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「男は稼いでなんぼ」「力仕事は男性が」…働く男性54.6%が“困難”経験 決めつけや役割分担の是正を

  • 2023.11.20

11月19日は「国際男性デー」

働く男性の過半数が経験した、職場での“困難”とは?
働く男性の過半数が経験した、職場での“困難”とは?

毎年11月19日は「国際男性デー」。男性や男の子の健康に目を向け、ジェンダー平等を促す日として1999年に始まったとされています。「女性の生きづらさ」や女性の対する「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」などが社会問題として注目を浴びる一方、男性たちも同じように“男性ゆえの生きづらさ”を感じています。「国際男性デー」を機に、男性たちの困難に目を向けて見ませんか?

求人検索エンジン「Indeed(インディード)」を運営するIndeed Japanが2023年11月16日(木)に発表した「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」の結果。それによると、働く男性のうち過半数の54.6%が、男性特有の困難を経験したことがあり、さらにその経験によって79.7%が仕事やキャリア、働き方に影響を受けたと回答しています。

「肉体的にハードな仕事をさせられやすい」

同調査は2023年10月20日(金)~23日(月)、全国の正規雇用で働く20~59歳の男性2500人を対象にインターネット上で実施されました。現在就業中の会社員のほか会社経営者、公務員、団体職員を含み、総務省の労働力調査結果における「正規の職員・従業員」の年代別の人口構成比に合わせて割り付けしています。

それによると、直近3年間で働いた全ての職場について「職場における男性特有の困難」を経験したかどうかを尋ねたところ、全体の54.6%が「経験したことがある」と回答。加えて、自身が経験した困難について全体の39.7%(経験者の72.7%)が「悩んでいる」と答えています。

経験した困難の内容を尋ねる問い(複数回答)では、

「肉体的にハードな仕事をさせられやすい」40.9%「残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい」39.7%「家庭より、仕事を優先すべきだという空気感を感じる」37.1%

といった項目が上位に並びました。また、「大黒柱として家計を支えなければならないというプレッシャーを感じる」(36.9%)といった声もありました。

こんなの経験によって自身の仕事やキャリア、働き方に影響を受けた人は79.9%。具体的には、

「プライベート(家庭・家族は含まず)を犠牲にしている/したことがある」47.1%「体もしくは心の調子を崩している/崩したことがある」39.0%「家庭参加(家事、育児、介護など)を犠牲にしている/したことがある」34.7%

といった影響を余儀なくされていることが明らかになりました。

「男なら細かいことは気にするな」などの言葉も

“男性なら○○すべき”というアンコンシャス・バイアスに基づく言葉を掛けられた経験も
“男性なら○○すべき”というアンコンシャス・バイアスに基づく言葉を掛けられた経験も

男性であるがゆえの困難や差別、障壁を感じた言葉・発言を問う自由回答形式の問いでは、

「男なら力があるはず」(48歳)「男なら細かいことは気にするな」(46歳)「男性なのに育休を取るのか」(36歳)「男は稼いでなんぼ」(40歳)「男性ならもっとキャリアアップを目指せる会社に行かないといけない」(27歳)

など、“男性なら○○すべき”というアンコンシャス・バイアスに基づく言葉を掛けられた経験が数多く寄せられました。

自分以外の男性が困難を経験している様を見聞きしたことがある人は46.8%と半数近く。その困難について「変わってほしい/変えるべきだと思う」と回答した男性は90.7%に上りました。

一方で、それらの困難が「会社や職場で問題として認識されていないと思う」との回答は80.9%と極めて高い割合になっています。具体的には、「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」が47.1%と最も高く、次いで「男性は長時間労働をした方が評価されやすいので、せざるを得ない」(45.6%)、「男性であるがゆえ転勤や異動(配置換え)の打診を受けやすい」(44.6%)などが続きました。

困難を解消するために職場に求めることは「長時間労働の是正」(33.4%)や「ワークライフバランスの推進」(32.0%)、また「性別による決めつけや役割分担の押し付けを解消する取り組み」(29.3%)などが挙げられています。

調査を行ったIndeed Japanは、

「企業が長時間労働の見直しや柔軟な働き方を取り入れること、また性別による決めつけや役割分担をなくし、男女ともに公平に活躍できる職場づくりに取り組むことが求められていると言えます」

とコメントしています。

※ ※ ※

今日の日本社会では、ともすれば「女性の生きづらさ」以上に見過ごされてしまっている「男性の生きづらさ」。その問題について考える機会を、国際男性デーを機に設けてみるのはいかがでしょうか。

(LASISA編集部)

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