1. トップ
  2. おでかけ
  3. 東京・西荻窪「西荻ヒュッテ」山小屋バルでホットサンドちょい食べの巻【街でキャンプ飯食べ歩記・4食目】

東京・西荻窪「西荻ヒュッテ」山小屋バルでホットサンドちょい食べの巻【街でキャンプ飯食べ歩記・4食目】

  • 2023.11.17
  • 1997 views

山&キャンプ好きが営む!東京・西荻窪「西荻ヒュッテ」

好きなキャンプ料理は“誰かがつくってくれる料理”。そんな自称・hinata編集部イチのグルメ派ライター(30代・女子・東京都在住・好きな食べ物はモチと月餅)がキャンプ飯を求めてさまよい歩くのが、当連載「街でキャンプ飯食べ歩記」です。

前回は湘南のフードトラックで海とキャンプを感じてきましたが、今回は都会で山を感じられる山小屋バル「西荻ヒュッテ」です。

吉祥寺からもほど近い“西荻(ニシオギ)”の街といえば、おしゃれな雑貨屋から年季が入った居酒屋までひとところにぎゅっとまとまっている個性的な場所。

今回訪れた「西荻ヒュッテ」は、JR中央線「西荻窪駅・南口」を出て徒歩すぐ、飲み屋街の一角にひっそりと佇む隠れ家的なお店です。

とてもシンプルな外観なので、アウトドアとの紐付きに気が付きにくいかもしれませんが、「山小屋バル」の看板に吸い寄せられるように入店!

手前が店長の幕田さん。奥がオーナーの長内さん

入ると、6〜8人分のカウンター越しに、店長の幕田美里さんとオーナーの長内研二さんがお仕事中。どうやら1階は立ち飲みスタイルのようです。

入ってすぐの壁には、名峰・八ヶ岳がお出迎え。西荻ヒュッテのオーナーであり、グラフィックデザイナーの長内さんのデザインです

聞くところによると、お二人は登山&キャンプ好き。お店を始めたきっかけも、都心にいながら山小屋の居心地の良さを感じられる場所をつくりたかったからだそう。

スキットルによるボトルキープも同店ならでは

でもなんでまた西荻の街に山小屋バル?と聞くと、個性的で多様なものが混在する西荻に、山系・アウトドア系のお店があってもおもしろいのではないかという考えがあったと教えてくれました。

気になるメニューは、アウトドアで使う調理器具を用いるものがメイン。中でもホットサンドは、300種類以上のレシピを用意しているとか!

出版社から書籍化の話が舞い込むほど、ホットサンド業界では注目のお店なんです。

調理場には、使い込まれたホットサンドメーカーがずらり

レシピは主に店長の幕田さんが考案していますが、オーナーの長内さんがアイデア出しをすることもあるようで、二人三脚で新メニューを出し続けています。

そんな二人のおすすめキャンプ場のひとつが、千葉県の「オレンジ村オートキャンプ場」。ミカンやレモン狩りができたり、近くで新鮮な海産物を入手できたりするのがお気に入り。

「そういえば、キャンプ場近くの道の駅で海鮮を買い込んでダッチオーブンで煮込んで一晩寝かせてたら翌朝になってネコに襲撃されたよね」「そうそう、フタが重くて開けられなかったみたいだけど、オーブンに猫の足跡がびっしり付いていた(笑)」

なんて笑い話も飛び交います。たわいもない雑談を楽しみに来るキャンパーやハイカーも多いそう。まさに山小屋に集い、語り合うような雰囲気がすてきです。

2階はテーブル席(4人×2テーブル)

それでは、お待ちかねのキャンプ飯にありつくことにしましょう。
【西荻ヒュッテはこんなお店です】
JR西荻窪駅 南口から徒歩すぐ!
山小屋のようなあったかい雰囲気が魅力
メニューはアウトドアで使う調理器具を使ったものがメイン
特にホットサンドはレシピ本も出版されるほど人気
1階は6~8人のカウンター席、2階は4人がけのテーブル席が2卓

【1品目】牛肉ときのこのトマトすき焼き風、チーズのホットサンド

牛肉ときのこのトマトすき焼き風、チーズのホットサンド 税込630円

まず、注文したのは「牛肉ときのこのトマトすき焼き風、チーズ」のホットサンド。

パンが中央で2つに分かれるダブルタイプのホットサンドメーカーで焼かれていて食べやすそう!せっかくお箸を並べてくれたのですが、キャンプ場で食べるときのように、手づかみでいっちゃいます。

一口頬張ると、中からすき焼きの肉汁がジュワ〜。トマトの酸味でくどくなりすぎず、パンに合います。しかも外はカリッカリで香ばしい!スナック感覚で何個でもいけるよこれ。

慣れた手つきでホットサンドをつくってくれる幕田さん

昨日の残り物を挟んで焼くだけでも、まったく違った料理になるうえに、ちゃんとおいしいのがホットサンドの面白いところですと幕田さん。

そう!そうなんです、ホットサンド用にイチから具材をこしらえるのもアリなんですが、残り物をリメイクして、一体どんなモノに仕上がるのかなって待っているときのワクワク感って楽しい。調理器具も食材も限られたキャンプ場でやるとなおさらですよね。

本音レビュー
「小腹が減った時にサクッと食べたい一品。ただし、人によっては全部食べるとこれだけでお腹いっぱいになってしまいそうなので、数人でシェアして立ち飲みをするのがいいかも」

【2品目】あんことマスカルポーネのホットサンド ハーフ

あんことマスカルポーネのホットサンド ハーフ 税込400円

食事系ホットサンドは、食材の仕入れ状況によってメニューが変わるようですが、デザート系メニューの「あんことマスカルポーネのホットサンド ハーフ」はレギュラー的な存在として長らくメニューボードに君臨中。

これを目的に訪れるお客さんもいる、と聞けば注文するしかないです。食パン一枚タイプのホットサンドメーカーにあんことマスカルポーネをこれでもか!と詰めて焼かれたのがこちら。

...うまいわ。甘党ではない筆者でもハマるちょうどよい甘さです。あんこだけだと単調な味になりがちなところに、トロリとしたマスカルポーネが絡んでクリーミーさをプラス。それでいてあんこの甘さをほどよく緩和。8枚切りのパンを使っているとのことで、厚みもちょうど良いです。

キャンプでも自宅でもマネしたくなっちゃいました。あんことマスカルポーネさえあれば再現できるか!?
本音レビュー
「老若男女、みんなが好きな味といってもよいのでは?たい焼きの生地よりも、中の具材がパンに染みていて、食べやすい感じ。キャンプ場でサッとつくってデザートに出したら株が上がりそう。ウイスキーやラムなどの洋酒にも合いそうな味です」

【3品目】山わさびご飯“辛”

山わさびご飯"辛" 税込450円

ホットサンドというザ・王道のキャンプ飯を堪能したからには、ちょっと変化球的なメニューも楽しみたいところ。というわけで、3品目には呑んべえキャンパーに人気だという「山わさびご飯“辛”」を注文。

ホカホカのご飯の上に、すりおろしたばかりのホースラデッシュ(日本名では山わさび、西洋わさびとも呼ばれています)をふんだんにのせ、かつお節をちらした一品です。

カウンターにサーブされた瞬間、山わさびのすがすがしい香りがふわ~っと漂ってきてびっくり。わさびってこんなにいい香りだったのか。「白くてわさびっぽくないからって油断してたくさん頬張ってむせる人も多いから、ちょっとずつ食べるのがおすすめ」と幕田さんに言われるがまま、一口。

すごい、口の中がツーンと爽やか。どこかしら土のいい香りもする気がします。自然の風味をもりもり感じられるところが、キャンパーにウケているのかもしれません。緑の本わさびよりも、わさびっぽさが控えめだからか、ご飯の上にたくさんのっていても平気で食べられます。

二口目は、だし醬油を回しかけてよく混ぜてから。これは〆の鉄板に間違いなしのやさしいお味。

ちなみに幕田さんのレシピでは、北海道の山わさびを使っています。めずらしい食材ではあるものの、意識して探せば意外と売っているスーパーもあるとのこと。山わさびは保存もきくし、すりおろすだけの簡単調理だから、キャンプで重宝するメニューになりそうです。
本音レビュー
「飲み屋街の一角にある立地上、2軒目、3軒目とハシゴ酒をしたのちに立ち寄るお客さんも多いそうで、そんな人々にウケがいいのも頷ける! あまり聞いたことのないメニューだから、いろいろな人につくってあげたくなります。食べるなら断然〆でしょう」

おいしくって、見た目もいいホットサンドをつくるには?

数あるホットサンドメーカーの中でも、バウルー社のサンドイッチトースターが一番しっくりきた、という幕田さん。店内のキッチンには、使い込まれたバウルーのシングルタイプ、ダブルタイプがつり下げられています。


両タイプの使い分けとしては、食べやすさを重視するならパンの中央で2つに分離されるダブルタイプを、具をたくさん挟みたいならシングルタイプを選ぶとよいとのこと。どちらのタイプで焼いてもおいしさは変わらないと言います。

また、上手く焼くコツは、「しっかり取っ手を持って生地をプレスしながら、弱火でじっくり焼く」こと。

パンの厚さは、8枚切りを推奨。具材の量とのバランス、食べたときの腹持ちを考えるとベストチョイスだそう。

しっかりプレスして焼いても、パン同士が離れてしまった...なんてことはあるあるですが、マヨネーズを接着剤代わりにパンのふちに塗れば、焼き上がったときの見た目もきれいです。

パンに具材をのせるときは、なるべく中央に寄せてホットサンドメーカーからはみ出ないように!ダブルで焼く場合は、縦に分割されることを意識してのせます。

しっかり手で押さえて、焼きに入ります。ホットサンドメーカーの内側にバターを塗っておくと、パンの表面がカリッカリに焼けるので、このひと手間を忘れずに。

「挟んで焼くだけのシンプルな調理なんですが、それゆえに食材の数だけレシピができ上がるのがホットサンドの魅力です。つくり続けるうちにどんどんハマって今に至ります(笑)」

そう話す幕田さんの手持ちのレシピは300種類越え。工夫次第で、自分だけのオリジナルレシピが簡単につくれちゃうのは、料理人でなくても楽しいもの。料理ベタな筆者ですが、ワクワクに任せ、いろんな食材を挟んで焼きたい欲が湧いてきたのでした。

「西荻ヒュッテ」はアウトドア好きな人々が集う西荻の山小屋でした

ふらっと立ち寄った「西荻ヒュッテ」で、ホットサンドの魅力を再発見。登山&キャンプ好きのオーナーと店長との楽しいアウトドアトークに癒され、お腹も心も大満足でした!

私の行きつけはココ。そんなふうにキャンプ仲間に言ってみたいお店です。

【基本情報】
住所:東京都杉並区西荻南3-11-7
電話:090-9373-9511(2階席の予約は電話で)
営業時間:[平日]16:00~23:00(フードL.O.21:30)/[金・祝前日]16:00~24:00(フードL.O.22:30)/[土]15:00~24:00(フードL.O.22:30)
臨時休業:水・木曜日

元記事で読む
の記事をもっとみる