盲腸」として知られています。典型例では上腹部もしくはおへそのあたりに痛みが出てきて、時間とともに右下腹部へ移動していきます。吐き気や嘔吐を伴うことも。虫垂に穴があくと炎症がさらに広がってしまうため、早期治療が必要です。

心筋梗塞

心筋梗塞は心臓だから胸が痛くなるのではないかと思うかもしれませんが、吐き気や腹痛を訴える方もいらっしゃいます。一度心筋が壊死してしまうと元通りにはならないとされており、早期発見・早期治療が重要です。

以上に挙げたものの他にも、絞扼性イレウス、上腸間膜動脈閉塞症、大動脈解離、腹部大動脈瘤切迫破裂など、緊急性の高い腹痛もあります。時間経過とともに痛みが増強するものや、我慢できないほどの強い痛みで特に突然発生するようなもの、市販の痛み止めを飲んでも全く良くならないものなどは、緊急性の高い病気の可能性が考えられますので、すぐに病院を受診するようにしましょう。

その他にも、歩くとお腹に響いて動くのが辛かったり、高熱を伴ったりする場合なども注意が必要ですね。自己判断では何が原因か分かりづらいことも多いので、気になる症状がある場合は医療機関への受診を検討してくださいね。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 過敏性腸症候群
©Pormezz/Adobe Stock ©Monet/Adobe Stock ©buritora/Adobe Stock ©maroke/Adobe Stock

筆者情報

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ

産婦人科専門医/ママ女医ちえこ

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