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菅野美穂“意志しっかり持ち前進”「ゆりあ先生の赤い糸」で“令和のヒロイン像” 夫・堺雅人に続き、視聴者を魅了

  • 2023.11.9

“ゆりあ”菅野美穂は“今の時代に求められるヒロイン”

菅野美穂さん(2016年3月撮影、時事通信フォト)
菅野美穂さん(2016年3月撮影、時事通信フォト)

俳優の菅野美穂さん扮(ふん)する主人公がSNSを中心に「かっこいい」「応援したくなる」「誰よりも男前」と話題を集めているのが、放送中の連続ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」(テレビ朝日系、毎週木曜午後9時)です。

本作は、「第27回手塚治虫文化賞」でマンガ大賞を受賞した入江喜和さんの漫画を原作としたホームドラマ。菅野さんが、くも膜下出血で倒れた夫・吾良(田中哲司さん)の介護、その愛人や隠し子との同居、姑の節子(三田佳子さん)との嫁姑問題を痛快に乗り越えていく地味でタフなヒロイン・伊沢ゆりあを演じています。

菅野さんの連ドラ出演は、2021年1月期に放送された連続ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)以来、約2年ぶり。また、前回、テレビ朝日の連ドラで主演を務めた「恋の奇跡」からは実に24年という月日がたっています。

菅野さんといえば、2013年に映画「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]」で共演した同じく俳優の堺雅人さんと結婚し、当時、人気俳優同士の誕生に世間は大いに盛り上がりました。

堺さんは、前クールとなる今年7月期に放送された連続ドラマ「VIVANT」(TBS系)で主演を務めました。約2カ月に渡るモンゴルロケを敢行し、総制作費はハリウッド級ともいわれる同作は、最終回で世帯視聴率19.6%という数字を打ち出しました。

成功の鍵を握っていたのは、間違いなく主人公の乃木憂助に扮する堺さんの演技でしょう。出世コースから外れた気の弱い商社マンとしての顔と、民間人に紛れ、国内外で諜報活動を行う陸上自衛隊内の特殊先鋭部隊「別班」の“すご腕エージェント”としての顔を見事に使い分け、視聴者を最後まで翻弄(ほんろう)しました。

行動が読めないという意味では、菅野さんが演じるゆりあも同じかもしれません。ゆりあは売れない小説家の夫・吾良と、姑・節子と一軒家に暮らす主婦。平凡だけど、穏やかで幸せな日々を送っていたところ、吾良がくも膜下出血で意識を失います。そのまま寝たきりとなった夫の介護だけでも大変なのに、同性の恋人や、吾良を“パパ”と呼ぶ2人の子どもとその母親が続々と現れるというカオスな状況に。普通の人なら心が折れて、全てを投げ出してもおかしくはありません。しかし、「かっこよく生きる」がモットーのゆりあが選んだのは、その逆の道。全員まとめて家で面倒を見る代わりに、「みんなで吾良の介護をしよう」という奇想天外な発想で現状を打破していきます。

うじうじ悩まず、自分の意志をしっかり持って前に進むゆりあはまさに今の時代に求められるヒロイン。一方で、あまりに清廉潔白だと尊敬はできても、共感はできないということにもなりかねません。そこで功を奏してくるのが、菅野さんの等身大の演技。思ってもみない状況にしっかりと翻弄され、男前な行動とは裏腹に揺れ動く感情を解放してくれるから、ゆりあがロボットのようには見えず、人間味ある部分を感じてより応援したくなります。そこに、菅野さん自身の茶目っ気あるキャラクターが重なり、共感性と憧れ性を合わせ持った魅力あふれるヒロインが浮かび上がってくるのです。

芸歴約30年、夫の堺さんと共に今も第一線で俳優として活躍する菅野さん。11月9日に放送される第4話では、便利屋・伴優弥(木戸大聖さん)からキスをされたゆりあが、優弥にメールをするが、返信がなく……という展開。年下男性との恋に揺れるゆりあの心情を菅野さんがどう表現するのか楽しみです。

オトナンサー編集部

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