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【漢字】「義経記=よしつねき」は間違い!意外と読めない「古典文学作品」の漢字5選

  • 2023.11.5

CLASSY.ONLINEで前回紹介した「意外と読めない文学作品の漢字」。前回は明治時代以降の「近現代文学」から選びましたが、せっかくなので、その第2弾として「古典文学編」を紹介します。現行の高校教科書巻末の「文学史年表」に掲載されている作品から選びました。なので、高校時代には目にしていたこと可能性があるはずの作品を、薄れかけていく、かすかな記憶(?)をたどって答えてみてください。今回は後編として5つ紹介します。では、始めましょう。

1.「古今著聞集」

「こきんちょぶんしゅう」ではありません。鎌倉時代、橘成季(たちばなのなりすえ)編の説話集。

正解:「古今著聞集(ここんちょもんじゅう)」

2.「義経記」

「よしつねき」と読みがち。作者不詳。「源義経」の生涯を描いた『平家物語』のスピンオフ的な作品。

正解:「義経記(ぎけいき)」

3.「十六夜日記」

鎌倉時代。阿仏尼(あぶつに)という女性が、訴訟のために京都から鎌倉へ下った際の紀行文。「十六夜」は「いさよう(ためらう)ように昇る十五夜の次の日の夜(月)」で、日記の最初の日付から。

正解:「十六夜日記(いざよいにっき)」

4.「世間胸算用」

江戸時代。井原西鶴(いはらさいかく)作の浮世草子(一種の通俗小説)。町人の悲喜哀歓を描く。「胸算用」は、今では「むなざんよう」と読み、「心の中で見積もりを立てる」ことの意味で使います。

正解:「世間胸算用(せけんむねさんよう)」

5.「国性爺合戦」

江戸時代。近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)作の人形浄瑠璃の脚本。「国性爺」は主人公の名(「国姓爺」とも)。後に歌舞伎化もされる。「爺」の音読み「ヤ」は、「老爺(ロウヤ)」「好好爺(コウコウヤ)」などの熟語でも使うので覚えておきましょう。

正解:「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」

中身も読んだことのある作品はありましたか? ちなみに中国の唐の時代の文章家「韓愈(かんゆ)」が、「灯燈火稍可親(とうかようやくしたしむべし)」と詩に書きました。前後の内容と合わせて、「(秋の夜には)ようやく灯りに親しむ(読書を楽しむ)ことができる」というような意味ですが、これが、今の「読書の秋」という言葉のルーツと言われています(日本では、夏目漱石が自身の小説の中で引用しています)。
では、今回はこのへんで。

《参考文献》「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「できる大人の漢字大全」(三笠書房)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)

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