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相続を争族にしないために!その遺言書の効力がなくなるケース2つ

  • 2023.11.14

相続対策として、生前に遺言書を作成しておくのは有効です。しかし、法的に有効な遺言書でないと意味がなく、相続が「争族」になってしまう恐れもあります。

では、どんな遺言書だと無効になるのでしょうか。3つの事例を見てみましょう。

■事例1:書き方のルールを守られていない

遺言書の作成には、細かい要件が設けられています。以下のポイントにおいて間違いがあると無効になってしまうので注意してください。

・日付がない、特定できない ・遺言者の署名・押印がない ・内容がはっきりとわからない ・修正液、修正テープを使って修正していた

■事例2:連名で書いていた

民法において、連名で遺言書を作成することは禁止されています(民法975条)。いくら仲が良い夫婦だったとしても認められません。遺言書を作成するときは「自分の分だけ」「1人1通」を心がけましょう。

■事例3・誰かに書かされた可能性がある

誰かに書かされた疑いのある遺言書は無効になる可能性があります。例えば、ご家族が重度の認知症にかかっていたのに遺言書が作成されていた場合です。

裏で誰かが指図していたかもしれないような場合は、遺言書をもってすぐに弁護士に相談しましょう。

■遺言書を見つけた場合、すぐ開封してはダメ

被相続人が書いたと思われる遺言書を見つけたとしても勝手に開けてはいけません。自筆証書遺言の場合、家族裁判所での検認を経たうえで開封する決まりになっています。偽造など不審な部分がないか確かめるためです。

ただし、開けてしまった場合でも即無効になるわけではないので、まずは家庭裁判所に相談しましょう。

■相続を争族にしないためには?

自分で作成した自筆証書遺言は、書き方や扱いに気を付けないと無効になるリスクが高く、相続トラブルに結び付きやすいです。

自信がない場合は、公正証書遺言を作成すると良いでしょう。これは、公証役場に証人2人と出向き、公証人とやり取りをしながら作成してもらう遺言書を指します。いわば、プロに作ってもらう遺言書なのでミスはありません。

ただし、証人には未成年者もしくは推定相続人を選ぶことはできないため、基本的に家族に立ち会ってもらうのはNGと考えましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)

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