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J2の事例紹介も…韓国Kリーグ選手交代騒動は「審判に全的責任」で結論、没収試合の異議も棄却

  • 2023.11.8

韓国Kリーグで発生した「選手交代騒動」について、韓国プロサッカー連盟(以下、連盟)が最終結論を下した。

連盟は、10月28日に全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第35節の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース対浦項(ポハン)スティーラーズに関して、試合結果を「浦項の0-3の没収試合」に訂正すべきだという全北側の異議申し立てを受け入れないことにしたと明らかにした。

上記の試合では、前半26分に浦項のFWキム・インソン(34)が交代で退場し、代わりにDFシン・グァンフン(36)が出場する選手交代が行われた。ただ、当時の審判団はキム・インソンではなく負傷でピッチ外に出ていたDFキム・ヨンファン(30)が交代で退場する選手と錯誤し、キム・インソンを退場させずシン・グァンフンを出場させた状態で試合を進めた。

その後、審判団がミスを認知し、前半31分頃にキム・インソンを退場させ、試合を続行した。なお、試合は1-1の引き分けに終わった。

全北側は、キム・インソンとシン・グァンフンがKリーグの競技規則上「無資格選手」に該当するため、試合結果が「浦項の0-3の没収試合」に訂正されなければならないという趣旨で異議を提起した。

これに関して連盟は、キム・インソンとシン・グァンフンが同時に試合に参加した事実は認められるが、その原因は浦項側ではなく、全面的に審判の責任下にある領域で発生したため、2人の選手が「無資格選手」に該当すると見ることはできないと明らかにした。

浦項ベンチに選手交代の状況を説明する主審
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)浦項ベンチに選手交代の状況を説明する主審

連盟が説明した具体的な理由は以下の通りである。

―試合中に選手を交代する過程は、コーチングスタッフが交代の可否と対象を決め、審判に交代を要請する過程と、交代手続きを審判が遂行する過程に区分される。交代可否と対照を決めて審判に要請する過程まではクラブの責任下にあり、交代手続きの遂行は審判の責任下にある。

―浦項が交代用紙に交代対象選手を「7番 キム・インソン(OUT)」「17番 シン・グァンフン(IN)」と書き、第4の審判に提出する過程までは、競技規則に違反した事項がなく、規則違反という結果につながる原因も発生していない。浦項のコーチングスタッフが本来、キム・ヨンファンの交代を準備していながら、キム・インソンと書き間違えたのは意思問題であり、規則を違反した判断ではない。

―競技規則違反は、その次の段階である審判の交代手続き遂行過程で発生した。7番キム・インソンを退場させなかった状態で、17番シン・グァンフンを出場させたのは明白な手続き違反だ。ただ、交代で退場する選手が誰かを確認し、その選手が退場した後、代わりに出場する選手をピッチ内に入れる手続きは審判の責任下で行われ、その過程にクラブは介入しない。

―したがって、審判がキム・インソンを退場させなかった状態で、シン・グァンフンがピッチ内に入った事実は、審判の規則違反によって発生したものであり、浦項に帰責事由があるわけではない。

―「無資格選手」の出場が直ちに没収試合という厳重な結果を生むことになるという点に照らしてみると、「無資格選手」の概念には「クラブ自らの判断、すなわちクラブの帰責事由によって試合に出場した選手」という前提が内在していると見なければならない。したがって、浦項の帰責事由がない今回の事件では、キム・インソンとシン・グァンフンを「無資格選手」とはみなさない。

―今回の事件と比較される2021年9月18日に行われた光州(クァンジュ)FC対済州(チェジュ)ユナイテッドのKリーグ1第30節における光州の没収試合の場合、例え交代を許容した第4の審判の誤りがあったとしても、当初その交代を決定して審判に要請したのは光州側であり、光州側自らの判断に過失があったことが明らかだったため、4人目の交代選手を「無資格選手」と判断した。

―1996年10月2日に行われた水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス対浦項の試合において、水原三星が外国籍選手の出場枠上限(3人)を超えて4人目の外国籍選手を交代出場させた事件でも、規定に反する選手交代を決定し、審判に要請したのは水原三星側だったため、4人目の外国籍選手を「無資格選手」と判断した。試合は水原三星の0-3の没収試合となった。

―一方、連盟は2000年7月1日に行われた全北対富川(プチョン)SK(済州ユナイテッドの前身)の試合において、審判のミスによって本来交代で退場しなければならないパク・ソンべが退場する前に、交代投入選手のゾラン・ミロシェヴィッチが出場し、一時的にピッチ内の全北の選手が12人となった事件では、2人の選手を「無資格選手」とみなさなかった。試合は全北が2-1で勝利した。

―海外の事例を見ると、2022年4月2日に行われたフライブルク対バイエルン・ミュンヘンのドイツ・ブンデスリーガ第28節の試合中、交代で退場となるべきキングスレー・コマンが審判のミスによって退場せず、一時的にバイエルンの選手が12人となった事件で、ドイツサッカー連盟はフライブルク側の異議申請を却下した。試合はバイエルンが4-1で勝利した。

―2023年6月30日に行われたサントス(ブラジル)対ブルーミング(ボリビア)のコパ・スダメリカーナ グループE第6節でも、選手交代のミスによって一時的にサントスの選手が12人となった事件があったが、こちらも没収試合は宣言されなかった。試合は0-0の引き分けに終わった。

―2021年10月3日に行われた栃木SC対大宮アルディージャのJ2リーグ第32節でも、選手交代のミスによって一時的に大宮の選手が12人となったが、没収試合は宣言されず、試合結果がそのまま認められた。試合は大宮が3-1で勝利した。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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