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【日本でも人気急上昇のスポーツ・モルック】 ノーラのフィンランド旅気分 Vol.9

  • 2023.11.16

フィンランドと日本をつなぐコネクターとして活動しているノーラ・シロラさんが、日本でフィンランド気分を体験できるようなスポットやライフスタイルを提案する連載。今回は、最近日本で人気が急上昇!? しているというスポーツ・モルックについて教えてもらいます。

フィンランド旅気分のアイデアを教えてくれたのは…

ノーラ・シロラ(Noora Sirola)さん

サウナの聖地、フィンランドタンペレ市出身。 タンペレ大学大学院卒業後、2019年から駐日フィンランド大使館商務部兼フィンランド政府観光局で勤務。2022年からは北欧旅行フィンツアーが東京表参道で展開する北欧カフェ&ショップ「Hyvää Matkaa!(ヒュバ・マトカ)」のプロジェクトマネージャーを務めながら、フィンランドと日本を繋ぐコネクターとして活動。京丹後市の温浴施設「ぬかとゆげ」のサウナプロデューサーや、日本モルック協会公認「モルックアンバサダー」としても活躍。2020年10月には「世界ふしぎ発見!」にミステリーハンターとして出演。

フィンランドで生まれたアウトドアスポーツ

Moi(モイ)!

フィンランドといえば、マリメッコ、ムーミン、サウナ、サンタクロース、アアルトの建築、オーロラなど。そして最近よく耳にするあるフィンランド語。
「Mölkky (モルック) 」

モルックセット。白樺で作られていて、シンプルでナチュラル。フィンランドっぽいです。

モルックは1996年にフィンランドで生まれたアウトドアスポーツ、ゲーム。最近日本で人気が急速に高まり、全国で大会が開催されるようになり、メディアでもよく取り上げられています。大きな公園に行くとモルックで遊んでいる人を見かけるのも、珍しくありません。

近年、日本全国で多くのモルック大会が開催されるようになりました。

ボウリングに似ているモルック

モルックのことを簡単に説明しますと、フィンランドの白樺で作られている“モルック棒”を3~4メートルの距離から投げて、1番から12番まで書いてある“スキットル”を倒して点数を取ります。感覚的に少しボウリングに似ているかもしれません。

ルールや点数の取り方も簡単で覚えやすいです。

①一本倒すと書いてある番号が得点になる。
②二本以上倒すと、倒した本数が得点になる。
③目指すのは50点ぴったりです。ただし、50点を超えてしまうと半分の25点に戻ってしまいます。

最初はきれいにまとまっていますが、試合が進むとどんどんスキットルがばらけていって、点数がとりにくくなります。

シンプルでどなたでも気軽に始められますが、やってみると意外と奥深い、色んな戦略が立てられるスポーツ。一人対一人でも遊べますが、3~4人のチームで勝負することが多くて、チームワークが欠かせません。本気でモルックをやるとなると、スキルはもちろん大切ですが、ある程度運も関わってくるからこそ面白い。

モルックに特定の場所は必要なく、芝やグラウンドで遊ぶことが多いです。

モルックは夏のコテージライフに欠かせない

日本ではモルックをよく「スポーツ」と呼びますが、フィンランド人にとって、モルックの感覚はだいぶ異なります。

フィンランド人は長い夏休みを取ることで知られていて、多くの人は長い休みに森の中や、湖畔にあるコテージに移動して、自然の中のシンプルなライフスタイルを楽しみます。森を散歩したり、美味しいご飯と空気を楽しんだり、サウナに入って湖に飛び込んだりしてリラクゼーションして過ごします。モルックも、コテージライフの欠かせない一部です。

ほとんどのサマーコテージのどこか倉庫の奥の方で、モルックが見つかるはずです。フィンランド人がよくモルックをやるシーンを考えると、夏の長い一日をゆっくり自然の中で過ごし、夕方にサウナを温めている間、何をしようかな~って思ったらモルックが登場。片手にビール、片手にモルック、友だちとおしゃべりしながらゆるくモルックをやる、対戦よりも遊び、暇つぶし、穏やかな時間の過ごし方といってもよいでしょう。仲間と楽しくフラットに、ゆっくりのんびり、自然の中で。

フィンランドでは、モルックはよく湖畔のコテージで楽しまれています。

だれでも、どこでも、いつでも楽しめる

モルックは体力も特定の場所もいらない、気軽に楽しめるのが特徴的。平らなところとモルックセットさえあれば練習も対戦もできます。しかも、車椅子に座っても、年配の方も子どももどなたでも遊べるし、初めての方でもすぐ楽しめます。少しフィンランドのサウナ文化に似ているのですが、年齢、性別、肩書き、体の状態に関係なくみんながフラットに、自分の好きなように遊べること。これがモルックの魅力です。

公式のモルックはすべてフィンランドで作られていますが、日本でも通販で数千円で手に入れることができます。次に公園や川沿いでピクニックを楽しむとき、モルックを持っていって、少しフィンランド気分を味わってみたらいかがでしょうか。

text:Noora Sirola

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