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同性愛やナポレオンの人間臭い物語など……人生を豊かにしてくれる作品がいっぱい【今月のオススメ最新ムービー】

  • 2023.11.15

【This Month’s 4 Movies】今月要チェックの映画を4本ご紹介!写真を見てインスピレーションで選んでみてね。

1 『シチリア・サマー』

まばゆいばかりの美少年2人。イタリアの新星、G・ピッツーロ&S・セグレートが演じるロマンティックでせつない初恋物語はまさに眼福!が、同時に画面に漂う不穏な空気、2人を取り巻く人々が露骨に吐き出す嫌悪感や憎悪に、心がザワつく。そう、これは40年前にマフィア発祥の地とされるシチリア島で起きた実際の事件。驚くほどに無知で無理解な時代と土地柄が生んだ悲劇の記録でもあるから、やりきれない。

story:1982年、イタリア・シチリア島。花火師の息子ニーノ(G・ピッツーロ)と修理工のジャンニ(S・セグレート)はバイクで衝突し、その瞬間に恋に落ちた。が、ニーノの両親は、同性愛の矯正施設から出てきたばかりのジャンニとの交際に猛反対!

監督:ジュゼッペ・フィオレッロ/出演:ガブリエーレ・ピッツーロ、サムエーレ・セグレート、ファブリツィア・サッキ ほか/配給:松竹/公開:11月23日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

©2023 IBLAFILM srl


2 『ナポレオン』

革命直後のフランスで皇帝に即位したナポレオン・ボナパルトの物語。が、あくまで名匠R・スコット監督が思い描く“英雄”。年上妻ジョゼフィーヌの色香に惑い、コンプレックスに苛まれ、母を想って涙する……そんな人間臭いナポレオンを愛嬌と滑稽みと哀愁、そして時に威厳を漂わせて体現したホアキン・フェニックスは、やっぱり名優。戦場場面は、映像の魔術師スコット監督だもの、ハズレなし!

story:革命の混乱に揺れるフランス。天才的な軍路を駆使して総司令官に任命されたナポレオン(J・フェニックス)は、最愛の女性ジョゼフィーヌ(V・カービー)と結婚。地位も家族も手に入れたはずだが、浮気性の妻との関係はこじれるばかりだった。

監督:リドリー・スコット/出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム ほか/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/公開:12月1日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー


3 『人生は、美しい』

余命宣告を受けたおばちゃんが、無愛想で亭主関白な夫と、願いを叶える最後の旅に出る。死と直面する物語には意外過ぎるミュージカル形式で、平凡な夫婦の愛の軌跡がポップな往年の韓国ヒット曲と共に綴られる。楽しくユーモアたっぷりに描かれる主人公の等身大な死への向き合い方は斬新で、誰もが参考にできる提案かもしれない。笑えるのに涙も止まらない、悲しみよりも優しさが溢れてくる感動の映画体験。

story:いつも不機嫌な夫(リュ・スンリョン)と生意気な娘や息子に健気に尽くす専業主婦のセヨン(ヨム・ジョンア)は、突然余命2カ月と宣告される。それでも冷たくされブチぎれたセヨンは、学生時代の初恋の人を一緒に探すよう夫に強要し、夫婦で旅に出る。

監督:チェ・グッキ/出演:リュ・スンリョン、ヨム・ジョンア、パク・セワン、オン・ソンウ ほか/配給:ツイン/公開:現在、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー中

© 2022 LOTTE ENTERTAINMENT & THE LAMP All Rights Reserved.


4 『パトリシア・ハイスミスに恋して』

名作映画の原作の数々を生んだ人気作家、故P・ハイスミスの人生に迫るドキュメンタリー。死後発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像は、天才肌だった彼女の才能を物語る。関係者の声からは、彼女がひっそり謳歌していたレズビアン・カルチャーや旺盛な恋愛遍歴と共に、クィアへの差別とそれとの闘いが見えてくる。惚れっぽく傷つきやすいその素顔は人間的で、愛着を感じずにはいられない。

story:『太陽がいっぱい』などの名作映画原作で有名なミステリー作家、P・ハイスミス。母の愛情を受けず育った彼女は、思春期に自身の性的指向を認識。1作目がヒッチコックにより映画化され注目作家となる中、偽名義でレズビアン小説『キャロル』を出版する。

監督:エヴァ・ヴィティヤ/出演:マリジェーン・ミーカー、モニーク・ビュフェ、タベア・ブルーメンシャインほか/配給:ミモザフィルムズ/公開:現在、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー中

© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film

text : Yuko Kaneko (1, 2), Hazuki Togo (3, 4)

web edit : KIMIE WACHI[SWEETWEB]

※記事の内容はsweet2023年12月号のものになります。
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