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ウーマンズ パビリオン、変革を生み出すカルティエの未来。

  • 2023.11.22

2025年大阪・関西万博にウーマンズ パビリオンを出展するカルティエ。 常に新しい価値観を自ら創出する女性たちとともに歩むメゾンが目指す未来とは?

1847年創業のカルティエが、独創性にあふれたジャンヌ・トゥーサンをハイジュエリーの最高責任者に大抜擢したのは1933年のこと。フランスにおける女性参政権確立が44年だったことを考えれば、当時、女性がこのような重要な地位に就くのは非常に革新的なことだったとわかる。

「パンテール」のモチーフをクリエイションに取り入れ、後にメゾンの象徴と呼ばれるまで昇華させたジャンヌのような才能ある人物をジェンダーの枠にとらわれず積極的に起用し、未来をともに創る──メゾンの歩みは、この頃からすでに始まっていた。

1933初の女性クリエイティブディレクターが就任。

左上:好奇心旺盛で、自ら道を切り拓く姿から「パンテール」と呼ばれたジャンヌ・トゥーサン。彼女はインド、ペルシャ、中国をインスピレーション源に、"トゥーサン テイスト"と呼ばれる大胆な個性をカルティエで発揮した。 右:1917年、すでにジャンヌの才能を見抜いていたルイ・カルティエが彼女に贈ったシガレットケース。 左下:「パンテール」をカルティエの象徴に決定づけた1948年発表のブローチ。

今世紀、女性支援の取り組みをさらに広げて。

カルティエのウーマン エンパワメントの取り組みは、近年さらに前進している。2006年には社会に変革を起こそうとする女性起業家を支援する「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ」を創設。「Forces for Good(世界をよくする力)」をテーマにパリで開かれた本年の授賞式は、人権活動家・国際弁護士のアマル・クルーニーの力強いメッセージで始まり、9つの「リージョナル アワード」に加え、「サイエンス&テクノロジー パイオニア アワード」と、新たに創設された「ダイバーシティ エクイティ&インクルージョン アワード」の受賞者が発表され、盛況のうちに幕を閉じた。

カルティエはまた、低所得国の脆弱なコミュニティの生活改善に取り組むNPOに資金を提供する「カルティエ フィランソロピー」を12年に設立。特に女性と子どもに焦点を当て、これまでに、40カ国以上58のパートナーと連携し、過酷な環境に置かれた人々が健康や質の高い教育、必要なスキルやリソースにアクセスできるようサポートしている。

日本独自の取り組みとしては、22年に未来の女性チェンジメーカーを育成するために創設した「CWAJ カルティエ奨学金」がある。23年度の奨学生には、オックスフォード大学大学院に進学し、持続可能な食料システム構築に向けた政策の具現化を目指す石川凛を選出した。

2006カルティエ ウーマンズ イニシアチブを創設。

今年5月にパリで開催された授賞式の様子。差し迫ったグローバルな課題を解決するという共通の信念に突き動かされたチェンジメーカーが一堂に会した。

2012カルティエ フィランソロピーを設立。

最貧困地域の人々へ生活必需品や質の高い教育を提供するほか、経済的な安定の実現に向けて適切なスキルを身につける支援を行うNPOに資金を提供。

ともに輝く未来に向けて、ドバイから大阪へ。

21年、ドバイ国際博覧会でウーマンズ パビリオンを出展したカルティエ。「新たな視点」をテーマに、過去から現在にいたるまで、女性が社会の中で果たしてきた功績を称賛するとともに、依然として直面しているさまざまな課題を来場者に提起し、アクションを促した。

そして25年、大阪・関西万博に再びウーマンズ パビリオンが登場。「When women thrive,humanity thrives 〜ともに生き、ともに輝く未来へ〜」をコンセプトに、世界中の⼥性に寄り添い、⼥性たちの体験や視点を通して、公平で持続可能な未来を志すことを呼びかける。

パビリオン2階に設置される「WA」スペースでは、女性のレンズを通して見える課題を、ジェンダーや年齢、国籍を超えて、すべての人がともに考え、継続的に対話する機会を提供する。その対話こそがそれぞれに気付きを与え、未来へのアクションを促す──べての女性、そしてすべての人類が互いに尊敬し合い、それぞれの能力を発揮できる社会に向けて、カルティエの歩みは続いていく。

2021ドバイ万博に ウーマンズ パビリオンを出展。

上:「新たな視点」と題された展示を通して「女性が輝けば、人類・社会全体が輝く」という原則に光を当てた。 下:ローラ・ゴンザレスなど、さまざまなアーティストやクリエイターによってデザインされたウーマンズ パビリオンのファサードは、芸術作品としても強い印象を残した。

2025大阪・関西万博にウーマンズ パビリオンが登場。

永山祐子が手がけるファサードイメージ。ドバイ万博日本館の素材を再利用し、中庭もある京都の長屋のような構造で日本らしさも。グローバル アーティスティック リードには舞台美術家のエズ・デヴリンを起用する。

*「フィガロジャポン」2024年1月号より抜粋

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