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K-POPはもう古い?あのBTSも虜になった…トロットに魅せられたアイドルたち

  • 2023.11.11
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世界の音楽シーンを席巻するお隣・韓国で、社会現象になるほど人気を博している音楽ジャンルがある。それが「トロット」だ。

踊りたくなるようなリズミカルな曲調と哀愁が感じられる歌詞、韓国文化特有の「恨(ハン)」の感情を歌っており、1930年代の誕生から現在まで大衆に慣れ親しまれている。日本でいうところの演歌と共通するところも多い。

そのせいか、「トロット=中高年の音楽」だと思われがちだが、そんなことはない。トロットは時代の変化によって、バラードやR&Bにロックなど、さまざまなテイストが取り入れられ、柔軟にその音楽領域を広げ、今や老若男女に愛される音楽ジャンルとして確かな地位を確立してきた。

実際、トロットに魅せられ、自ら楽曲を発表してきたK-POPアイドルたちも多い。その世界にそこで今回はトロットデビューを果たしたアイドルを紹介する。

批判もあった…SUPER JUNIOR

それぞれのメンバーがMCにバラエティ、俳優業とマルチに活躍している“長寿グループ”SUPER JUNIOR(スーパージュニア)。彼らもトロット曲をリリースしているのをご存じだろうか。

SUPER JUNIOR
(写真提供=OSEN)SUPER JUNIOR

トロット好きを公言していたイトゥク、ヒチョル、カンイン、シンドン、ソンミン、ウニョクの6人で構成されたスペシャルユニット「SUPER JUNIOR-T」が、2007年に発表した『ロクゴー』がそれだ。

当時、K-POPアイドルがトロットに挑戦するのは異例のことだった。何しろそれまでスタイリッシュなコンセプトで人気を呼んでいたSUPERJUNIORのメンバーたちが、そのイメージとは真逆のレトロの世界に飛び込んだのだ。このスペシャルユニット結成が発表された当時、ファンの間には心配の声もあったほどだった。

だが、「10代のファンからお母さん世代のファンまで、誰もかが楽しめる楽曲を作りたいという意図でチャレンジした」というメンバーたちの願い通り、『ロクゴー』はスマッシュヒット。今では多くの人に広く知られる名曲となっている。

あのBTSも!? 幻のトロットソングとは…

驚くべき記録を更新し続け、ワールドスターとなったBTSの楽曲の中にも、ファンの間で「一度聞いたら耳から離れない」「中毒性が高い」と言われる“幻のトロット曲”が存在する。しかも日本語の曲だ。

それがSUGAとJ-HOPEのコンビが歌う『お疲れ様ソング』。日本でのライブ中にJ-HOPEが何気なく口ずさんだメロディーをSUGAが曲にしたことで誕生した。

SUGA
(写真提供=OSEN)SUGA

「今日もいっぱい精一杯頑張りました」「お仕事もお勉強も楽じゃないよね」「だけどきっと明日も良いこともあるさ」といった歌詞からもわかるように、聴く人を勇気づける応援ソングとなっている。

2017年のファンミーティングでは、スパンコールが輝くトロット歌手らしい派手な衣装でメンバー全員で『お疲れ様ソング』を披露したBTS。音源化されていないため、ライブでこそ聴けた幻の曲なのだが、依然としてファンの間で人気が高い。

J-HOPE
(写真提供=OSEN)J-HOPE

2021年にはグループ最年長のJINが誕生日を記念して、自身の釣り愛を歌ったトロットジャンルの楽曲『SUPER TUNA』を発表しているBTS。ワールドクラスの彼らもトロットを愛唱していると知るだけで、親近感が沸くだろう。

JIN
(写真提供=OSEN)JIN
トロット歌手×アイドルのコラボも

最後に紹介するのは、人気アイドルのメンバーが所属していることで人気を博したトロットグループ「タソッジャン(SUPER FIVE) 」だ。

韓国のバラエティ番組『最愛エンターテインメント』から誕生したタソッジャンは、PENTAGONのフイ、ASTROのMJ、A.CIANのチュ・ヒョクジンに加えて、人気番組『ミスター・トロット』にも出演した“トロットの神童”パク・ヒョンソク、グループ最年少のオク・ジヌクの5人で構成されており、前出したSUPER JUNIORのイトゥクもプロデューサーとして名を連ねている。

トロットなのにラップパートがあり、特徴的な振り付けが斬新なデビュー曲『上手くいくさ(Hello)』は公開当時、韓国では関連ワードがトレンド入りするほどの盛り上がりを見せた。聴けば聴くほどハマッてしまうほど中毒性が高い楽曲として、今も評価が高い。

タソッジャン(SUPER FIVE)
タソッジャン(SUPER FIVE)

こうした例でも分かる通り、懐かしいサウンドと耳に残るフレーズがトロットの魅力。アーティストとしてさまざまな音楽に精通する多くのK-POPアイドルたちがトロットの虜になってしまう理由も、まさにここにあるのだろう。

注目すべきは、そんなトロットのオーディション番組がついに日本でも行われることだ。

その名も『トロット・ガールズ・ジャパン』。WOWOWとABEMAが全話無料同時放送するとともに、YouTube、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)といったSNSでも幅広い展開が準備されている一大オーディションが、日本で行われているという。

放送・配信は12月1日18時よりスタート。オーディション番組がテレビとネットで全話同時放送・配信されるのは国内初となるという。

優勝者が決まる決勝は2月23日(予定)。衛星放送のWOWOWの無料放送に加え、動画配信サービス[ABEMA][WOWOWオンデマンド]で同時に無料配信されるのだから、盛り上がること必至だ。

しかも、そこにはBIGBANGのD-LITEも特別審査員として参加するという。

D-LITE
(写真提供=『トロット・ガールズ・ジャパン』製作委員会)D-LITE

何を隠そうD-LITEも韓国で『ナルバキスン』や『テバギヤ』などトロット調の楽曲を発表したアーティスト。そんな彼が日本のトロット歌姫を決める一大オーディションの特別審査員を務めるというというのだから、期待も膨らむばかりだろう。

K-POPに熱狂するあなたもトロットを一度聞いたらハマってしまうかもしれない。

文=新井 いるる

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