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年収400万ならどのくらい貯金できる?年間60万円を貯める理想の貯蓄術をFPが解説

  • 2023.11.21
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今回は、旭川在住のファイナンシャルプランナーの筆者が、年収400万円の方の手取り額や貯金方法についてお伝えします。

一般的な暮らし

Sitakke

“年収400万円”は、全国民に対してどのような位置にあるのでしょうか。

国税庁が発表している『令和3年分 民間給与実態統計調査』によると、男性では年間給与額400万円超500万円以下、女性では100万円超200万円以下が最も多いとされています。

年収400万円以上稼ぐ人は全体の約46%。男女の収入差があるのは、女性の出産が関係しているのではないかと推測します。

これは筆者の肌感覚ですが、出産後に配偶者の扶養に入り育児をされる方や、キャリアから一時離脱される方が多いと感じます。筆者もキャリアを離脱した経験者です。

また、厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、北海道の会社員の月収(所定内給与)は26万7,700円で、推定年収(きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出)は416万6,000円。
これらのデータをもとに、年収400万円の方の手取り額や貯金方法について解説します。

手取り年収

筆者は、家計相談のときによく「手取りはいくらですか?」とお聞きします。
毎月の給与から社会保険料や税金などを差し引き、金融機関の口座へ振り込まれる金額が“手取り”となります。
実際に使えるお金ということです。

年収400万円の手取りは、社会保険に加入し、20歳以上40歳未満の独身女性の場合、厚生年金が約37万円、健康保険が約20万円、雇用保険が約2万円、所得税が約8万円、住民税が約18万円となるので、年間で314万円となります。

ボーナスも含めた金額となりますが、家計相談のときは支出が毎月変わるため、収入も月に割り戻して計算しています。314万円を12ヵ月で割ると、月に使える手取りは26万円ということになります。

生活費の内訳

米国のファイナンスのテキストに、“70-20-10の法則”というのがあるそうです。
手取りの70%は生活費、20%は貯蓄、10%は投資にまわすことで、一生お金に困らないといわれているのだとか。この法則をもとに、先ほどの月26万円を割り振ると、生活費が18万2,000円、貯蓄が5万2,000円、投資が2万6,000円となります。

ただし、年齢や家族構成によって割合は変わると思いますので、ご自身に適した法則を見つけてください。
独身の方は、この法則に基づいて家計を数値化してみましょう。

理想の貯金額・節約ポイント

月々の理想の貯金額は、貯蓄をする目的、たとえば、老後の生活費や子どもの教育費、結婚式の費用など、目標額やその達成期間を考慮して決定する必要があります。

老後に2,000万円を貯蓄しておくことを想定した場合、現在が30歳、退職が65歳と仮定すると、35年間で2,000万円を貯めることになり、月々約5万円の貯蓄が必要だとわかります。この額は手取り月収の20%に相当します。

貯蓄を達成するためには、先取り貯蓄期間に合わせた金融商品を選ぶことがポイントだと思います。
先取り貯蓄は、収入から先に毎月貯蓄する額を決め、残ったお金を生活費に充てます。ストイックな性格の方以外は、長い期間続けることは難しいと思うので、給与天引きや定期貯金などを利用してみましょう。

また、目標達成までの期間を短期(3~5年)、中期(5~10年)、長期(10年以上)にわけ、その期間に応じた金融商品を選択することをおすすめします。期間が短い場合は元本保証の金融商品を、期間が長い場合はお金を増やすことを目標に投資・運用をしましょう。

節約のポイントとしては、月々必ず発生する固定費を削減することにあります。不要なサブスクリプションの解除や、より家賃の安い賃貸住宅への引っ越し、自動車ローンや携帯料金の見直し、自身のライフスタイルにあった保険の見直しなどを行って、貯蓄へまわすお金を増やすとよいでしょう。

まとめ

Sitakke

よく「いくらぐらい貯蓄したらよいですか?」と質問されます。同じ年収でも、独身なのか、ご家族がいるのかなど、家族構成や年齢によりさまざまです。

まずは、ご自身の手取り額に“70-20-10の法則”を当てはめて目安としてください。家族構成や年齢によっては、“80-10-10”であったり“60-20-30”であったりと、ご自身なりの法則を見つけてほしいと思います。法則に当てはめると、400万円の年収の方の理想の貯蓄額は約5万円。年間で60万円となります。

もうひとつ大切なのは、なんのために貯蓄をするかということです。今の生活を切りつめることばかりに目が行くとストレスになりますが、将来に向けて目標を立て、貯蓄や運用をし、資産が増えるという成功体験を増やすことで、モチベーションが保てると思います。

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文:FP鶴羽(ファイナンシャルプランナー)
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【ライター:FP鶴羽 PROFILE】
旭川在住の元陸上自衛官。
バブルの頃に野山を駆け回っていた見た目とギャップありのワイルドだろう系アラフィフ。
お金に疎すぎて色々と失敗を重ねたことをバネに現在は家計の専門家ファイナンシャルプランナーとしてセミナーやラジオでお金の情報発信中。

【参考】
令和3年分 民間給与実態統計調査/国税庁
令和4年賃金構造基本統計調査/厚生労働省
一生お金に困らない「70-20-10」の法則 | マネーの達人/株式会社イード

【画像】tabiphoto、kouta、tomcat / PIXTA(ピクスタ)

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