あなたのお住まいの地域には、その土地ならではの風習はありますか? 小さな頃から当たり前に親しんできた習わしが、実は全国的には珍しいものかもしれません。今回は、ある地域だけの伝統だと知らずに大恥をかいた筆者の体験をご紹介します。
地域独自に伝わる初盆の風習
私の出身県では、初盆に缶詰や缶コーヒー・お菓子などを詰め合わせた箱に、周りを造花で派手に飾りつけた「籠盛(かごもり)」と呼ばれるものを、仏壇の周りに飾る風習があります。
この籠盛は、親族や故人とゆかりのあった友人たちから送られるのが一般的。
小さな頃から初盆のお参りに行くと、どこのお家にも豪華な籠盛が並べられているので、最近まで、これが私の県独特の風習だとは知りませんでした。
「籠盛」を他県の知人に送ったら……
数年前、関西に住む大学時代の親友のお兄さんが他界しました。
私は学生時代に、お兄さんにも大変お世話になっていました。
なので失礼がないようにと、初盆にはお包みとともに一際豪華な籠盛を送りました。
数日後、親友から電話がかかってきました。
籠盛のお礼だと思い、電話に出ると……。
「お包みありがとう。あと、めちゃくちゃ豪華なお中元? みたいなのもありがとう……で、あれ何?」と親友は困惑した口調だったのです。
親友からの電話で、初めて籠盛が私の住む地域独自の風習だと知りました。
「失礼がないように」ととった行動が、結果的に無礼だと勘違いされる
親友の口調でお父様も察したようで、親友から電話を奪い取り「君ね、非常識だよ!」と怒鳴られてしまいました。
お話をきくと、お父様は籠盛を「開店祝いに贈るスタンドの花」と勘違いしたようでした。
私は、言われてみればそう見えなくもないけど……そんなもの、初盆に送るわけないじゃん! と言いたい気持ちをグッと我慢して、ひたすら「認識不足でした。すみません」と謝りました。
その後、親友に籠盛の説明をすると「へぇ〜そんな風習あるんだ。勘違いしてごめんね」と納得してもらえました。
地域だけの伝統? 全国的にOK? 迷った時は専門家へ相談
地域独自の風習や習わしについては、事前に調べることが大切です。
私のように、気づかないうちに失礼になってしまう可能性もあるので、迷ったときはネットで調べたり専門家に相談したりしましょう。
ltnライター:広田あや子