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『ピーちゃんとナッツくん』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第364回】

  • 2023.11.11

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。

『ピーちゃんとナッツくん』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第364回】の画像1

『ピーちゃんとナッツくん』
はらしままみ/作・絵 ポプラ社 1430円

11月11日は、ピーナッツの日。
11月は落花生の新豆の時期であり、落花生はひとつのさやにふたつの豆が双子のように並んで入っていることから、1が2つ、11が2つ重なるこの日を「ピーナッツの日」として昭和60年(1985年)に全国落花生協会が制定しました。
そのピーナッツの日にばっちりおすすめなのが、今秋発売になったばかりの『ピーちゃんとナッツくん』です。

おててをつないだなかよしふたり組、ピーちゃんとナッツくん。
「おなかと おなかで……」
ページをめくると、
「ピーナッツ! ぽん ぽん!」
ぷっくりかわいいふたりのおなかが、ぴたっとくっつきました。
さあ、今度は
「おててを あわせて……」
ページをめくると、
「ピーナッツ! ぱん ぱん!」
今度はふたりの手のひらが、ぴたっと合わさります。
ページをめくるたびに、おしりやほっぺ、体のあちこちをぴたっとくっつけていく、ピーちゃんとナッツくん。
このぴったり具合がかわいくて、
「ピーナッツ!」
のたびに、読んでいるこちらもうれしくなってしまいます。
そして読後はきっと、親子で、子ども同士で、
「ピーナッツ!」
と、くっつきたくなりますよ。

『ピーちゃんとナッツくん』は、『とうもろこしぬぐぞう』でデビューしたはらしままみさんの2作目の絵本。
『とうもろこしぬぐぞう』では、主人公のぬぐぞうさんの迷いのない脱ぎっぷりが爽快でしたが、『ピーちゃんとナッツくん』では、なかよしさん同士でくっつく心地よさ、あったかさにほっこり。
本描きまでに描いたピーナッツはなんと200パターン以上、5年がかりで完成したという労作です。
裏表紙のふたりの姿も「あらあら……」とほほえましくて、なんだか胸いっぱいになってしまうのです。
ぜひお手に取って、お確かめくださいね!


選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、司書、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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