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【北欧の器を学ぶ】食器棚に飾って美しく、食卓に並べて華やぐテーブルウェア3選

  • 2023.11.22
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食器棚に飾って美しく、食卓に並べて華やぐテーブルウェア。戦後の北欧からは、絵付けに優れたものから、安価で実用性に徹したものまで、現在のヴィンテージの市場でも高い人気を誇る数多くの食器が誕生しました。お気に入りのカップにコーヒーを注いで飲むだけで、それらが生まれた背景が浮かび上がってくるようです。中でも欠かせない3名のデザイナーと食器をピックアップ。

デザイナー #01 スティグ・リンドベリ

1825年に設立された名窯、グスタフスベリの長い歴史におけるキーマンの一人。1937年の入社後、ヴィルヘルム・コーゲに師事。49年、コーゲの後を継ぎ、アートディレクターに就任します。

コーヒーカップ&ソーサー¥19,250、キャニスター¥13,200/ともにグスタフスベリ(KOTTE&Co.)、その他/スタイリスト私物

葉脈が描かれた葉っぱがモチーフの「ベルサ」(1960年)、ドット柄の「アダム」、ブラウンとブラックのラインの「リブ」など、フォルムだけでなく、絵付けも手がけています。彼の絵付けのセンスは、広告やポスターのグラフィック、テキスタイルのデザインなど、多方面において発揮されました。さらに、リサ・ラーソンの才能を見出すなど、人を見る目にも長けていたようです。

デザイナー #02 カイ・フランク

フランクがデザイナーとして活躍し始めた戦後のフィンランドは、 第二次世界大戦の敗戦の影響から生活物資が不足していました。食卓においても、華やかなディナーセットから質素な食器へ、という時代でした。そこで、ベーシックなフォルムで実用的、手頃な価格の食器の開発を行い、1953年に発売されたのが「キルタ(現ティーマ)」です。

ティーマ マグ [0.3L] [パールグレー、パウダー]各¥2,750、プレート パールグレー[φ21cm]¥2,750、ボウル パウダー[φ15cm]¥3,080、[φ21cm]¥2,750/すべてイッタラ(イッタラ表参道ストア)、その他/スタイリスト私物

さまざまなシェイプ、サイズ、カラーのプレート、ボウル、カップなど、豊富なラインナップを誇り、ティーマさえあれば食卓は成立します。

デザイナー #03 ビルガー・カイピアイネン

カイピアイネンは、デザイナーというよりもアーティストと呼んだほうが正しいでしょう。1937年から88年までアラビアアートデパートメントに在籍し、鳥や花などをモチーフにロマンチックな作品を制作し続けました。60年のミラノ・トリエンナーレでは、ビーズの鳥の作品でグランプリを受賞しています。そうしたなか、手軽に買える作品が、“楽園”を意味する「パラティッシ」。

パラティッシプレート[φ16.5cm]¥3,850、ピッチャー¥8,580、蓋つきジャー¥18,700/すべてアラビア(イッタラ表参道ストア)、その他/スタイリスト私物

シンプルなフォルムに、パンジーやカシス、ぶどう、りんごなどのみずみずしい花やフルーツが描かれたテーブルウェアは、69年の発売から、食卓を彩り続けています。

photograph:Shinnosuke Yoshimori styling:Yui Otani illustration:Atsumi Iwama text:Kentaro Hagihara web edit:Riho Abe
リンネル2023年12月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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