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小池栄子のお悩み相談室 第23回:「私って借りパクされやすいタイプなの?人に物を貸すとだいたい返ってきません」 (保険会社勤務・40歳)

  • 2023.11.23

――ボールペンからスマホの充電ケーブル、時には飲み会で割り勘したお金の立て替えまで、物やちょっとしたお金の貸し借りは日常的に行われていること。とはいえ、どんなものでも借りたら返すのが当たり前なのでは?そんな“借りパク”問題に悩む方からのお悩みです。

本日のお悩み

読書が好きで家には壁一面に大きな本棚があり、小説や書籍を収納しています。友達が遊びに来ると「あれ貸して」「これ貸して」となるので、そのたびに「絶対に返してくれると約束するならいいよ」と伝えてから貸しているのですが、ほとんど返ってきません。書籍1〜2冊でわざわざ催促するのもケチくさいと思い、催促しないまま5年、10年と経っていきます。きっと向こうは忘れているのでしょうが、私は誰に何を貸したかは鮮明に覚えています。
「人に金を貸す時は、あげるものだと思え」と聞いたことがありますが、本や物も一緒なのでしょうか?不要な本は定期的に古本に出して処分しているので、今残しているのは私にとって手元に残しておきたい大事な本です。それなら貸さなければいいんじゃない?という意見もわかりますが、「貸して」と言われたらつい断れなくなってしまいます。正直、借りた物を返さない人の価値観がまるでわかりません。それとも私がケチなんでしょうか?
そこで相談なんですが、どうすれば気持ちよく、貸した物を返してもらえるでしょうか。なにかいい言い方はありますか?そして、貸したくない時は小池さんならどう断りますか。(保険会社勤務・40歳)

――これ、あるある問題だとは思いますが、相談者にとったら大事な物を貸しているわけなので、返して欲しいという気持ちはよくわかります。小池さんの場合は、どうしますか?

私なら「だいたいいつも返ってこないから、貸したくない」って、正直に言います。それでも「絶対返すから、お願い」と言われてしまったら、「そう言ってみんな借りていくんだけど、今まで返ってきたことがないんだよ」ってはっきり言うかなぁ。その時に“あなたの場合”ではなくあくまでも“一般論”として話したほうがいいと思います。

――なるほど。この相談者も、「絶対に返してくれると約束するならいいよ」と伝えてから貸しているようですが、それでも返ってこないんですねぇ。

そこまで言っても返してもらえないなら、もう戻ってこないものだと諦めるしかないかな。私の場合、物を貸して返ってこない時は、私と縁がなかったんだなって思っているんですよね。あとよっぽど大事な物は、絶対に貸さないし。

――大事な本を手放したくないのなら、そうやって自分の中で気を強く持って、一線引くしかないですね…。この相談者はつい貸してしまうタイプだそうですが、では貸してしまってからの催促はどうしたらいいと思われますか。

2〜3ヶ月返ってこない段階で、私は一度聞いたりすると思います。たとえば「そういえば貸したあの本読んだ? 次に借りたい人が待ってるから、読み終えたら連絡ちょうだい」って言うとか。

――それは相手の気分を害さないいい言い方ですね!

すごく大事なものははじめから貸さないか、きちんと催促するか。悔しいかもしれないけど、それをしないのであれば、ある意味、貸した方にも原因があると思うしかないかもしれません。本当に悔しいけど。

相手を正そうとするのではなく、 自分を変えたほうが、結果的に自分が得をする。

――そもそも、貸したほうがなぜいろいろ気を使わなければいけないのか、ちょっと理不尽なところもありますよね。待ち合わせに遅刻してくる人に対しても似ているというか。たかが10分待たされているだけでイライラする自分は心が狭いのか…と思っちゃったり(笑)。

遅刻グセがある人も、私の周りにいます。でも私はあまりそういうのが好きじゃないから、その子に普通に「なんで遅れるの?」ってストレートに聞いてみたり、「ちゃんは必ず遅れると思っているからさ」なんて伝えたりしていたら、ある時、約束の時間の10分前に来ていて。その時は「できた!」って喜んでいましたね。あとは、待ち合わせ時間をサバ読んだりしています(笑)。どうせ遅れるから、1時間早い時間を伝えておこう、とか。

――なるほど、せめてもの防御策というか(笑)。でも借りた物を返すとか、時間を守るとかマナーの一種だと思うんですが、守らない人たちはどういう価値観なんでしょうか…。

マナーでくくると、相手から見たら自分もマナーを守れていないことがあるだろうな、だからきっとお互い様だな、って思うんですよね。あとは、人を正すとか、直すとかすごく難しいことだと思うから、そもそも私は諦めています。だったらその人仕様に自分を変えたほうが、自分にストレスがたまらない。

――なるほど。つまり、自分が柔軟に対応できる人間になったほうがいいと。

悔しいですけどね。だからこの場合の本の貸し借りの話だったら、相談者が断れる人間になったほうがいいと思います。はっきり「貸したくない」って言える人に変わるほうが、今後の被害は少ないはず。

――人を矯正しようではなく、自分を変えるということですか?

そうそう。その時はなんで私が…?って思うかもしれないし、さっきも言ったように悔しいけど、でも自分を変えたほうが、結果的に自分が得をする感じがするんです。

――ほう!すごく新しい意見です。

不都合な場面に遭遇した時に、それに柔軟に対応できる自分を作り出していったほうが、いくつもの状況に対応して受け入れられる、幅の広い人間になっていくと思うんですよね。全員を許すとかではなくて、こんな人もいるんだと、1回受け止められる人間になる気がします。

――この相談者のケースで言えば、このままだとずっと借りパクされる人生だし、その価値観が理解できない!って怒り続けるのも損ですもんね。

ずっと同じことで何年も悩んでいるのはもったいないです。いいじゃん、頑張って自分を変えましょう、って思います。

こいけ・えいこ/1980年11月20日生まれ、東京都出身。舞台、映画、TV、CMなど幅広く活躍。近年出演した主な作品は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、ドラマ『競争の番人』ほか多数。一方で、現在放送中のテレビ番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)、『クレイジージャーニー』(TBS)、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)にレギュラー出演中。また、主演ドラマ『コタツがない家』が10月18日より日本テレビ系列にて、毎週水曜日22:00〜放送スタート。

Photo_Syu Yamamoto text_Aya Wakayama

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