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【受付美人の誤算】「私って華があるからぁ~♪」 優しい上司の裏の顔と職場の残酷な真実にゾッ!

  • 2023.11.15

いつもニコニコしていて優しい人って素敵ですよね、自分もそうありたいと思う人もいるのでは? しかしそんな優しい人ほど、心の中に何を隠しているかわからないことも。
今回はいつも優しい人の、裏の顔を垣間見てしまった昔の私の話を聞いてください。

画像: ftnews.jp

クリニックの受付で

当時私が勤めていたのは、開業したばかりのクリニックでした。

医療事務で採用されたスタッフは主婦ばかりで、開業当初から一緒に働いている、いわばオープニングメンバー。

皆同世代ということもあってすぐに仲良くなり、いいチームワークで働ける職場でした。

医療事務のスタッフは受付と会計をする係、処方箋を入力する係、その他の事務作業をする係に分けられ、そのスタッフの割り振りはシフトを管理する院長夫人が行っていました。

院長夫人は優しい女性で、スタッフの悩みを聞いてくれたり、急な欠員が出れば自ら受付カウンターに入ってくれたりと、スタッフからの人望も厚い、とても素敵な人でした。

「ねえ、私って受付ばっかり回されるんだけど」
ある日、スタッフのRさんが休憩中にそんな話をしてきました。
「そうなんだ? 私は入力が多いかな」
「ふーん……」
Rさんは私の返事に、ニヤニヤとした笑みを浮かべます。
「実はさ、美人だから受付に回してるってこないだ奥様に言われたんだ」
「へえー、そうなんだ」
「やっぱ受付って華のある人がいいみたい」
「うん、そうかもね」
と肯定してみたものの、Rさんはいたって普通の容姿です。院長夫人が言うほど美人かどうかは私にはわかりませんでした。

それでもRさんが喜んでいるようだし、Rさんに入力を任せると間違いが多いので、受付が適任かな、などと考えて黙っていたのです。

美人アピールする同僚、しかし……

それからというもの、Rさんは他のスタッフにも「私は美人だから受付」というアピールをしていたらしく、他のスタッフたちの間で少し話題になっていました。
「Rさんってそんなに美人かな?」
「わかんない、院長夫人が言うならそうなんじゃない?」
ロッカールームで着替える最中、そう話すこともありました。
「あ、私トイレ行ってから出るね」
「はーい、外で待ってるよ」
同じ時間に上がるスタッフを見送って、私はトイレに。するとトイレから出る直前、向かいの給湯室から笑い声が聞こえました。

どうやら院長夫人と看護師が、お茶をいれながら話しているようでした。

「うちは受付に美人は置かない方針なんだよね、患者さんが落ち着かないから。それなのにRさんったら調子に乗ってバカみたい!」
私は思わず耳を疑いました。なぜならその声は間違いなく、いつも優しい院長夫人のものだったからです。
「他の仕事ができないから受付なんだよ! って言えばいいのにー」
看護師がそう答えているのも聞こえます。私は気まずさのあまり、2人が笑いながらその場を離れるまでトイレを出られませんでした。

その後もRさんはしばらく美人アピールを続けていましたが、あまりに皆の反応が薄いのでそのうちしなくなりました。

そして私は、いつも優しい良い人という院長夫人の印象と、陰口の内容のギャップが大きすぎたため、しばらくは怖くて院長夫人に近づけなかったことをよく覚えています。

いつも優しい人の裏の顔は、思ったより闇が深いことがあるので注意した方がいいかもしれませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:緑子

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