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相反する性質の間で揺らぐ絵画

  • 2023.11.17

Rosalind Nashashibi

相反する性質の間で揺らぐ絵画

Rosalind Nashashibi
Top Photo:Rosalind Nashashibi “Punch in Love 1”, 2023 Oil, dispersion and charcoal on canvas 100 x 80 cm© Rosalind Nashashibi Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery Photo: Rob Harris

ロンドンを拠点に活動するRosalind Nashashibiによる個展「Infinity Pool」が、タカ・イシイギャラリーで11月25日(土)まで開催中。1973年イギリスに生まれたRosalind Nashashibiは、1995年に同国のシェフィールド・ハラム大学で絵画の学士号を取得。その後グラスゴー美術学校で芸術修士号を取得、在学しながらカリフォルニア芸術大学でも学ぶなど、制作活動を続けてきた。さらに2017年には、カリフォルニアでの個展「On This Island」や映像作品「Electrical Gaza」でのdocumenta 14への参加といった活躍が認められ、ターナー賞最終候補者に選ばれた。現在は映像や絵画の他に版画、写真まで、多彩な作品を制作している。

Rosalind Nashashibi“Punch in Love 1”, 2023Oil, dispersion and charcoal on canvas 100 x 80 cm© Rosalind Nashashibi Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery Photo: Rob Harris

今回展示されるのは、自らを新たな領域に導いてくれるテーマを選び、鑑賞者が受容できる限界の一線を極限まで追い求めるという、彼女の日頃の姿勢から生まれた作品。

男性のような仮面をつけ、女性に見える身体を持つ道化師 Punchinella、プールとベッドなど、モチーフには個体と液体の間を行き来するような揺らぎの状態が反映された。

そして流れるような早描きとしっかりとした塗りつぶし、判読可能なものとそうでないもの、具体と抽象など、対照的な性質を並置することによって緊張状態が生まれている。

Rosalind Nashashibi “Year of Purple”, 2023 Dispersion on linen 130 x 150 cm© Rosalind Nashashibi Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery Photo: Rob Harris

表面性と深遠性が同時に存在するこれらの新作絵画は、あらゆるモチーフを自由に探究するNashashibiにとっての、絵画の最大の関心事を物語っていると言える。


鮮やかな水面から浮かび上がる有限性と無限性の狭間。
境界を行き交いながら、新たな領域へと導かれて。



TAKA ISHII GALLERY
03-6434-7010



【Rosalind Nashashibi “Infinity Pool”】
DATE:11月25日(土)まで開催中
※日曜、月曜、祝日定休
TIME:12:00pm~7:00pm
PLACE:タカ・イシイギャラリー
ADDRESS:東京都港区六本木6-5-24 complex665 3階
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.takaishiigallery.com/jp/archives/30766/

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