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”ヒモ男”演じた東出昌大「『勝ち組』とか『底辺』とか誰が決めるのか」上手に生きられない人々を肯定する『コーポ・ア・コーポ』の魅力語る

  • 2023.11.25
”ヒモ男”演じた東出昌大「『勝ち組』とか『底辺』とか誰が決めるのか」上手に生きられない人々を肯定する『コーポ・ア・コーポ』の魅力語る
(C)ジーオーティー/岩浪れんじ

女性に貢がせて生きる男を好演した東出の撮影メイキング動画が公開!

馬場ふみかが主演し、東出昌大、倉悠貴、笹野高史らが共演する公開中の映画『コーポ・ア・コーポ』。本作より、女性に貢がせて生きる男・中条役を好演した東出の撮影メイキング動画を紹介する。

本作は、コミックサイト「COMIC MeDu(こみっくめづ)」に連載され、独特の世界観でコアなファンを量産し続ける、岩浪れんじによる同名漫画の実写映画化。昭和レトロな雰囲気を醸し出す大阪の安アパート・コーポを舞台に、年齢も性別も職業もバラバラで、互いによく知らないながらも縁あって一つ屋根の下に暮らす訳あり同士が、飄々と生きる日々を描き出す。

家族のしがらみから逃げてきたフリーター・辰巳ユリ(馬場)、複雑な過去を背負い、女性に貢がせて生計を立てている中条紘(東出)、日雇の肉体労働で日々を過ごし女性に対して愛情表現が不器用な石田鉄平(倉)、過去のことこそ話さないが「コーポ」の一角の部屋で怪しげな商売を営む初老の宮地友三(笹野)。彼らは大阪の下町にある安アパート「コーポ」に住んでいる。

ある日、宮地が、コーポで暮らす同じ住人の山口が首を吊って死んでいるのを見つける。似た境遇で暮らす人間の死を目の当たりにして、ユリたちはそれぞれの人生を思い返し——。

本作が11月17日に封切られると、「登場人物全員が愛おしい」「コーポの空気感に癒される」「ぼちぼち生きていたらいいか、と思わされた」など、SNSを中心に絶賛の声が相次いだ。なかでもスーツ姿でバッチリ決め、甘いマスクで次々と女性を口説いて貢がせるニヒルな男・中条紘役を演じた東出の演技には、「原作のコマから抜き出てきたよう」「ハマり役」などの称賛の声が集まっている。

今回紹介するのは、そんな東出の撮影メイキング映像。冒頭では、歩き方について仁同正明監督から演出を受ける東出の姿が捉えられている。淡々と返事をしつつも、眼差しは鋭い東出。細かなニュアンスをすぐさま演技に取り入れている様が伺える。

本作の魅力のひとつは、どこか人生がうまくいっていない中条をはじめとした登場人物たち。そんな面々について、「これが古き良きになっちゃうのが現代ってちょっとしんどいなって思う」と東出はしみじみ。「こういう人たちがいてぼちぼち生きているっていうのが素晴らしいなって思うから、それがこの作品をやる意義なのかなと思います」と役柄に向ける眼差しは優しい。

メイキング映像の最後には、東出が思わず大きなくしゃみをしてしまうNGシーンも。すぐに笑いの渦に包まれ、何とも楽しげな撮影現場の空気感が伝わる。

「『勝ち組』とか『底辺』とか、誰が決めるのか。『常識』とか『良識』とか、それは思考停止になってしまうきっかけの言葉になってしまうのではないか。常識的ではない、底辺の、それでも暖かい人々の物語です」と本作について語っていた東出。上手に生きることができない人々を優しく肯定する作品の空気と、それを体現するような東出の自然体の演技に注目だ。

『コーポ・ア・コーポ』は現在公開中。

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