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クマが「広い範囲を動き回っている」…ことしの北海道は出没が増える?その理由と、できる対策とは

  • 2023.11.10

環境省によりますと、今年4月から9月までのクマによる人身被害件数は全国で105件以上。
統計開始以来、最も多く、過去最悪ペースで推移しています。

北海道もその例外ではなく、札幌市での出没件数は、過去5年で最も多かった2019年を上回るペースで推移。

目撃情報が相次いでいて、10月、11月も事故が発生しています。

被害が相次ぐ中で、どう対策をすればいいのでしょうか。

連載「クマさん、ここまでよ」

秋は被害が増加…さらに今年は

キノコ狩りなどで人が山に入る機会が多い秋は、北海道内の被害の件数は増加傾向にあります。
今年は、さらに「ある特徴」があるんです。
登別にある、クマ牧場。
冬を前に飼育されているクマが、この時期食いだめているのは、「どんぐり」です。

Sitakke

のぼりべつクマ牧場の坂元秀行さんは、クマにとってのどんぐりは「日本人にとっての白米というようなイメージですかね。1日に10キロくらい食べると思います。冬を越すための栄養源で、どんぐりを食べて脂肪を蓄えるという大事な役割があるんですよね。この時期のクマにとっては大切な食糧源になってます」と話します。

実は今年、クマのエサとなる主食の 「どんぐり」が広範囲に渡って不作となっています。

道のヒグマ対策室は、エサを求めて人間の生活圏内に出没する頻度が高くなると見込んでいます。

酪農学園大学の佐藤喜和教授は、「木の実が不作・凶作の地域が多いようですので、エサを求めて広い範囲を動き回っているような状況だと思います」と話します。

Sitakke

エサ不足によって冬眠が早まる可能性があるとしながらも、あと1か月ぐらいは注意が必要だといいます。
「山奥で生まれ育ったクマに比べて、人里の周辺で生まれ育っているクマが増えているので、例年よりもクマが里に下りてきやすいような、そういうエサ不足の傾向があるということをちょっと念頭に置いて、きちんとごみの管理や家の周りでクマを誘引してしまうようなものの管理をしてほしい

「のぼりべつクマ牧場」近くの山にもどんぐりの木があって、例年はどんぐりが落ちているとのことですが、取材をした日は探しても落ちておらず、実もなっていない状況でした。

エサ不足で、クマたちはどうなっているのか?

佐藤教授は、
・クマには明確なナワバリがなく、エサを求めて広範囲を動き回る
・“人慣れ”している可能性があり、弱いクマほど人里近くに生息していると指摘。

「クマのエサになるもの(ゴミ・農作物・コンポストなど)の管理」を徹底するよう強調していました。

クマの出没が相次いでいる状況を踏まえ、鈴木知事は10月27日、今後はクマの駆除に積極的に取り組む必要があるとの認識を示しました。

さらに、環境省に対し、ハンターの出動に対して報酬や経費を支払うことなどを要請したということです。

全道のみならず、全国で身近な課題になった、クマとの”いい距離の保ち方”。
Sitakkeと連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。

連載「クマさん、ここまでよ」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は「今日ドキッ!」での放送時(2023年10月30日)の情報に基づきます。

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