親の何気ない言葉や行動が、子供の将来の金銭感覚を狂わせることがあります。「まだ小さいから分からないだろう」という決めつけは危険です。子供の金銭感覚に悪影響を与えかねない親の行動を知り、子供が正しくお金を管理できるよう導きましょう。
■1 「秘密だよ」とお菓子やおもちゃを買ってあげる
「秘密だよ」と言ってお菓子やおもちゃを買ってあげる行為は、子供に「秘密でお金を使ってもいいんだ」「嘘をついてもいいんだ」と思わせてしまうおそれがあります。
子供が小さいうちは、お菓子やおもちゃを買ってあげると喜ぶ上に、秘密を共有する楽しさもあり、ついやってしまいがちです。しかし、家族間でお金を使うことを秘密にする姿は、子供の金銭感覚に影響を与える可能性があります。
子供が成長してから、お小遣いの使い道を親に聞かれてもごまかしたり、将来結婚してから配偶者に相談なくお金を使ったりと、トラブルのもとになりかねません。
お菓子やおもちゃは金額の上限を決めるなどして、必要な分は堂々と買ってあげましょう。
■2 「お金がないから」と言って買ってあげない
子供がお菓子やおもちゃを欲しがったとき、断り文句のつもりで「うちはお金がないから無理」と言うと、子供は真に受けて「うちは貧乏なんだ」と引け目を感じてしまうかもしれません。
そのせいで、将来過度な節約家になって人付き合いでつまずいたり、逆に就職して自由になるお金を得てから、反動で散財したりするおそれもあります。
あらかじめ「お菓子は●個まで」とルールを決めておいたり、「お金を貯めてクリスマスに買ってあげるね」と約束したりして、子供が納得できるように伝えましょう。
■3 子供がほしいと言ったときにお小遣いをあげる
子供がほしいと言ったときにお小遣いをあげると、自分でお金を管理する力が育たないおそれがあります。
「決まった額のお小遣いをあげるのはまだ早い」「子供のお金の使い道を知っておきたい」といった理由で、「お金が必要なときは言って」と子供に伝える親がいます。すると、子供は「頼めばお金をもらえる」と思い込んでしまうかもしれません。
お金を管理する力が身につかないと、将来お金が足りなくなったとき親にお金をせびったり、安易にカードローンに頼ってしまったりするかもしれません。
子供が自分でお金を使うようになったら、なるべく定額のお小遣いをあげて管理させましょう。子供を信じて任せることで、お金をやりくりする力が養われます。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部