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認知症になると口座が凍結する!?解除方法と未然に防ぐ方法とは

  • 2023.11.12

誰もが天寿をまっとうするまで元気でいられるとは限りません。2017年の内閣府の調査によると、2025年には約5人に1人が認知症になると言われています。

では、認知症を発症した人の銀行口座はどうなるのでしょうか。凍結されてしまった場合、お金は引き出せるのでしょうか。認知症になる前にできる、口座の凍結対策も紹介していきます。

■認知症は銀行にバレる?

認知症を理由に口座が凍結されるのは、「銀行側が口座名義人の認知能力が著しく低下したことを認識したとき」です。

つまり、銀行員が「この方は認知症では?」と判断したり、「うちの家族が認知症で」と本人以外から申請があったりした場合と考えましょう。

■凍結の解除方法

一度口座が凍結されてしまうと、簡単には解除することができません。

解除するためには成年後見制度を使う必要があります。家庭裁判所で手続きを行い、選任された成年後見人が本人の財産を管理し、身上監護を行います。成年後見人には、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることが多いです。

成年後見人は広い代理権が認められているので、銀行口座からお金を引き出せるだけでなく、認知症を患った本人が交わした契約は、日用品の購入など例外を除き、取り消すことも可能です。

■親が認知症になる前に…

一度口座が凍結されてしまうと、本人以外がお金を引き出すためには、多くの手続きが必要になります。そんな面倒な手続きを回避するために、認知症発症前にできる対策があります。

●対策1:任意後見制度を使う

認知症を発症する前、もしくは発症しても判断能力が保たれているうちに、自身で「任意後見人」を選び、代わりにしてもらいたいことを任意後見契約で決める方法です。

法定後見制度とは違い、ご家族など望む方を後見人にできるため、安心して任せられます。

●対策2:家族信託を使う

自身の財産の管・運用・処分できる権利を家族に託す方法です。認知症を発症する前にこの契約を家族と締結しておけば、万が一認知症を発症したとしても、家族が定められた目的に沿って手続きをする限りは口座が凍結されることはありません。

■今から対策を検討しよう

口座が凍結されてしまうと、成年後見制度を使わない限りは誰もお金を引き出せなくなります。病院に入院したり、老人ホームに入所したり、まとまったお金が必要でもすぐには引き出せないので要注意です。

認知症を発症する前に任意後見制度や家族信託で対策を講じておくと、安心できるのではないでしょうか。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)

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