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「推し」の話ばかりしてくる友人にモヤモヤする...。どうしたらいい?【お悩み#50】

  • 2023.11.21
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は〜い皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。

北海道では、雪まで降ってきている今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしかしら。
風邪とかひいてない?大丈夫?

あたしはというと、なんだか年末に向けて怒涛の日々が続いていて……
これって、世に言う嬉しい悲鳴ってやつなのかしら。

体調管理だけは慎重に行いながら、ここしばらくの日々をぬるぬるっと送っております(飲むヨーグルトが手放せないのよぉ)。

ライター・満島てる子

そうそう、嬉しい悲鳴で思い出した。
なんとこちらのお悩み相談コラム、今回で記念すべき50回目いえ〜い!とっても嬉しいわん

皆さんからのお手紙ありきで成り立っているこのコーナー。
ある意味読者の方に”推して”いただくことで、ここまで続けてこれたような気がするのよね。
ひたすら感謝〜感謝〜(五体投地)。

……と、なんだか個人的に浮かれ気分なあたしだったのですが、応募フォームに来ていたお手紙を見ていたら「ううむ、そうよなぁ。なんだか身につまされる話ね」と、思わず考え込んでしまうような内容のものが1通。
ご紹介したいと思います。

読者のお悩み:「推し」の話ばかりしてくる友人にモヤモヤ……。どうしたらいい?

Sitakke
Sitakke

冒頭であたし自身も気軽に使ってしまったけれど、最近「推し」って単語を目にする機会が増えたというか、それこそ口にすることも自然な風潮になってきたわよね。

この単語、確か本格的に広まり始めたのって、あたしが大学生の時ぐらいだったかしら……
(モー娘。やAKB48といったアイドルのファンたちが、当時ネットスラング的なノリでよく使ってた記憶)。

この十数年で世の中いろいろ変わったのねぇ、なんて思いつつ。
確かに「推しのおしつけ」は時にしんどいだろうなぁと、こちらの投稿を読みながら考えていました。
ふぐさん、この相談ルームの応募フォームを見つけてくれて、どうもありがとうございます!
今回のお悩み、あたしとしては、自分の仕事柄、ちょっと複雑な気持ちになる部分もあって……。

お店はもちろん、テレビやコラム、ドラァグクィーンとしての活動にしても、どれもこれもどうしても人気商売。「推し」ていただかないと前に進めないというか、食いっぱぐれる恐れまであるのよね。

だからこそ、自分のことを応援してくれて、その存在をSNSなどで「布教」しようとしてくださる方々には(その中には、かつての言葉で「強火のヲタク」とも呼ばれたかもしれない民も、しばしば目にすることがありますが笑)、頭が下がる気持ちになったりもするんです。

そういう立場からすると、「あのね!推しがね!えっとね!」と目をギラギラ輝かせながら、すごい勢いでおのれの好きをプレゼンしてくださる人と出会ったりすると、自分の話題ではなくとも「うんうん、こういう方のおかげでなんとか生きていられるのよね、こちら側の人間たちって……」と、しみじみ感じたりもするんだけれど。

Sitakke
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とはいえ、あまりにその好きの熱が高すぎて火炎放射どころか、「大文字」状態になっちゃってたりすると、話を聞いている立場としてはたまったもんじゃないわよね。

それに、あたしがいくら美味しいうどんを勧められても、蕎麦派であることを変えられないように(二日酔いの時の塩梅の良さたるやね)、勧められる側にも好き嫌いというか、趣味嗜好があるわけで。

身近な人に「推し勧誘」されて、こころが動き、そちらの世界に自然とのめり込んでいく人もいれば、どれだけPRを受けたところで、食指が全然動かない方もいるはず。

ふぐさんと同じように「ハマってほしいと言われても……」と困ったことのある人、きっと読者の皆さんの中にも一定数いるじゃないかしら

「推し活」「推しごと」なんて派生語彙まで生まれ、推しの存在は「正義」「健康にいい!」と無条件に尊ばれることもある昨今。身近な人が「〇〇、共に推そうよ!」と誘ってきたときって、そんな世の中のノリも相まって、はっきり「いやあたしはいいかな」と抗いづらいもの。

ましてや、ふぐさんも懸念しているように、拒絶しちゃうとその人との関係性にヒビが入っちゃいそうだから、仲良い相手であればあるほど、なおさら布教をさえぎるのが難しくなってきて……やんなっちゃうわよね〜。

推す側、推される側、推しをすすめられる側。
それぞれの気持ちや事情もなんとなく、推しはかれるがゆえに、パソコンの前で「こりゃ一刀両断とはいきそうにないお悩みだなぁ」と、毎度のことながらあたしも考え込んだりしていたのでした。

あたしなりのAnswer

さて、推し文化の隆盛ここに極まれり、といった時代を今まさに生きているのかもしれないあたし達。
下手なこと書くと「推しガチ勢」から石投げられるかもしれないわ……どうしよう……なんて震え上がりつつも(冗談よッ!笑)、ここからは、ふぐさんにひとつの示唆を与えられるように、言葉を綴っていこうと思います。

では、ふぐさん。
まずね、あたしがあなたにこれからお伝えしようとしていることって、人によっては「ちょっと性格悪くない?!」って思うことかもしれないの。だから、がっつり実践!王道の解決法!っていうよりは、一種の飛び道具的な意見として聞いてもらえればうれしいんだけど……。

あのね。多分なのですが、あなたが悩んでいるか否かに関係なく、今後もその友達は自身の推しをひたすら推し続け、ふぐさんに布教し続けてくるだろうなぁって、話を聞いてる身としては思うのよ。

猛火タイプのオタクって、自分で自分の火をフッと消すタイミングが来ない限り、誰がなんと言おうと「みんな!ハマって!」という願いの火の粉を、四方八方にばら撒き続けるもの。
その行動原理は、こちらの働きかけでは、そうすんなりと変えられない気がするんです。

Sitakke
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だからこれからも、ふぐさんはその相手と仲良くする限り「あんたの推しなんて興味ないし、つまんない」という正直な気持ちと、「この子との関係はやっぱり悪くしたくない」という素直な願いのはざまを、ゆらゆらさまよい続けることになるはず(冷静と情熱の間って感じね(???))。

そして、毎度会話を交わすたびに「またこの話かぁ……」って気持ちにさせられるという経験を、今後も積み重ねていくことになるんじゃないかなぁと、あたしは個人的に思うのね。

だとすれば、です。
これからはその子の「推しトーク」、それをもう正面から真面目に受け止めるのはやめちゃって、いっそ「あははっ!あたしの友達ってやっぱり様子おっかしいや!」ぐらいの勢いで、その相手の偏執狂っぷりを存分におかしみ、一種のエンタメとして消化してみてはどうかしら?

向こうに何か物申したりしなくていいから、ちょっと話聞く姿勢を自分のこころの中で、シュッとそんな方向にスライドさせてみていただきたいのよ。

これ、推しトークに限らずどんな場面でも、このこころ構えひとつで、人の話を聞くのが途端に楽しくなるから、結構オススメ。

「へーーーっ!昨日の地上波、〇〇君のカメラ目線が可愛かったのねそうなのねーーー。ちょっと写真とかある見せて?……やーーーほんとに可愛い!目血走ってる!←」ってな感じで(このパターンは相手に刺されかねないわね……)、真面目に聞いてるようでフワッとしか聞かずに、自分にとってのツボを相手の話からつまみ食いする。

これで、その話題自体には興味が無かったとしても、おのれの関心を軸に、ファニーやインタレスティングといった感情を自分に対して生み出すことができるようになるってわけ。
相手の話を無視しているわけでもないから、その点でもグッド。話も聞きつつ身をさっと交わす、そんな戦略をふぐさんも取ってみたらどうかなって思うの。

「そろそろどう?ハマってきた?」とか直球の確認されたら「うん!割と!」とか「あんたのおかげで勉強中だわ!」とか、しれっと流しちゃって大丈夫

その上で相手の様子のおかしさを、友達だからこそしっかり好き勝手ついばんであげてください。それがきっと、ふたりの仲を続けていくこと、なんなら深めていくことにもつながっていくはずだから。

「推しのおしつけはよくない!」という注意喚起めいたものはSNSにも流れてくるけれど、山火事の最中に「山火事は危険!」と言ってみたところで、炎は収まらないもの。ならいっそその火を使ったバーベキューで食べたいもの食べちゃお!っていうのは、身も蓋もないかもしれないけども、あたしとしては割と本気。

ふぐさんはもちろん、周囲からの推しあいへしあいに悩む人たちが、少しでも気軽にいわゆる「布教」を聞き流せるようになってくれれば……!と、アドバイザーとしても、ひとりの現代社会を生きる同じ人間としても、そう願っているのでした。

Sitakke
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ま・と・め♡

というわけで、今回は「推し」という文化について、その功罪についても思いを馳せながら考えてみました!

何かに熱狂できるって貴重な経験だと思うし、周りの人たちへのいい刺激になることもあるような気がするんだけれど、にしてもバランスっていうのはいかんせん大事になるわよね〜。

「推し」のいる生活を送っている皆々様におかれましては、社会生活や人間関係、様々な観点から、上手に調和をとりつつ、楽しく「推しごと」を続けていっていただければと思います(突然仰々しい)。

あ!これは、もしできたらでいいんだけど……。
これからもこちらの「てる子のお悩み相談ルーム」」、推しとまでとはいかずとも「応援してるね!」的なスタンスで見守っていただき、余力あるときにはSNSなんかで拡散してもらっちゃったりなんかすると、書き手のあたしとしてもとっても嬉しいです!

お悩み相談投稿も、ぜひ応募フォームまで。妬み嫉み僻み、悲しみ苦しみ、単なるファンレターも大歓迎よん!

よろしくねーーーーーっ(突然押し付けがましい)!

……50回を迎えられたなんて、なんだか信じられないわぁ。
今後とも、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
ではでは、Sitakkeね〜!

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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

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