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働くと年金がもらえない?!まだまだ「現役」が損するかもしれない年金制度の落とし穴

  • 2023.11.16
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日本の平均寿命は男女ともに80歳を超えていて、65歳でも「まだまだ現役で働ける」というくらい元気な人は珍しくありません。経済的安心のためにも、働けるうちは働きたいという人も多いのではないでしょうか。

しかし、働き方次第では年金がもらえなくなるので注意が必要です。

■働くと年金が停止になる?

年金には、「在職老齢年金」という制度があります。在職老齢年金とは、会社員として働き続けながら受け取れる厚生年金のことです。

しかしこの制度には落とし穴があります。ボーナスも含めた賃金と年金の合計額が一定基準を超えてしまうと、年金が支給停止または減額されてしまうのです。

総報酬月額相当額と老齢厚生年金の月額の合計が48万円を超えると、48万円を超えている期間は、超えた部分の年金の半額が支給停止されます。なお、この影響を受けるのは厚生年金だけで、国民年金(老齢基礎年金)について減額されることはありません。

■年金を減らさない働き方

実は、働き方次第で年金を減らさないことは可能です。

●年金を減らさない働き方1:厚生年金に加入しないで働く

厚生年金に加入しなければ在職老齢年金制度による年金の減額がありません。厚生年金に加入しないで働くためには、以下の3つの選択肢が考えられます。

・個人事業主として働く ・厚生年金に加入していない事業所(従業員4名以下の個人事務所など)で働く ・厚生年金加入が必要でない条件で勤務する

ただし、この方法を取った場合、自身で国民健康保険に加入しなくてはいけません。配偶者等の扶養家族がいる場合は、その分の保険料も払う必要が出てきます。収入・家族構成次第では保険料が高くなる点に注意が必要です。

●年金を減らさない働き方2:基準額以下となる給与で働く

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円以下であれば、厚生年金に加入していたとしても、年金は満額受け取れます。

■老後働く場合、制度を正しく理解しておこう

人生100年時代、年金だけでは老後の生活が心配で、より豊かな生活を送りたいと考えて、働く人も多いのではないでしょうか。

しかし、働き方によっては年金が減ってしまいますので、まずは在職老齢年金制度を理解しておくことが大切です。体力とも相談しながら、無理のない範囲で働き続けましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)

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